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彼女たちがこれまでやってきたサッカーへの思いを最も表現できるのがオリンピック。 佐々木則夫なでしこジャパン監督

佐々木則夫なでしこジャパン監督 北京オリンピック直前インタビュー

2008年7月21日
取材・文:木ノ原 句望

 今年2月の東アジア選手権で優勝して日本女子代表初のタイトルを手にしたなでしこジャパンが8月6日、全競技の先陣を切って北京オリンピックの戦いをスタートさせる。
 4年前のアテネ大会でベスト8進出を果たしたなでしこは、今年1月から佐々木則夫監督体制に移行。前任の大橋浩司監督時代にコーチを務め、チームと選手を熟知する佐々木監督の下、なでしこジャパンのオリンピック出場メンバーは7月15日から福島県Jヴィレッジで合宿を開始した。オーストラリアとアルゼンチンとの強化試合(それぞれ、24日・ホームズスタジアム神戸、29日・国立競技場)を経て、中国で行われる本大会に乗り込む。グループステージでのニュージーランド(NZ)、アメリカ、ノルウェーとの対戦に向けて着々と準備を進める佐々木監督に、大会へ向けて話を聞いた。

──大会へ向けてオリンピック代表メンバーで合宿をスタートさせましたが、準備は順調でしょうか?

 そうですね、この合宿では今までやってきたことをもう一度整理しています。所属チームに戻すと、なでしこでのプレーのかみ合わせがどうしても悪くなってしまうので、自分たちのチームコンセプトをもう一度しっかりと確認しなくてはなりません。ただ、思っていたよりもJヴィレッジが涼しいので、午前午後と練習量を上げてやっても、非常に質の高いトレーニングができています。それに、選手自身もオリンピックということで、強い意気込みをもって取り組んでくれていますので、僕がモチベーションを上げるようなことは必要ないですね。

──チームコンセプトというのは?

 攻守に連動した中でサッカーをやるということ。そこが我々のストロングポイントでもあります。ただ、そのコンディションを上げるには時間がかかります。
 個で打開する、あるいは守りきるというのであれば、個人のコンディションを上げるだけでいいんでしょうけど、我々は複数でサッカーをして守備をしてコンビネーションをとって攻撃をします。それも18人プラス4人ができるようにしなくてはならない。それが我々の特徴として、欧米の選手たちに勝ち得るところなので、誰が試合に出てもコンビネーションが合う中で守備や攻撃ができるようにしたいと考えています。
 選手の反応もよくて、1日ごとにステップアップしていると感じています。ミーティングしてトレーニングしてゲームをして、またビデオを見てプレーを確認して…と、見て聞いて実戦するという繰り返しでやっています。ですので、選手が感じをつかむのは早いと思います。

──日本の強み、良さとはどういうところでしょうか?

 連携・連動した中でのボールの奪取、そしてボールを奪った中での展開力ですね。
 ところが、せっかくボールを奪ったのに、すぐにボールを失うケースがあります。ボールを奪ってまた取られるとピンチになるので、そういうところは失くして、リスクをなくすように習慣づけなくてはなりません。
 さらに、ボールを奪う位置によっては、相手のゴールを脅かすことがしっかりできているかどうかもポイントです。受け手と出し手でそういう狙いをお互いに持っていなければ、せっかくたくさん連動連携して前線でボールを奪っても、もったいないだけですから。そういうところの質とコンディションを上げていこうとしています。
 そして、メンバーが18人なので、誰が入ってもそれができる、また、複数のポジションで同じことができるという状況にしていかないとなりません。

──メンバー選考も、そういう部分と、暑い中での連戦という大会事情を考慮して決められたと思いますが、選考はスムースに行ったのでしょうか?

 いや、もちろん僕の内面では、やはり18人とバックアップですから…。選考では、現状のコンディションも考慮しました。ケガが多いとか故障持ちなど、メディカル面での要素もありますので、その点はメディカルスタッフとともに詰めたところです。少し体調が不安な選手もいるので、バックアップメンバーがJヴィレッジ合宿の1週間を一緒にやることはすごく重要なことでした。18+4の22人がオリンピックへ向かうなでしこチームなので。