「芝生で語ろう」
いよいよFIFAワールドカップ南アフリカ大会
新年明けましておめでとうございます。
いよいよワールドカップイヤーの幕開けです。今年の最大の目標は、FIFAワールドカップ南アフリカ大会で「ベスト4」を達成すること。開催国を除き、出場する31カ国は各大陸のすさまじい予選を勝ち抜いてきた強豪チームばかりですから、グループステージはどのグループでもし烈なゲームが繰り広げられるでしょう。日本が属するグループEもオランダを筆頭に格上ばかり。厳しい戦いを強いられるでしょうが、そこを勝ち抜くことで「ベスト4」の光も差すはずです。とにかく負けないこと。高い意識と集中力でどんな難局も乗り越えてほしいと思っています。
さて、SAMURAI BLUE(日本代表)は今日集合してトレーニングで体を慣らし、明日ドバイ(UAE)経由でイエメンに入って、6日のAFCアジアカップ予選(イエメン戦)に臨みます。2月2日のキリンチャレンジカップ・ベネズエラ戦を戦ったあと、2月6日から東アジアサッカー選手権大会(~2/14)に。3月3日には再びアジアカップ予選でバーレーンと相見えます。4月7日、5月24日に国内最終となるキリンチャレンジカップで強化を図り、その後、欧州での合宿を経て、キャンプ地のジョージ(南ア)で本大会に備えます。
あっと言う間の半年でしょうが、その中でも充実した強化を図り、悔いなく本大会を迎えたい。ファンの皆さんは、日本が強国を相手にどんな戦いをするのか注目しつつ、4年に1度の世界最大のイベントを心行くまで堪能していただきたいと思っています。
新たなスタジアムに期待
2018/2022年FIFAワールドカップの招致活動も本格的に始動しました。招致委員会にはサッカーに造詣が深い、政財界の錚々たるメンバーの方々に新たに加わっていただき、これから本腰を入れて招致活動にまい進することになります。開催立候補地、キャンプ地誘致の閉め切りがあと1週間後(1/8)に迫っていますが、多くの自治体/協会が名乗りを挙げており、それに伴い、ワールドカップ招致の機運も高まっていくことでしょう。あの感動を再び日本中の人々が体験できるよう、是非ともご支援いただきたいと思っています。
先月、FIFAクラブワールドカップがUAEのドバイで行われましたが、私は試合の合間を縫ってバルセロナに飛び、コルネリャ市主導で建設したコルネリャエスタディ・コルネリャ=エル・プラットについて同市の助役らに話を聞いてきました。
コルネリャエスタディ・コルネリャは昨年8月に完成したばかりのスタジアムで、コルネリャ市とプラット市をまたぐ土地の再開発で建設されたスタジアムです。ショッピングセンターなどが隣接する複合施設で、スタジアムも太陽光発電といった世界最新のエコシステムが導入されるなど、UEFAから四つ星に認定されています。駆け足の視察ではありましたが、非常に参考になる話を聞いてきました。
昨年8月に海外出張した際にオールド・トラフォード・スタジアム(イングランド)でマンチェスター・ユナイテッドとアーセナルの試合を観戦しましたが、海外のスタジアムはプレーヤーと観客双方のことを考えてスタジアムを作っていますね。客席からピッチが近くて動線も工夫されており、スタジアムが一体となった試合を楽しめます。日本はどの競技にも対応できるスタジアムをつくる傾向にありますが、スポーツ文化やスポーツビジネスを成功させるには、競技者だけでなく、観客のことも考慮する必要があるでしょう。
いま、大阪で新スタジアム構想の話が浮上していますね。実現すればワールドカップ招致に追い風になると思いますが、2002年大会の際に新設されたスタジアムも7年を経過して既に古くなっており、新たに建設する場合、あるいは改修する際、こういった海外の最新のスタジアムが非常に参考になります。日本サッカー協会としては、今後も球技専用スタジアムが新設されることを目指し、スタジアム環境の充に努めていきたいと考えています。
日本サッカーとスポーツの未来に向けて
以前、このコラムでもお伝えしましたが、今年はようやく育成専門の指導者の養成に着手します。今月下旬には、スペイン協会のナショナルコーチアカデミーの委員長以下3人の調査団が来日する予定で、技術委員会とのミーティングで日本の指導現場の実態を知ってもらい、今後、どうやっていくべきかを話し合います。指導者講習会やJFAアカデミー、ユース年代の試合なども視察してもらうことになっています。
スペインは現在、世界第1位(FIFAランキング)。また、2009年のFIFAクラブワールドカップはFCバルセロナが優勝を決めました。代表にしろクラブチームにしろ、スペインサッカーはいま、乗りに乗っていますね。
日本が招致に立候補している2018/2022年ワールドカップは、今の中高生年代が対象となる大会です。刻々と進化している現代サッカーですが、我々が追いつくまで待ってはくれません。より激しく、速く、タイトでクリエイティブに進化している現代サッカーにあって、そこで戦い抜いていくには、強い人間力を持った選手が不可欠です。強い人間力とは、ルールを守ること、フェアに全力で戦うこと、他者をリスペクトできること、きちんとした社会性を備えていること等など。それが世界の常識になっていて、サッカー先進国は本腰を入れて選手の育成に取り組んでいます。スペインのようなサッカー先進国に学ぶことで、日本にもトップクラスの育成システムが構築されればと考えています。
人間力や社会性を持った人材を数多く輩出することが、サッカーだけでなく日本の社会をも強くすることになります。10年、20年、50年先を見据え、今後も様々なことに挑戦していきます。今年も日本サッカー協会に温かいご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
