JFA|日本サッカー協会  Japan Football Association
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「今日もサッカー日和」


コパ・アメリカ出場へ

 日本サッカー協会(JFA)は4月14日の理事会で、アルゼンチンで行われるコパ・アメリカ アルゼンチン2011に参加する意思を固め、昨日、南米サッカー連盟(CONMEBOL)、アルゼンチンサッカー協会(AFA)、コパ・アメリカ大会組織委員会に対してレターでその旨を伝えました。

 ご存じの通り、JFAとJリーグは昨年から招待チームとしてコパ・アメリカに出場する準備を進め、今年6月26日から7月30日の約1ヶ月間はJリーグの中断期間を設けた日程を組んでいました。昨年11月に行われた抽選会で日本はアルゼンチン、コロンビア、ボリビアと同グループに入り、開催国のアルゼンチンと再び相まみえることを楽しみにしていました。
 しかし、東日本大震災によって、Jリーグは3月12日からリーグ戦を中断せざるを得ない状態になりました。再開は来週23日からとなりますが、1ヶ月余り中断した結果、当初コパ・アメリカのために空けておいた7月をJリーグに充てなければ今シーズンの日程をすべて消化することができなくなってしまいます。当然、選手、クラブは大きな負担を強いられてJリーグを戦うことになり、さらにコパ・アメリカにJクラブの主力選手を送り出すとなると、チームの成績やクラブの収益にも影響する恐れがあります。それで一度はコパ・アメリカへの出場は断念せざるを得ないのではないかという議論になったわけです。
 今年1月末にU-17組織委員会の会議で南米の関係者と会ったとき、アジアカップでの日本の優勝を心から喜んでくれ、「コパ・アメリカにアジアチャンピオンとして日本を迎えることができてうれしい」と口々に言われたんですね。川淵(三郎)キャプテンがコパ・アメリカの抽選会に行った時も、キリンチャレンジカップでパラグアイ、グアテマラ、さらにあのアルゼンチンに勝利して間もない時期でしたから、南米の関係者は「日本とは当たりたくない」なんて話していたそうです。
 それだけに、コパ・アメリカを辞退せざるを得なくなるのは無念でなりませんでした。強豪チームひしめく南米の大会に参加することは、SAMURAI BLUEの強化にとってまたとないチャンスで、日本サッカーの発展にとっても非常に意義あることですから。
 しかし、東日本大震災の影響は深刻さを極め、いまだに十何万人という人が苦しい避難生活を強いられています。サッカー界に目を転じれば、被災地をホームタウンとするベガルタ仙台、水戸ホーリーホック、鹿島アントラーズも大きな被害を受け、また、2002年のFIFAワールドカップ日韓大会の際にアルゼンチンのキャンプ地となったJヴィレッジも今は自衛隊等の基地として使われています。 この状況で、果たしてコパ・アメリカに参加することが適当かどうか、難しい判断が要求されました。

「日本国民のためにコパ・アメリカを開催したい」(グロンドーナ会長)

 CONMEBOLをはじめ南米各国のサッカー関係者とは長年培った深い友情があります。コパ・アメリカについては、長年にわたって日本から参加させてほしいというオファーをして快諾してもらった経緯もあるので、こちらから一方的に辞退を申し出るのは礼儀に反します。ここは、主催連盟や大会組織委員会の判断を仰ぐ必要があるとして、先週、私は急きょ、CONMEBOLの事務所があるパラグアイへと飛び、まずはレオス会長に面会して日本が置かれている状況、被害を受けたJクラブの現状、また、Jヴィレッジの状況についても説明しました。その後、アルゼンチンに移動し、AFAのグロンドーナ会長と、大会組織委員会のメイスナー委員長に会って同様の説明をしました。
 グロンドーナ会長は、「アルゼンチンとしては何としても日本に参加してもらい、我々も困難に直面している人たちと共にいるということを伝えたい。日本国民のためにコパ・アメリカを開催したい」と、強い口調で言い、「なんとか解決策を探ってみてくれないか」と説得されました。
 いま、欧州リーグの1部、2部でプレーしている日本人選手は約30人。所属クラブとの合意があれば招集も可能なんですが、基本的には日本は招待チームであるため、所属クラブには選手をリリースする義務はないんです。しかし、有難いことにCONMEBOLは「FIFAおよび欧州の所属クラブに対して選手のリリースに関する交渉についてはCONMEBOLが責任を持って行う」と約束してくれており、海外のリーグで活動する日本人選手の招集についてはCONMEBOLの協力を得て、また、Jリーグ所属選手はJクラブの理解と了承を得て進めていくことになります。

 この未曾有の大震災によって多くの命が奪われ、今なお、不安と混沌の中で暮らしている被災者が数多くいます。その人たちのためにも日本サッカーが一丸となって復興に力を尽くさなければと考えています。 今回のコパ・アメリカに関しては、この権威と伝統のある大会で戦えるような強い日本代表チームを編成することを基本に出場を果たし、被災地の皆さん、そしてファン・サポーターに日本の雄姿をお見せしたいと思っています。
 南米のサッカー関係者の、日本を思う強い気持ちが被災地の皆さんに通じることを願うとともに、日本が出場することによって支援の輪が世界中へ広がり、日本中の人々に希望や勇気を持ってもらうことにつながればと願っています。

 

財団法人 日本サッカー協会
会長 小倉純二