JFA|日本サッカー協会  Japan Football Association
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「芝生で語ろう」


 この2年間、育成とワールドカップ南アフリカに向けて全力を尽くしてきましたが、会長職の責務の重さというのを痛感しました。途中、幾度となく体調を崩したりした中で今後の2年間を考えた時、この重責を全うするための気力、体力を維持することができないと判断し、この度、辞任することを決意しました。この場に立ってご挨拶できないことを大変申し訳なく思っています。

 2008年に会長に就任以降、目の前にあるFIFAワールドカップでの勝利と10年、20年先の日本サッカーの発展に向けた「育成」にプライオリティを置いて取り組んできました。日本において、競争相手のない“日本サッカー協会”という組織を大きく変えるには、世界基準に合わせた取り組みが必要だとして、草の根から代表まで一貫したコンセプトでそれぞれの業務を進めてきました。
 日本代表については惜しくもベスト8は叶いませんでしたが、ワールドカップでの活躍とその真摯なプレー、チーム一丸となった戦い振りに多くの国民が共感してくれ、子どもたちには、夢と諦めないことの大切さを伝えられたのではないかと思っています。
 育成に関しましては、育成専門の指導者の養成、8人制サッカーの奨励とリーグ戦化など、子どもたちのための環境改善に力を注ぎ、将来に向けて基盤を整えることはできたと自負しています。
 最後の仕事として務めたFIFAインスペクション日本視察につきましては、日本招致に向けた我々の強い意志を理解していただき、その独自性ある提案と官民一体となった体制、日本が誇る最先端技術、JFAこころのプロジェクトや環境プロジェクトといった、JFAが行っている社会貢献活動などソフトの部分も高く評価していただき、手応えを感じることができました。
 実は、ワールドカップ開幕前に、私を推薦して下さった川淵名誉会長に辞意を申し出ました。川淵名誉会長からは強く慰留され、最後まで思いとどまるよう説得されましたが、私が描いたビジョンが部長以下スタッフに浸透してきたことから、後顧の憂いなくバトンを渡すことができると確信し、辞任に至った次第です。
 2年間、支えて下さった多くの皆様には心から感謝申し上げるとともに、今後ますますの日本サッカーの発展を祈り、最後のご挨拶とさせていただきます。

2010年7月25日
犬飼 基昭

※本文は7月25日に開催いたしました財団法人日本サッカー協会評議員会および同理事会に配布されました犬飼前会長のコメントを全文掲載したものです。