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女子サッカーレポート
2シーズンぶりに立つプレナスなでしこリーグL1の舞台〜鮫島彩のチャレンジ〜(08.04.11)

 昨シーズン、2部では安定した強さを見せ、1年で1部へ返り咲いた東京電力女子サッカー部マリーゼ。今やチームの攻撃には欠かせない存在となった鮫島彩に今年の抱負を聞いた。
 Jヴィレッジを本拠地に構える東京電力女子サッカー部マリーゼがなでしこリーグディビジョン2へ降格という衝撃が走ったのは一昨年のことだった。有力選手も多く、前評判も高かっただけに選手たちのショックも大きかった。しかし、地元はもとより全国各地に駆けつけたサポーターに支えられ、選手たちは公約通り、その悔しさに1年でケリをつけた。
 マリーゼと言えば、多彩な攻撃が魅力のチーム。その中でサイド攻撃のカギを握るのが鮫島彩だ。名門・常磐木学園から加入して今年で3年目を迎える20歳。2部での戦いはいきなりの試練だった。
 「みんな絶対に1年で1部に上がるんだっていう気持ちで一つになっていました。今年はあまりプレッシャーを感じないようにと思っていたのですが、副キャプテンに任命されてしまって(苦笑)。個人的にはプレー以外では控えめにいきたいんですが・・・」。
 気分も新たに、今シーズンに臨む鮫島だが、このオフの時期になでしこチャレンジプロジェクトにも参加、2月にはなでしこジャパンに初招集され、キプロス遠征に同行するなど、これまでとは違う環境に身を置くことになった。
 「(招集のことを)初めて聞いた時は“えっ?”て感じで、本当に意外でした。もちろん嬉しくもありましたが、同じくらい不安もありました。完全にビビッてましたね(笑)。でもこれは大きなチャンスだし、こんな機会はそうそうあるものじゃない。私はチャレンジメンバーからの招集ですし、失うものは何もないですから」。
 手探りの中で代表合宿に参加し、2週間のスケジュールを無事にこなした鮫島。課題を含め、多くのことを実感した日々となったようだ。
 「頭も体もフル回転でウォーミングアップから疲労感がありました(笑)。ボール回しでも一本一本、コース、スピードを意識してやっている。チャレンジプロジェクトやU-20女子代表の雰囲気とは全く違っていました。欧米の選手は当たりは強いけど、スピードではまだこちらに分があるかなと感じました。といっても、突破も数回しか成功しなかったんですけど。でもスピードは私の武器でもあるから、生かすためにはもっとオフザボールの動きが重要だと思います」。
 この合宿に参加し、自分の意識の低さに気づかされたという。プレーの面でも責任の所在をうやむやにしない代表の空気感の中で、鮫島はあらためて自分の課題と向き合うことができた。
 「自分のプレーやポジションに対する責任だったり、いいボールをもらうためのポジショニングだったり、全てに共通して必要なのは積極性だと思うんです。マリーゼでもそれは私に求められていること」。だからこそ、チームでも副キャプテンというポストが鮫島に与えられたのだろう。このオフの経験で鮫島に確かな変化が起こっている。
 「今までも積極性を持たなくてはと自覚してはいたんですが、なかなか行動としてはわかりにくかったと思うんです。今年は目に見える積極性と、さらに運動量を上げていきたい。シーズンのことを考えると不安がないと言えばウソになりますが、私たちはチャレンジャーなので、強豪チームにもどんどん仕掛けていって“一本取った!してやったり!”っていうのをやりたいですね。どうしても1部では守備に回ることが多くなるのは覚悟しています。後手に回らないようにしたい。個人的には1対1は楽しみなところです」。
 プレナスなでしこリーグ開幕は1部が4月12日、2部が13日。マリーゼの初戦の相手は“強豪”日テレ・ベレーザだ。狙い通りの展開で女王から一本取ることができるか。鮫島の目指す“積極性”溢れるプレーにも注目したい。

(文/早草紀子)