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「芝生で語ろう」


代表メンバーの選考

 1月6日のイエメン戦には、若い選手が数多く選ばれました。出場の機会を得て、そのチャンスを生かせる選手が出てきたことで期待が高まりますね。前半で2点取られましたが、平山(相太)が1点取ってチームに活気が出た。電話で実況してくれた(笑)大仁団長(JFA副会長)によれば、乾(貴士)や吉田(麻也)、菊地(直哉)といった選手も良かったらしいので、これからが楽しみです。新たに入った選手がいるというのはまだまだ選択肢があるということだし、岡田監督は色々なことを想定して試しているんだと思います。
  今回のイエメン戦に臨むにあたっては、岡田監督は「必ず勝点を取って帰る」と言っていたので、それを実現できて良かったと思っています。監督がある目標を明言し、それを実現できると、チームの大きな自信になるものなんですね。選手も自信を掴んだはずです。過信でなく、確信を持って、これからも力をつけていってほしいと思っています。
  メンバー選考については、ファンの方もそれぞれ意見があるでしょうし、実際、監督が出したメンバー選考に関して僕のところにも投書が来たりはしますが、代表選手というのは、監督がベストなチームをつくるために選考した面々であり、オールスターチームをつくろうという観点で選んでいるわけではないんですよね。そこを是非、理解してほしいと思っています。
  その時の選手のコンディションはもちろん、それぞれの選手の相性というのもある。戦い方によっても変わってくるでしょう。どの国もそうですが、ワールドカップというのは"オールスター"で戦うものではなく、その時の、その国を代表するチームとして、一番ベストなチーム構成をもってして戦う大会です。メンバー選考には監督が全権限を持つわけですが、監督も選手も必勝の構えで臨んでいますから、我々はその気迫と力を信じて応援することが大事だと思っています。
  岡田監督の性格から言うと、南アフリカには"勢いある選手"を連れて行くと思うんですが、今は色々な選手を試すことで他のメンバーの刺激にもなるので、完成度を上げながらチームがますます活気づいていくことを願っています。
  2月2日にはベネズエラ代表とのキリンチャレンジカップ(大分・九州石油ドーム)が、2月6日からは東アジアサッカー選手権大会が開幕します。ここでどういう選手を使ってトライするか、楽しみですね。
  東アジア選手権に関しては、残念ながらDPR.K(朝鮮民主主義人民共和国)の女子チームが出場を辞退してしまいました。来年の女子ワールドカップを見据え、この東アジア選手権で真剣勝負をやってみたかったので残念と言わざるを得ませんが、なでしこジャパンについては強豪が集まるこの大会は重要な意味を持つので、よい経験を積んでほしいと思っています。

育成指導者の養成、いよいよ本格的に始動

 今週、スペインサッカー連盟のヴィジャル会長ら関係者が来日し、22日(金)に調印式を行う運びとなりました。
  6月のFIFAワールドカップで「ベスト4」に向かって全力を尽くすことは今年の一大目標ですが、10年、20年後の日本サッカーの発展にとっては「育成」も最重要課題。日本サッカーの未来に向けて、大きなターニングポイントとなるのが2010年になるのではないかと思っています。
  ブラジルと同様に、スペインも昔はストリートサッカーが当たり前で、子どもたちはそこでサッカーの技を身につけ、社会性や人間性を育んでいたわけです。しかし、車社会、核家族化が進み、子どもたちの遊びもTVゲームなどが主流となり、子どもたちが社会性を身につける場が少なくなってしまった。そこで、サッカーが子どもを育成する場と機会を与えようと、今からおよそ20年前に、まずは子どもたちを育てる指導者の養成から始めようと、本格的な「育成」をスタートさせたんですね。
  スペインのコルネリャ市という街の助役らに話を聞いた際、「サッカーは特別」で、国や地域がそういったことをバックアップしていると言っていました。そういう風土があるのは羨ましい限りですが、とにかく、子どもたちに人間教育から始めた結果、スペイン代表が世界ナンバー1のポジションを獲得したわけだし、レアルマドリードやFCバルセロナとするクラブチームの発展があるわけです。
  日本は、そのスペインサッカー連盟に具体的な手ほどきをしてもらうわけですから、日本人の優秀さをもってしてスペインよりも早く、育成の体制が整備されるんじゃないかと期待しているんです。
  「教える」というのは、自分の知っていることを教えるわけですが、「育てる」というのは、その子が持っている可能性を信じて、その良いところを伸ばしてやることで、「教える」と「育てる」というのは全く異なるものなんですよね。日本には「教える」人はたくさんいるんだけど、いかんせん「育てる」ことができる指導者が少ない。これによって、日本にも「育てる」ことができる指導者がどんどん輩出され、育成の指導者のステイタスが上がることにつながればと思っています。
  指導者の養成コースは4月の開校を目標にしていますが、プログラムなどの策定は、来週、スペインのインストラクターが来て、日本の現場や指導者のレベルを見てもらい、それを持ち帰って日本に合ったものを計画してもらいます。対象となる人数もこれからになりますが、少なくとも47都道府県から一人は参加してほしいですし、Jリーグのアカデミーで指導に携わるスタッフにも参加してほしいと考えています。