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「芝生で語ろう」


FIFAに「招致ブック」を提出

 先週13日、スイスのチューリヒに飛び、FIFA(国際サッカー連盟)に「招致ブック」(2022年大会の開催計画を記した提案書)を提出しました。
 14日にはそのセレモニーがあり、ブラッター会長らFIFA関係者出席のもと、海外のメディア関係者が見守る中で行われました。9候補(*)のプレゼンテーションの持ち時間は15分。日本はあれこれ説明することはせず、PSP(コンセプト映像入りのソニー・プレイステーション・ポータブルを装着したアクリルケースに『招致ブック』、『情報テンプレートバインダー』のDVDを収めたもの)を見せ、「これを見てくれれば、全てが分かる」という戦略にしました。
 日本のプレゼンテーションの後、ブラッター会長が「素晴らしいアイデアだ。今月初旬には川端文科大臣が鳩山首相のレターを持ってきて下さったが、国を挙げて取り組んでいることがよくわかった」と好意的なコメントをしてくれたのが印象的でした。
 7月中旬には、FIFAから視察団(インスペクショングループ)が来日し、各地を回ります。日本には安定した社会基盤があり、2002年大会を成功させた経験と実績があります。どういうところを見てもらい、何をアピールするか…。日本の可能性を最大限に感じてもらえるよう、現在、招致委員会で戦略を練っているところです。

南米を訪れ、日本人の素晴らしさを再認識

  招致に関するロビー活動も佳境を迎えており、各候補の関係者が世界を飛び回っています。私も4月の下旬に南米に飛んでアルゼンチン、パラグアイ、ブラジルの3カ国を訪れ、その足でヨーロッパに向かい、ドイツ、スイスを回りました。
 南米を回って印象的だったのが、上記の3カ国の関係者が異口同音に語っていたこと。それは、"南米に移住した日本人移民が苦労しながら懸命に働き、今もなお頑張っている、そして国民の模範となり、多くの自国民から尊敬されている。だから我々は日本招致を応援したい"という激励の言葉でした。あらためて移民の皆さんのご苦労やそのご尽力を認識しましたし、移民の皆さんの、日本という国そのものに対する貢献度は非常に大きいものだと感じました。
 2002年に開催したワールドカップの際も、世界中のメディアが日本人の温かいホスピタリティや分け隔てのないフレンドリーな国民性などを絶賛してくれましたよね。日本人は世界でも類いまれな素晴らしい国民性を持っている。自信を持つべきだと思いました。

“超臨場感技術”
最先端のテクノロジーで、世界中の人々が熱狂するエンターテインメントコンテンツへ

 さて、日本の提案についてお話しましょう。
 日本のコンセプトは、"FIFAワールドカップを今以上に熱狂するエンターテインメントコンテンツにし、世界に広げる"というもので、その目玉になるのが、日本の最先端の技術を駆使した「フリービューポイント・ビジョン(自由視点映像)」と「フルコート3Dビジョン」、「FIFAハイパーアプリケーション」です。
 「フリービューポイント・ビジョン」は、スタンドの360度に設置された200個もの高精細カメラが映し出す映像で、それをスタジアムの超高精細大型映像で映し出すというもの。あらゆる角度、あらゆる距離から試合が見られる・・・たとえば選手の視点からゲームを観ることもできるんです。選手一人ひとりの動きやボールの動き、息づかいまで感じることができる画期的な装置といえます。
 「フルコート3Dビジョン」は、このフリービューポイント・ビジョンを映し出す3Dの映像装置なんですが、これは裸眼でみられる3D映像です。それも画面は2,000インチを超える大きさ。平置き型のディスプレイですから、ピッチが3Dの画面になっていると考えて下さい。スタジアムで戦っている選手のプレーが別の場所で、360度、どの角度からも立体に見えるんです。しかも、我々はそれを開催国のみならず、FIFAに加盟する208のすべての国と地域、約400カ所に設置してファンフェストを開催する計画を打ち出しています。
 また、「FIFAハイパーアプリケーション」を個人のデバイス(通信端末)にインストールすると、入場券と交通機関の乗車券を統合できたり、電子マネーの機能も付加できるんです。50カ国語に対応する音声自動翻訳機も開発されていますので、こういったアプリケーションを搭載したデバイスを持っているだけで日本国内での観戦や移動が自由自在にでき、海外から来たファンと交流することもできます。
 つまり、日本のコンセプトは、"全世界と共催するワールドカップ"であり、"日本だからこそ実現できる次世代ワールドカップ"なんです。

次世代教育をも視野に入れたプロポーザル

 また、日本の提案には、次世代教育も組み込まれています。 「208キッズドリームジャパンツアー(208 Kids Dream Japan Tour)」といって、ワールドカップ期間中、208の国と地域から約6,000人の子どもたちをワールドカップ親善大使として招待し、スタジアム観戦はもちろん、キッズサッカー大会を開催したり、広島や長崎を訪問して核の恐ろしさや平和について学んだりするワークショップも開催する計画です。このワークショップは、わかりやすく言えば、こころのプロジェクトのグローバル版ですね。年間約1000回もの「JFAこころのプロジェクト」を展開している経験と実績があってこそのもので、これも日本だからできるアイデアだと思っています。
 未来を担う子ども達のために、そして、世界が平和で笑顔に満ちたものになるように…。それには"教育"が大切なファクターになりますからね。そのためにも、前述した日本のテクノロジー、そして、日本の温かい国民性とホスピタリティの精神を最大限に駆使したいと思っています。

 今後も積極的に招致活動を展開する方針です。2002年大会の素晴らしさが鮮明であるからこそ、日本人として誠意と熱意を見せ、日本を舞台に世界とワールドカップを共催したいということを強く訴えていきたいと考えています。

(*)2018年もしくは2022年大会開催に立候補しているのは、イングランド、ロシア、スペイン・ポルトガル(共催)、ベルギー・オランダ(共催)、日本、韓国、オーストラリア、カタール、アメリカの9候補。

詳しくはこちら。(招致サイトへ)