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女子サッカーレポート
初の女子公認C級コーチ養成講習会を開催〜なでしこジャパンのメンバーも参加〜(08.03.14)

 これまでにも様々な取り組みがなされてきた女子サッカーだが、今年新たな試みとして女性を対象とした公認C級コーチ養成講習会が開催され、指導者のみならず、なでしこジャパンなどの選手も受講。技術力、戦術眼を養うことにもつながるため、参加した選手らは意欲的に取り組んだ。
 女子・公認C級コーチ養成講習会は今回初の開催だが、内容的には通常のC級養成講習会と同様のものである。大きく異なるのは対象者だ。もちろんC級ライセンス取得を目指す指導者も参加しているが、今回は、女子トップレベルの選手たちにも広くアプローチされ、なでしこジャパンから7名、なでしこリーグから14名を含む計30名が参加した。
 この養成講習会のきっかけとなったのは昨年のFIFA女子ワールドカップの際に行われたFIFA女子シンポジウムだった。このシンポジウムで、ドイツが現役選手を対象に指導者ライセンスを取得させるシステムが紹介された。
 ドイツの女子サッカーはいまや世界ナンバー1(3月14日現在のFIFAランキング)を誇る。その実力がこの選手の指導者ライセンス取得だけに起因するわけではないにしろ、技術力や戦術眼を伸ばすのに有益であることは理解されるだろう。
 JFA女子委員会の上田栄治委員長も予ねてから選手にライセンスを取得させることが必要だと思っており、女子C級コーチ養成講習会に女子選手の参加を促した。
 1月21日から5日間の合宿形式で行われた講習会はボールフィーリング、パス、コントロール、シュート、ゲーム、ゴールキーピングといった実技と10からなる講義、指導実践、そして筆記試験と、充実した内容のプログラムが組まれた。この講習会に参加して初めて指導する側の立場に立ち、最初は戸惑う選手もいた。柳田美幸もその一人だ。「今まで“コーチになる” という意識がなかったので、選手とは異なる指導者としての視点の切り替えが難しかったですね。私はプレーヤーだからつい答えを言ってしまいがちだということも気づきました。あと痛感したのは指導するということは経験ももちろん大事だけど、情報も持っていないとダメなんですね」。一方、実際に指導を行っている山郷のぞみは、「私はGKですけど、ここではフィールドプレーヤーもやる。互いの立場がわかるというのもいいですね。目から鱗だったのは、自分で判断させたり、考えるのを待ってあげたり、工夫をしなきゃいけないってこと。考えさせられることが多かった。今度はGKコースも取ってみたいです」と話していた。
 参加者が、現役選手と指導者にはっきり分かれてしまうのではないかと危惧されたが、初日こそ互いに遠慮があったものの、日を追う毎に硬さも取れ、それぞれ意見交換する姿も見られた。なでしこリーグ・ディビジョン2の清水第八プレアデスから参加した小田彩香選手は、「選手もコーチもトップの人たちが集結している。やっぱり皆さんサッカーを知ってるなって感じがします。チームに戻ったときに何気なくやっていることでもやりやすいだろうし、楽しいと思います。盗めるところは盗んで今後のプレーに生かしたいです」と意識を高めていた。
 女性指導者を増やすこと、個の戦術理解を高めること。この養成講習会のベースはここにある。この養成講習会には仕事を休んで参加したり、遠方から出向いてくる参加者も少なくない。色々なフィールドで活躍する人たちが集まって一つのテーマに取り組む。捉え方は様々だが、5日間の経験でプラスアルファが生まれたはず。ここで得たものは決してC級ライセンスだけではないだろう。

(文/早草紀子)