JFA DREAM 夢があるから強くなる










ファンゾーン

女子サッカーレポート
世界を目指して新たなスタートを切る〜U-20女子代表合宿〜(08.04.25)

 U-20日本女子代表は3月31〜4月3日と4月14日〜17日、11月にチリで行われるFIFA U-20女子ワールドカップに向けて、それぞれ岡山と静岡で合宿を行った。
 今年はオリンピックイヤー。しかし、世界を目指しているのはなでしこジャパンだけではない。FIFA U-20女子ワールドカップに出場するU-20女子代表も世界を見据えて強化を図っている。昨年中国(重慶)で行われたAFC U-19女子選手権で準優勝した日本は世界大会への出場権を獲得した。
 前回のFIFA U-20女子ワールドカップの決勝カードが朝鮮民主主義人民共和国vs中国だったことからも、アジアの実力が世界に引けを取らないレベルにあることがわかる。その強豪ひしめくアジアの中で、日本が準優勝という成績を残したことは世界と戦う上でも明るい材料となる。あれから約半年。U-20女子代表が世界へ向け、いよいよ本格的に始動した。
 今回は3月31日〜4月3日に岡山で、4月14日〜17日に静岡と、東西に分けて行い、それぞれ20名の選手が招集された。東西ともに練習メニューはほぼ同じ。早朝6時からのランニングに始まり、午前・午後のトレーニングから夜のミーティングまで内容の詰まった4日間となった。
 午前練習は、ウォーミングアップ後に2グループに分けて15〜20分間隔で2対2から4対4までこなす。その後エリアを少し広げて3対3の挟み込み、ゴールを3つ作っての4対4、4-1形式の5対5、そして3-3-2形式の9対9。佐々木則夫監督からはパスコースを切ったあとのスペースのフォローや立ち位置とそこで得るべき情報、体の向きなど、1プレイ毎に細かい指導がなされた。わずかの妥協も許さない監督の指導に、選手の表情も真剣そのもの。常に頭をフル回転させていた選手たちだが、「詰め込んだ練習の後はこれに限る」と、シュート練習ではフラストレーションを吹き飛ばすかのように豪快なシュートを連発していた。
 午後の練習は紅白戦。様々な組み合わせを実践で試した。トレーニングに共通していたのは守備の領域に対する意識。ただパスコースを消すだけでなく、自分たちの守備がしやすいように相手を追い込み、タイミングがあれば仕掛けられる前に仕掛けるという積極性が求められた。ミーティングでもビデオを見ながら、ボールが移動しているときの視野、疲労が溜まってきたときの判断などについてレクチャーが繰り返された。
 東西ともに合宿後半に組まれたのが練習試合。西はPlenusなでしこリーグの湯郷ベル、INACレオネッサと、東は関東大学女子選抜と対戦。U-20という若い世代のカテゴリーではあるが「女子代表」が相手ということで気迫十分。そんなハイプレッシャーのゲームで、選手たちはこの合宿での成果を試した。
 今回、合宿をエリアで分けたことによって招集人数を増やすことができ、AFC U-19女子選手権に参加できなかった選手にも代表入りの可能性が広がった。本大会を見据えた選出ももちろんだが、ゆくゆくはなでしこジャパンを狙っていく選手たち。佐々木監督はボトムアップの意味も含め、この合宿ではあえて細かく個々やポジションに絞ったメニューを組んだ。「AFC U-19女子選手権のメンバーが世界大会へ行ける訳じゃない。世界と戦うには今まで以上にスペシャリティが必要なんです。練習中も積極的にプレーしている中でのミスならいい。守備の面でも相手の出方を待つのではなく、どんどん奪いに行く。私が求めているのはもっとアグレッシブに“行く”選手なんです」(佐々木監督)。
 今回の合宿はもう一度多くの選手にチャンスを与え、さらになでしこジャパンのビジョンを感じてもらう絶好の機会となったようだ。

(文/早草紀子)

※U-20日本女子代表候補トレーニングキャンプのメンバーは、こちら