JFA DREAM 夢があるから強くなる











新女子委員長に上田栄治氏が就任 〜感動を与えるサッカーを目指して〜 (2006.10.13)

 日本サッカー協会は9月15日、第5回理事会において前なでしこジャパン監督の上田栄治氏を特任理事に選任し、同時に上田氏の女子委員長就任を承認した。また、10月1日以降、女子委員会は技術委員会の組織内に位置づけられることとなり、技術委員会と連携して強化を図ることになった。さらなる発展と強化に期待が集まる中、今回は約2年ぶりに女子サッカー界に復帰した上田氏に今後の女子サッカーについて話を伺った。
 
Q:女子サッカーを離れていた期間、なでしこジャパンの試合などを目にする機会というのはあったのでしょうか?
上田:いえ、正直に言ってあまり見る機会はありませんでした。でもアテネオリンピックを戦ってみて、日本の目指す組織の中でパスを回していくサッカーにはまだまだ大きな壁があると感じていました。次に指揮をとる方はある意味、一度チームを壊して再び作り上げ、そして上乗せしていかなければならない―これは大変なことです。大橋浩司監督もそういった考えでこれまでの期間、「個」をのばし、チーム力を上げてきています。先にオーストラリアで行われたアジアカップの試合を見てそう思いました。

Q:現在、日本はFIFAランキング13位(10月12日現在)となっています。世界における日本の位置をどうとらえていらっしゃいますか?
上田:各国それぞれに強化してきていて、レベルは上がっていますが、それは日本も例外ではありません。短期的な目標としてベスト10入りは視野に入れています。そして世界大会には必ず出場する。さらに世界大会でベスト4に入れるようなチームへの強化を目標としています。そのためにもユース年代の育成が重要になってきます。

Q:JFAアカデミーやU-15女子代表合宿などの練習をごらんになっていましたね?
上田:ユース年代の現状を把握するために見てきました。「個」を育てるには若い年代から指導する必要があります。そういった状況の中でこれらの取り組みや考え方は非常に有効的ですね。特にJFAアカデミー福島に関しては今後、各世代の代表に直結していく可能性も十分にあります。ナショナルトレセン制度も始まり、いろんな活動が行われるようになりましたが、まだユース年代の経験値は低いと言えるでしょう。経験を積ませるためにも各世代の世界大会には必ず出場するという意識を持って日々の練習に励んでもらいたいですね。

Q:今後の取り組みについてお聞かせ下さい。
上田:やはり第一には代表チームの強化ですね。各世代の代表もそうですが、まずはなでしこジャパンの強化。彼女たちのひたむきさ、純粋さあふれるプレーは見る人に感動を与えます。そういうプレーを見せる、そして結果で示すことによって、下の世代にも繋がっていくんです。なでしこジャパンの活躍は大きな意味を持ちます。そしてもう一つはユースの育成です。ナショナルトレセン制度にしても高校生のカテゴリーがないので、この年代にもう一つカテゴリーを増やしたいと考えています。そして指導者の育成。よい選手を育てるにはよい指導者も育てなければなりません。これらの強化は今後、女子サッカーの発展の中で重要な要素となってくるはずです。今後も様々な方々と意見交換をし、女子サッカーの発展と選手の立場に立った環境作りをしていきたいと思っています。ゆくゆくはサッカーが女子のメジャースポーツになってくれれば嬉しいですね。

(文/早草紀子)