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女子サッカーレポート
北京を目指す若い力〜後藤三知の、なでしこジャパンへのステップ〜(08.04.04)

 2月に行われた、なでしこジャパンのキプロス遠征に初招集された後藤三知。高校生の後藤が見たなでしこジャパン、そしてそのなでしこジャパンが目標とする北京オリンピックについて語ってくれた。
 中堅以下の若い力に光りを当てた今回のキプロス遠征だが、そのメンバーの中に常磐木学園高等学校2年の後藤三知の名前があった。後藤は、昨年中国で行われたAFC U-19女子選手権を戦ったU-19女子代表の中心選手だ。この大会で日本は準優勝し、上位3チームに与えられる世界大会への切符を手にし、2008年に行われるFIFA U-20女子ワールドカップ(チリ)に出場することが決定している。U-20カテゴリーでの世界挑戦に先駆けて、日本のトップチームであるなでしこジャパンの一員でプレーするという大きなチャンスが後藤に訪れた。
 「選ばれたのを知って、素直に嬉しかったですね。遠征に行くのが楽しみで仕方なかった。いろんな人のプレーを見て、盗めるものは盗んでこようと決めていました。実際にすごく楽しかったです。練習をやる度に今までわかっていなかったこと、出来ていないことがハッキリした。あんなにいろんなことが見えたトレーニングというのは初めてでした」。
 不安はなかったと語る後藤。後藤は2月の行われたなでしこチャレンジプロジェクトメンバーにも選ばれていた。そこでなでしこジャパンと一緒にトレーニングをし、一つのボールを奪いあった。その一ヶ月後、後藤はなでしこジャパンの一員として遠征に参加することになる。後藤にとってなでしこジャパンとはどのような存在なのだろうか。
 「日本のトップチームですから、やっぱりすごく選ばれたかった。自分の中ではイメージの中だけのものだったけど、やってみてそこに自分が立っているんだということを実感出来ました」。
しかし、自分が身を置く状況だけでなく、プレーにおける現実も同時に実感する。 日々、後藤がボールを追いかけているのは高校生世代。技術だけでなく、体の成長や精神面でも違いを目の当たりにする。
 「私も毎日サッカーをしてきていましたが、それでもキプロス遠征で痛感したのはみんなが “サッカーを知っている” ということ。自分は何もわかっていないな、と。上手く言えないんですけど、トレーニングであっても戦う姿勢だったり、プレーするときの意識が高い。気を緩める瞬間がないというか・・・。でもキツかったけど、苦しくはなかった。嫌だと思うことはなかった。むしろ、そういう環境の中でサッカーに打ち込むことが出来て居心地が良かったです」。
 トレーニングに励む一方、CYPRUS Women`s Cup 2008にも出場し、オランダとのテストマッチではPKも決めた。
 「ゲームに出してもらえたことは有り難かった。自分の中では全然納得出来できない悔しい結果でしたが・・・。前線から守備をして、ボールをハードに迫ったり出来るところは持ち味だと思ってます。後は裏を取るプレーを伸ばさないとダメですね。大野(忍)さんの裏に抜けるプレーとかを見て、もっと見習わなくちゃと思って(笑)。わからないことはしっかり聞いたり、ノートに取ったりしてました。ノートはメモでいっぱいです!その一つ一つにこれから答えを見つけ出していきたいです」。佐々木則夫監督が「真面目すぎるくらい真面目」と評した一面も垣間見られた。この突き進む力の原動力となっているのは北京オリンピックへかける熱い思いだ。
 「アテネオリンピックを見て、やっぱりオリンピックで活躍するとこれからの女子サッカーの発展につながるんだと思いました。自分を支えてくれた人にも、私がオリンピックに出ることで元気を与えることが出来できるかもしれない。自分の中では、“いつかオリンピックへ出たい”というのではなく、“北京オリンピックに出るんだ”という気持ちがその頃からずっとあった。自分が代表に近い存在になるずっと前から思っていたことだったんです。これは大きなチャンスだと思うので、今はなでしこジャパンが目標とする北京オリンピックでメダルを獲るために、チームに貢献出来できる選手になりたいです」。
 まだまだ発展途上の段階ではあるが、限りない可能性を秘めた若い力はしっかりと育っている。なでしこジャパンに新風を巻き起こすことが出来るのか。今後の成長に注目したい選手だ。

(文/早草紀子)