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「芝生で語ろう」


宿敵・韓国との重要な壮行試合

 本大会に向けて最後の国内試合となる韓国戦が今夜、埼玉スタジアムで開催されます。FIFAワールドカップまで20日を切ったこの時期、ライバル韓国とのキリンチャレンジカップは壮行試合としては申し分のない対戦だと考えています。満員のスタジアム、スタンドの熱気、全国のファン・サポーターの願い…そういった熱い想いが合わさってSAMURAI BLUEに大きな力を与えてくれます。サムライたちが強く自信に満ちた気持ちでワールドカップを迎えられるよう、温かいご声援で、戦いの地に送り出してほしいと思っています。

 宿敵・韓国を埼玉スタジアムに迎え、チームは相当盛り上がっているでしょう。岡田監督とは10日のメンバー発表以来、会っていないんですが、気合いの入りようは相当なものだと思いますね。
 岡田監督は今日の韓国戦、30日のイングランド戦、6月4日のコートジボワール戦は、本大会に照準を合わせた形でそれぞれテーマを掲げて臨むのではないかと僕は見ています。今日の相手は宿敵・韓国ですし、ワールドカップを18日後に控えて負けるわけにはいきませんが、本番までの3試合は、どういう戦いで勝ちに行くか、試合の中身が極めて重要だと思っています。チームとして目指す日本のサッカーをどう具現化するか、どこで勝機を見出すのか。個人的には、2人、3人で切り崩しに行く日本のサッカーを見たいと思っています。
 ともかく、本番を想定したインパクトのあるゲームを見せ、この試合で出た修正点をサースフェーでのトレーニングとイングランド戦で正し、さらにイングランド戦で出た問題点をコートジボワール戦で解消――本大会までわずかな期間ではありますが、そうやって積み重ねながら、本番で日本の真価を示したいと考えています。

チームとしてどう戦うか

 選手も本大会のカメルーン戦に照準を合わせ、フィジカルとメンタルの両面を高めている段階です。その中で本田(圭佑)選手は強気な発言をしていますね。和を重んじる日本人にあって、彼のように歯に衣着せずに発言する選手は今の若者の中では異質な存在かもしれません。とはいっても、本来は礼儀正しい好青年。強気な姿勢を見せることでチームを鼓舞している部分もあるのでしょう。「できれば守備はしたくない」なんて言いながらも、国内リーグでも徹底して守備をしていますし、ちょっとやそっとのことでは倒れない。体幹の強さもさることながら、厳しい環境で戦っている経験が、ああいったプレーやコメントに表れていると思います。その存在感は、岡田監督をはじめ他の選手も大いに認めるところでしょうし、長谷部(誠)選手なども「練習で100%の力を出さないと本番で出せるわけがない」と発言するなど、海外でプレーする選手が貴重な提言をしてチームに刺激を与えているのは良いことだと思います。
 岡田監督が決めたメンバー構成には、チームとして戦うことが色濃く出ています。それには、選手同士のコミュニケーションが大きなカギを握ります。
 2006年のドイツ大会、"史上最強の日本代表"と期待されたチームでしたが、チームがいまひとつまとまらず、本番のオーストラリア戦で相手に同点弾を決められて瓦解してしまった。その二の舞を演じることがないよう、選手全員が心を一つにし、目指すサッカーを表現することが求められます。
 強烈な個性を持つ本田や欧州リーグで激しくもまれている長谷部を中心に彼らがどれだけチームに溶け込み、どう機能するか。そして、Jリーグで中心的働きをしているほかの選手たち全員がそれぞれの持ち味を生かしたプレーで、どう勝利を手繰り寄せるか。日本を代表する選手の集団ですからね、これぞ日本サッカーというものを見せてくれると期待しています。

南アに向けて臨戦態勢へ

 今回のワールドカップは、全試合の3分の2が1500m級の準高地で行われます。日本もカメルーンとの初戦を標高1400mのブルームフォンテーンで、3戦目のデンマーク戦を1500mのルステンブルクで戦います。どのチームもそうでしょうが、高地対策も重要なポイントになります。
 一般的に1週間もあれば高所に適応できるといいますが、人によっては息苦しさを感じたり、脱水症状を引き起こしたり。あるいは、寝つきが悪くなる、食欲が衰える、疲労が取れないなどの問題が生じることがあるといいます。
 SAMURAI BLUEは既に4月に国立スポーツ科学センターで適応テストを実施し、選手個々の特性を把握。また、低酸素吸入器を取り寄せて選手個々でも順化を図っています。今回、キャンプ地のジョージに入る前に、標高1800mのサースフェー(スイス)で事前合宿を実施するのも、高地に体を慣らしながら強化を図ることが目的です。高地でも体力やパフォーマンスを落とすことなく、普段の状態で戦えるよう万全な態勢を整えているというわけです。

 日本サッカーが一丸となって臨む4大会目のワールドカップ。泣いても笑ってもあと18日後には初戦を迎えます。日本の戦い方は現代のサッカー界の中で十分戦える要素をたくさん持っていますから、選手それぞれが強い気持ちで最大限の力を発揮すれば、必ず勝機は見えてくるはず。試合終了のホイッスルが鳴るまで目標は手繰り寄せられるものです。その足がかりをつかむためにも、今日の韓国戦、イングランド戦、コートジボワール戦を全力で戦い抜き、まずは初戦の勝利に結びつけてほしいと思っています。