JFA DREAM 夢があるから強くなる











ポッド苗方式・芝生化モデル事業を実施〜「JFAグリーンプロジェクト」から始まる地域社会づくり〜 (08.06.25)

 日本サッカー協会(JFA)は、キャプテンズ・ミッションに掲げる「JFAグリーンプロジェクト」の一環として、都道府県サッカー協会、サッカークラブ、自治体、小中学校、幼稚園・保育園などを対象に、グラウンド5面分(50,000m²相当)の芝生の苗30万株を無償で提供する芝生化キャンペーンを実施した。
 
 芝生の匂いが香る青々としたピッチの上でサッカーをする。これがどれほど心地良いかは誰しもが知るところだろう。しかし、このような環境を作り上げ維持するには、維持管理の面でも費用の面でも非常に難しく、なかなか上手くいかない・・・。しかし、そんな心配は、もう過去の話になりつつある。
 「JFAグリーンプロジェクト」は、人々の心身の健全な発達の寄与することを目的に、校庭や園庭、地域の公園などの芝生化に向け、芝生の効用や素晴らしさを訴求することはもとより、芝生の整備のあり方や持続可能な維持管理のノウハウを広く啓発していく芝生化推進活動のこと。その活動の一環として今回JFAでは、つくばFCや筑波大学サッカー部などの協力により、30万株のティフトン芝のポット苗を栽培し、幼稚園や小学校など29施設に無償で提供することになった。
 「スタジアムレベルのものを作るとなると行政や専門業者の仕事になるが、これからの少子高齢化社会に本当に必要なのは草の根レベルでスポーツを楽しむ人々や外遊びが減った子どもたち、家にこもりがちなお年寄りのために、芝生の広場やグラウンドを整備すること」と、JFAでグリーンプロジェクトを担当する根本敦史は話す。いかにお金と手間をかけずに芝生を作るにはどうしたらいいか。そこで1年ほど調査した結果、その答えがポット苗方式だった。
 まずはポットの中で苗を1ヶ月育てる。その後は自動散水型のスプリンクラーを埋設した上で芝生化する場所全体に50cm間隔で深さ5cmの穴を掘り、あとはポットで育てた苗を植え付けるだけ。すると、1週間後には徐々に成長を開始し、2ヶ月もすれば、一面緑のグラウンドに様変わりする。
 「行政が多目的広場という名目でグラウンドを作るとなると、高麗芝で作ることがほとんどでした。高麗芝は傷むと元に戻らない。そういったトラウマもあり、一般的に利用制限があって使えなくなるというイメージがあります。しかし、ティフトン芝は多少痛んでもすぐに戻る。ちゃんとした芝を選び、維持・管理すれば、そんなに極端な利用制限をしなくても十分に保つことができるんです。みんな芝生は良いものだとわかっている、だけど敷居が高い。その金額面と利用面をクリアすることを前提に、今回モデル事業として始めたんです」と根本氏。
 実際のところ、サッカー場1面10,000m²をポット苗で芝生化するには、ポットで約4万個の苗が必要となる。芝の材料費はティフトンの切り芝が20m²で約20,000円程度。そのほかに土や肥料が必要だが、それでも材料費だけで300,000円ほどしかかからない。一方、行政が主体で芝生化するということで、設計して発注してとなると、数千万円となってしまう。また、芝刈り機も買うとなれば約200万円するが、リースであれば月に数万円で借りることができる。一方、自動散水型のスプリンクラーは、設置に500万円ほどかかるが、水遣りの重要性や負担を考えると、これを節約してマンパワーを投入することは非合理的と言えよう。このように数字を挙げみると、学校や自治体、クラブチームにとって非現実的なものではない。
 「目指すのは保育園や幼稚園、小学校、中学校などの芝生化、それが目標です。ティフトン芝は、それがスタンダードになってもおかしくないくらい品質は良い。それに、使う人がグラウンドづくりを体感してもらうことは、すごく良いことですし、そういった人たちが、例えば剣道をする人が剣道をする前に道場をきれいにするように、日々、大切にメンテナンスしながらピッチに立ってくれることが望ましい。我々もスポーツ団体として、サッカーを通じて地域社会づくりに貢献していく、そういうことをこのプロジェクトでできれば」と、根本氏は熱く語った。
 行政や業者任せにするのではなく、自らの手で芝生のグラウンドを作り、維持管理を行う。ヨーロッパのように、草の根の活動が成熟し、環境が整備されることにより、地域のスポーツ活動も活性化する。そしてそれが地域文化を育み、社会を豊かにしていく――。
 「JFAグリーンプロジェクト」の活動がその一翼を担うことを祈り、今後もより積極的に活動を広げていく。