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「芝生で語ろう」


幼稚園児と芝生のポット苗植え

 先日(6月23日)、千葉県柏市にある手賀の丘幼稚園に行き、孫と同じ年かっこうの園児たちに交じって芝生のポット苗の植え付けをしてきました。当日は朝から幼稚園の先生やお母さん方が準備をしてくれていて、年少さんから年長さんまでの総勢280人もの園児が参加。サッカーのピッチほどもあるかというような広大な敷地(第3園庭)に5000株もの苗を2時間もかけずに植えることができました。
  この活動は、芝生化を推し進めるJFAのグリーンプロジェクトの一環で行っている「ポット苗方式・芝生化モデル事業」で、今年度はグラウンド22面分(157,000㎡相当)の芝生の苗65万株を幼稚園や学校、公共施設などに無償提供するというもの。手賀の丘幼稚園はこの事業に申請した幼稚園の一つで、第1園庭~第3園庭を合わせて12,600株を提供しました。今回植えた苗は2か月もすると一面の緑の芝生になり、園児たちはそこで気持ちよく走ったり、でんぐり返ししたりできるようになります。
  幼児は体重も軽く、激しい運動をしないので芝生が傷まず、園庭には芝生がうってつけなんですね。昔と比べて、今のこの年代の子どもは幼稚園では適度な運動をしているんですが、家庭にいる時の運動量が少ないんですね。ですから、幼稚園にいる間は芝生の上で思い切り遊んでほしい。早く子どもたちが裸足で駆け回る姿をみたいものです。
  手賀の丘幼稚園で植え付けをした後、同じく園庭を芝生にした柏さくら幼稚園にも足を伸ばしました。ここは昨年、同じくポット苗方式で芝生にした幼稚園なのですが、非常に良い状態で芝生が育っていました。園長先生曰く、忙しい先生たちも精神的に癒されているとか・・・。これから暑くなってきますが、土のグラウンドほど温度が高くなりませんから、疲労度や集中力も違ってくるはずです。

いずれは欧州のように

 ヨーロッパではサッカーは芝生の上でやるスポーツ。その概念が日本に根付き始めたのはJリーグができてからと言えるでしょう。しかし、日常生活の中で芝生の上で余暇を過ごしたり、スポーツをしたりといったことはあまり出来ないのが現状です。芝生が占める面積でその国の文化度が測られると言いますが、日本も先進国として、また、オリンピック招致やワールドカップ招致などもありますから、もっと環境整備に取り組む必要があると思っています。
  この芝生のポット苗ですが、苗自体はそれほど高いものではありません。しかし、良い状態を維持するにはスプリンクラーや芝刈り機などが必要。そういった初期投資に地域の行政が積極的に関わってくれると、芝生化はもっとスピードアップするはずです。
  芝生化を推進する我々としても、もっと行政にアプローチし、理解を求めていく必要があると考えています。芝生の上で子どもたちが楽しそうに遊ぶ姿など、教育委員会の人たちにも是非、見てもらいたい。子ども達の肉体的、精神的成長にどれだけの効果があるか、一目で理解できるはずです。
  芝生のグラウンドは、ヒートアイランド現象や埃の緩和のみならず、転んでもケガをしにくく、また、適度の湿度で風邪を予防するなど、数々の効果が挙げられています。また、体力不足、運動不足が指摘される現代の子どもたちに外遊びやスポーツを促し、そのなかで社会性を育むことができます。学校や園庭を芝生にしてその管理を子ども達がするようになれば、芝生を大切に使う気持ちや目的意識、達成意欲なども育み、情緒障害などがある子どもにも精神的な安定をもたらすと言われています。もちろん、こういったことは子どもだけに限りません。芝生の広場があれば、大人も、また高齢者もそこに集いたくなるもので、コミュニケーションの輪を育む場ともなるのです。
  これまで、維持管理が難しく、費用もかかると思われてきた校庭の芝生化もこのポット苗方式なら驚くほどのスピードで芝生のグラウンドを実現できます。子どもの健全な成長のためにも、我々大人がそういった環境をつくっていかなければ・・・。是非、多くの人にその価値をわかっていただきたいと考えています。