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女子サッカーレポート
ビジョンを共有したコーチングを目指して〜指導者講習会〜(08.01.04)

 12月末、ナショナルトレセン女子U-15と並行して指導者講習会が行われ、全国から多くの指導者が参加した。
 12月26日〜28日、指導者講習会が行われ、U-15年代の指導者だけでなく、男女を問わずあらゆるカテゴリーの指導者が参加した。
 「この指導者講習会では指導実践はないんですが、女子各カテゴリーの代表監督の話を直接聞くことが出来ることは大きいと思います。実際にアジアや世界大会で戦ってきて、その課題や成果など興味深いことが多いのではないでしょうか。めったにない機会なので時間を見つけてどんどん疑問や質問をぶつけてほしいですね」と語るのは講習会の指導にあたる今泉守正ナショナルトレセンコーチ女子担当チーフだ。
 ナショナルトレセンでは選手に“トレセンの5つの約束”が伝えられた。目標を持つ、ハードワークする、自分自身を知る、感謝する心を持つ、そして自立すること。これらはまさにこの年代の指導の指針となっている。“U-15年代の指導はしつけである”とよく言われる。「育成のサッカーは教育的であることが重要」と今泉コーチも言う。自分のことは自分で行う―当たり前のことを当たり前にする。そういった面もこの共同生活の中で実感させていく。トレーニングにおいても「投げかけ」から「やりとり」を行い、その中から選手自身の判断を促し、自分で確認させる。ナショナルトレセンではオンザピッチ・オフザピッチの両面でコーチからの「投げかける」アプローチが見て取れた。これらはU-15年代だけに限られることではないが、コーチ陣が特に意識して接していることを受講者はしっかりと感じ取っていた。
 この講習会では、ナショナルトレセンコーチによるアプローチを直に見ることが出来るトレーニング見学や、なでしこジャパン・U-19女子代表の佐々木則夫監督、U-16女子代表の吉田弘監督、上田栄治女子委員長による講義、そして実技講習と3日間にわたって充実したプログラムが組まれた。ナショナルトレセンコーチはテーマを共有しながらも指導方法は人それぞれ。限られた時間の中で多くのコーチの声を聞こうと、メモを取ったり、トレーニング内容を確認し合ったり、寒空の下で受講者は熱心に耳を傾けていた。
 「一番難しいのは伝えたいことをメニューにのせて表現するということです。その心は何なのか、そこを伝えることが一番難しいんです」(今泉コーチ)。ナショナルトレセンのトレーニングはあくまでも一つの例題である。選手の成長具合によって変化していくのがトレーニングメニュー。それを作り上げていくのは、一番身近でその成長を感じ取ることが出来る指導者なのである。世界を見据え、今後の日本の女子サッカーを支えていく選手の育成は、日々選手と接している地元チームの指導者の協力なくしてはなし得ない。
 初日の講義では上田委員長から「なでしこビジョン」についての話があった。日本女子サッカーに携わる全ての人々が共有するビジョンを持とうと発表されたなでしこビジョン。このビジョンを共有する上でも指導者講習会が担う役割は大きい。

(文/早草紀子)