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国際交流・支援活動

【海外赴任レポート】 北マリアナ諸島 神戸 清雄さん 2009年7月

【プロフィール】

神戸 清雄(かんべ・すがお)

静岡県藤枝市出身。
1961年8月2日生まれ。
早稲田大学卒業後、本田技研工業に入社。その後、古河電気工業に移り、1990年に東日本JR古河サッカークラブに入社。ジェフユナイテッド市原(当時)のコーチとなる。
2002年にはJFAとコーチ契約し、国際貢献事業の一環でフィリピンに派遣され、ナショナルチーム(A、U-21、U-20)の監督を務める。03年にはグアムにわたり代表監督(A、U-20/19、U-18、U-17/16、U-14、女子、フットサル)に就任。05年に帰国し、名古屋グランパスエイトでユースアカデミーU-18監督、ユースアカデミー総監督、トップチームコーチ等を歴任。
09年2月より北マリアナ諸島サッカー協会に派遣され、テクニカルディレクター兼ナショナルチーム監督(A、女子)を務める。


~派遣地域・地域の紹介 : 北マリアナ諸島~
北マリアナ諸島はアメリカ合衆国の属領で、ミクロネシアのマリアナ諸島のうち、サイパン島、ロタ島、ティニアン島など、南端のグアム島を除く14の島からなる。気候は熱帯性気候で、年間平均気温は27℃。気温や湿度の変化はほとんどない。民族はチャモロ人およびカロリニアン人という2種類の先住民族が居住し、現在では、アメリカ、ミクロネシア、フィリピンおよびアジア系民族を含む多民族社会が形成されている。公用語は英語、チャモロ語およびカロリニアン語。
また、サイパン島は北マリアナ諸島の中心的な島で、人口は約58,000人。面積は約122平方キロメートル。FIFA未加盟。
※一部、マリアナ政府観光局ホームページを参考。


1.歴史的な一歩 初の国際大会に出場

 北マリアナ諸島は、日本から身近に行けるリゾート地として有名なサイパン島を中心に、ティニアン島、ロタ島ほか14の島々から成り立っています。その中でも特にサイパンがサッカーの中心で、2005年に北マリアナ諸島サッカー協会(Northern Mariana Islands Football Association/NMIFA)が設立され、オフィスはサイパンの観光の中心地ガラパンにあります。
 今年(2009年)の2月に赴任し、3月11日からグアムで開催された東アジアサッカー選手権2010の予選大会に参加しました。NMIFAとしては、ナショナルチームレベルで初めての国際大会への参加で、歴史的な一歩を踏み出しました。
 大会まで1カ月弱しかなく、それに加え、その大会期間中に、グアムとの定期戦「マリアナ・カップ」の女子の試合が組まれており、女子のナショナルチームの練習も同時進行という状況でした。
 男女共、ナショナルチームのプレーヤーは、全員アマチュアですから、仕事を終えた後(この時期は午後5時から日が暮れる午後6時半くらいまで)しか練習ができないので、男女どちらかの練習しか組むことができません。男子の練習を優先に火、木、金曜日に、月、水曜日を女子の練習にあて、土、日曜日には時間をずらして両方の練習(または試合)にあてるというまさに突貫工事でした。
 時には、仕事の関係で練習に参加できない選手も多く、大会に向けてのコンディションづくりには特に気を使い、さらには個々の選手のレベルは決して高くないので、「チームとして機能するためのチーム戦術の徹底」を図ることが、初めての国際試合を戦う上でのキーポイントでした。例えば守備では、スイーパーを置いてマンツーマンなのかゾーンなのかあやふやな守備をしていたので、「4バックラインのゾーンディフェンスを基調にした組織的な守備」を構築することが大会では重要な戦術ととらえ、この短期間でどこまで成長させることができるか、自分にとってもチャレンジでした。
 大会の中でも、第2戦の今大会で優勝したグアム戦では、守備の組織が機能し、2失点で踏みとどまり、最後はあわや同点という所まで追いつめることができましたが、惜しくも1-2で敗れました。また攻撃面では、3戦とも1得点ずつを記録し、マカオ戦では開始5分でいきなり先制点を奪うなど、こちらが驚かされることも多くあり、初の国際試合としては上々の出来だったと思います。
 8月には女子の東アジア女子サッカー選手権2010準決勝大会が台湾の台南市で開催されるため、現在はそれに向けて準備の真っ只中です。

2.多岐にわたる活動

 私の役割は、ナショナルチームの活動だけではなく、育成プログラムの構築や指導者養成、あるいは各カテゴリーの大会(男子リーグ、女子リーグ、ユースリーグ)への組織化に携わるなど多岐にわたっています。とにかくサッカーの環境を整えていくことが、将来に向けての大きな布石となり、同時にアジアサッカー連盟(AFC)ひいては国際サッカー連盟(FIFA)に加盟するための大事な仕事です。
 まだまだ野球や他のスポーツが盛んな土地柄なので、ローカルの子どもたちをいかにサッカーに目を向けさせるかが、サッカー普及の重要な要素です。NMIFAではサイパン島内の小・中・高校にボールやゴールを寄付し、学校対抗のリーグも推進するなど、積極的にサッカーの普及に努めています。その結果ユースリーグへ参加する子どもたちが、今年のスプリングシーズン(4月から5月)では着実に増加してきました。また、この夏休みの期間中には、6~8歳を対象にしたサッカーキャンプを開催して、できるだけ多くの子どもたちにサッカーに親しんでもらう予定です。
 このように、赤ん坊が歩き始めたばかりのようなNMIFAですが、将来子どもが成長し、さらに立派な大人に成長していくことを信じながら、オン・ザ・ピッチ、オフ・ザ・ピッチを問わず、毎日奮闘しています。