JFA|日本サッカー協会  Japan Football Association
JFAへの登録リンクENGLISHRSS

「今日もサッカー日和」


組み合わせ抽選会

  昨日(4月24日)、サッカーの聖地と言われるウェンブリースタジアム(ロンドン/イングランド)でオリンピックのサッカー競技の組み合わせ抽選会が行われました。抽選会には、原博実技術委員長、そして、関塚隆、佐々木則夫両監督らが出席し、その行方を見守りました。  女子の出場国はワールドカップより4チーム少ない12チームが出場し、4チームずつを3グループに分けてグループステージを戦い、各組上位2チームと、3位チームのうち成績が上位だった2チームの8チームが準々決勝に進出します。日本がワールドカップ優勝国としてシード、また、世界ランキングトップのアメリカと開催国の英国も同じくシードされ、どの組も力が均衡した組み合わせとなりました。
  今回のオリンピックでは、なでしこジャパンはワールドカップチャンピオンとして挑戦を受ける立場です。初戦のカナダ(7月25日、17時キックオフ/現地時間)は、最近戦っていないので未知数のチームですが、かえって戦力を集中できるのではないでしょうか。2戦目のスウェーデン戦(7月28日、12時)、新興の南アフリカ戦(7月31日、14:30)では、なでしこの実力を遺憾なく発揮して、ベスト8、さらにその先に駒を進め、決勝の舞台で大躍進してほしいと思っています。
  一方の男子ですが、前回の北京大会では3連敗を喫しており、今回はチャレンジャーとして戦います。日本はグループDで、スペイン(7月26日、12時)、モロッコ(7月29日、19:54)、ホンジュラス(8月1日、17時)と同組。スペインが強敵ですが、初戦は何が起こるかわかりませんからね、強い気持ちで頑張ってほしいです。モロッコ戦、ホンジュラス戦は手堅く、確実に勝ち星をあげ、まずはベスト8をしっかりキープしてほしいですね。
  今回のオリンピックのサッカー競技で、アジアの中で男女ともに出場しているのは日本だけ。男子サッカーは44年前のメキシコオリンピックで日本が銅メダルを獲得して以来、アジアからメダルが出ていません。女子は1996年のアトランタオリンピックで中国が銀メダルを取ってから16年が経過。なでしこはワールドカップチャンピオンとして出場するのですから、アジア各国の関係者もその戦いに注目しているはずです。
  ワールドカップと異なり、登録選手も18名と少ないため、選手の選考に苦労すると思いますが、ファン・サポーターの皆さんは誰がメンバーに選ばれるか興味深く思っていることでしょう。オリンピック開幕までの残り3カ月をいかに有効に使って強化を図るかがカギになりますので、日本サッカー協会としても万全のバックアップ体制で本大会に臨みたいと思っています。
*組み合わせはこちら

北京オリンピックの思い出

 2008年に北京で行われたオリンピック――U-23日本代表は、グループステージでアメリカに0対1、ナイジェリアに1対2、オランダに0対1で敗れ、グループステージ敗退という残念な結果に終わりました。
 当時、私はFIFA理事として、瀋陽競技場の責任者を任されていました。ナイジェリア戦後、2連敗してグループステージで脱落することが決まってしまったチームを元気づけようと、老辺餃子館というレストランの、30人が食事できるくらいの大きな部屋を予約し、反町(康治)監督に声をかけ、選手らチーム全員で食事しようと誘いました。
 瀋陽は餃子が有名で、中でも老辺餃子館は170年の歴史がある老舗です。ところが当時、日本では中国から輸入された冷凍餃子で食中毒が出たことで中国の餃子に信用がなく、選手たちは帰国してからJリーグの試合を控えていたこともあってチームドクターが体調管理を優先させたいと、餃子を食すことに難色を示しました。そこでしかたなく、視察で瀋陽を訪れていた岡田(武史)日本代表監督と小野(剛)技術委員長(いずれも当時)ら数人を伴い、ばかでかい部屋でひっそりと餃子を食べながら(笑)、オリンピック敗戦の傷を癒した苦い思い出があります。    
  一方の女子は、初戦のニュージーランド戦を2対2で引き分け、アメリカには0対1で敗戦しましたが、3戦目にノルウェーを5対1の大差で破り、グループステージ3位で初のベスト8を達成。その後、準々決勝で中国に2対0で勝利するも、準決勝は再びアメリカを相見えて2対4で敗れ、3位決定戦でもドイツに0対2で負け、メダル獲得を逃してしまいました。
  私は、準決勝の対アメリカ戦と3位決定戦をFIFAのブラッター会長と一緒に観ていたのですが、ブラッター会長は、日本のスピードと、パスワークを駆使したサッカーを面白いと評価していました。大野(忍)選手が先制したのですが、最後にハイボールでやられてしまって・・・しかし、この時はよくやったと好意的な感想を言っていました。
  ところが、3位決定戦のドイツ戦、前半は互角で戦っていてよかったのですが、後半はアメリカ戦同様に、またしてもハイボールで決められてしまったため、ブラッター会長は「日本には170cm以上のゴールキーパーはいないのか!」と大声で叫んで帰ってしまいました(苦笑)。う~ん、この時は私も悔しい思いをしました。
  なでしこジャパンがFIFA女子ワールドカップで優勝した要因の一つに、北京オリンピックでメダルを逃したこと、負け方が納得のいくものでなかったという悔しさがバネになったのは言うまでもないでしょう。

FIFA女子ワールドカップの喜びを再び

 昨年の女子ワールドカップの決勝もブラッター会長とともに観戦することになりました。長身でフィジカルにも長けたアメリカ、ドイツの選手を相手に、小柄な日本人選手は、コンパクトでパスとスピードを生かしたサッカーで互角に戦いました。ブラッター会長は、北京の時のように日本人の背の低さに不満をもらさなかっただけでなく、「日本が女子サッカーに革命をもたらした」と大絶賛!そして、表彰式では、澤(穂希)選手への表彰を全て私に任してくれたのでした。
 なでしこジャパンは今年2月に行ったアルガルペカップでドイツに敗れて優勝を逃し、今月開催されたキリンチャレンジカップでは、アメリカに引き分けていますからね。オリンピックでは何としても金メダルを掴み、世界女王の地位を不動のものにしようと強い気持ちでいるでしょう。6月にはスウェーデン遠征が控えていますので、ともかく充実した3カ月を過ごし、世界舞台で躍動感あふれるサッカーで私たちを魅了してほしいと期待しています。
 世界の勢力図を見ると、アジアの成長は目覚ましく、それに伴って確実に実績を上げているので、メダル獲得はアジアの悲願でもあります。日本ではオリンピックの人気は不動ですし、中でもなでしこジャパンはオリンピック競技の中でも金メダルの呼び声が高いですからね。選手もその自覚と気概を持って戦ってくれるはずです。3カ月なんてあっという間ですよ。楽しみですね。皆さん、期待していてください。