JFA|日本サッカー協会  Japan Football Association
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2013.01.01
第2回 2013年、さらなる飛躍を目指す

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 皆さん、明けましておめでとうございます。

 FIFAワールドカップアジア最終予選も大詰めを迎え、残り3試合を残すのみとなりました。4勝1分、勝点13でグループトップにいるSAMURAI BLUE(日本代表)はあと1勝で本大会出場が決まりますが、残り3試合のうち2試合がアウェイ戦ですので、油断は禁物。ザッケローニ監督も慢心が最大の敵だと言っていますので、慎重に、決して奢ることなく、日本らしいサッカーで勝ち星を重ねてくれるものと期待しています。

 最終予選が終了して間もなくFIFAコンフェデレーションズカップがブラジルで開催され、日本は、ブラジル、イタリア、メキシコという世界のトップチームとグループステージを戦います。ブラジルとの開幕戦は、6月15日。イラクとの最終戦が終わって4日後に強豪と相見えるわけですが、よいコンディションでコンフェデレーションズカップを戦うためにも、一刻も早く出場権を獲得する必要があります。なんとしても次のヨルダン戦で勝利し、本大会に向けた本格的な強化に取り掛かかれればと考えています。皆さん、応援してください。

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(11月オマーン戦)

日本サッカーの根幹をなす育成

 バブル経済の崩壊からアメリカのサブプライムローンを発端にした経済不況の現在までを「失われた20年」と言うそうですが、この20年の間で飛躍的に発展したのが、山中伸弥教授などが取り組んでいる生理学の分野とサッカーだと言われています。

 確かに日本サッカーはこの20年で長足の進歩を遂げ、日本代表チームはコンスタントにワールドカップやオリンピック出場を果たしています。Jリーグによってトップレベルが向上したのは言うまでもありませんが、ザッケローニ監督が「現在の日本の成長は育成の成功にある」と言うように、長年にわたって取り組んできたトレセン活動と指導者養成が実を結んだ結果と捉えています。

 しかし、このトレセンがスタートしたのは40年前、まだJリーグもなかった時代です。現在、Jリーグは40クラブにまで拡大し、それぞれのクラブがアカデミーを持って選手を育成しています。今後は、例えばJクラブのある地域はクラブが中心となって選手を育て、Jクラブのない地域はJFAや47都道府県サッカー協会がトレセンを展開するなど、効率的かつきめ細かな育成ができるよう、新たな環境整備に取り掛かりたいと考えています。

 一方、U-17日本代表は4大会連続7回目のFIFA U-17ワールドカップ出場を果たしました。吉武博文監督には引き続き、チームの指揮を執ってもらい、良い選手をその上のカテゴリーに送り出してほしいと期待しています。

 ユースは監督の影響力が大きく出る年代で、指導者としては、サッカーの技術指導だけでなく選手の生活指導や人間教育も必要。また、選手がどう成長していくのか見抜く目も持っていなければなりません。つまり、育成年代を指導するには専門の人材が必要であるということ。日本では指導する年代が上がる毎に指導者としての価値も上がるように認識されていますが、海外ではトップチームの監督と育成の指導者は別物。日本もそれに倣い、今後は育成年代の指導者をきちんと評価してその価値を高めていくことが重要だと思っています。

 U-19年代は3大会連続で世界舞台を逃してしまいました。この年代は、高校を卒業して大学に進学、あるいはプロ入りする年代で、高いレベルでの実戦経験が少なくなる傾向にあります。

 これについては技術委員会とJリーグで検討し、23歳以下の選手が下のリーグで実戦を積めるようなルールをつくりました。また、今年スペインで行われるアルクディア国際サッカートーナメントにU-19年代で出場。U-18やU-17とも連動して強化を図り、2016年のオリンピックにつながる強化を進めていく考えです。

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(2012全少)

 8人制サッカーの導入とリーグ戦化を進めてきたU-12世代も2015年を目処に全国少年サッカー大会を冬に移行し、年間を通じたリーグを実施する計画を立てています。これが定着すればどんどん次の世代に良い選手を送り出して行けるでしょうし、さらなる普及にもつながると期待しています。

女子サッカーの発展に向けて 

 昨年、オリンピック銀メダリストとして日本中を沸かせたなでしこジャパン。今年はFIFAの大会はありませんが、3月にアルガルベカップが、7月には東アジアカップが控えています。東アジアはDPR.KOREAや中国、韓国など世界トップクラスが顔を揃えますので、強化の面でも良い機会になると思っています。

 今後の課題と言えば、世代交代とさらなる技術力の向上です。昨年のロンドンオリンピックのアメリカ女子代表を見てもわかる通り、ドイツのワールドカップの時とは違った戦い方で日本に挑んできました。

 FIFAのブラッター会長に「日本は女子サッカーに革命を起こした」と言わしめたなでしこジャパンですが、それだけにどの強豪チームも「打倒なでしこ」と、研究し尽くしてくるでしょう。フィジカルと体格に優れたチームがなでしこのようなパスサッカーをしたらどうなるか――。それを跳ねのける技術力と日本の特長を磨いていく必要があります。なでしこジャパンとU-20日本女子代表の差はまだありますが、有望な選手がどんどん出てきていますので、うまく世代交代を図りながら強化を進めていければと考えています。

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(未来のなでしこセレクション)

 

 女子の競技人口ですが、なでしこジャパンを目指す子どもたちは、現時点で昨年の2倍の勢いで増しています。チーム数も増加傾向にあるのですが、子どもたちの夢の受け皿としてはまだ十分ではありません。

 現在、文部科学省とともに全国8ヶ所を拠点に中学生の女子サッカー部をつくり、JFAから指導者を派遣するという形で、競技人口が減る女子中学生年代のテコ入れをしていきます。その一方で、Jクラブに女子チームを持ってもらうような働きかけも行っていきます。現在、女子チームを持つクラブは、ベガルタ仙台、アルビレックス新潟、ジェフユナイテッド千葉、浦和レッズ、東京ヴェルディ1969、セレッソ大阪、愛媛FCの7クラブ。Jクラブの多くがユース年代の女子を持ったら、女子サッカーのさらなる進歩がもたらされるでしょう。将来的には、クラブライセンス制度の中に、女子チーム保有の条件を入れられればと考えていますが、それにはもうしばらく時間が必要ですね。

 女子の競技人口を増やすのも大事ですが、女性の指導者や審判員ももっと輩出し、女子サッカーの全体の充実を図ることが重要だと思っています。特に女性の多くは将来お母さんになりますから、サッカー全体の発展を握る重要な存在。キッズ年代からママさんサッカーまで、女性が何らかの形でサッカーに親しめる環境を広げていきたいと思っています。

フットサルの活性化

 昨年は、カズこと三浦知良選手の代表入りで話題を集めたフットサルですが、今後も普及と強化に取り組みます。ご存じのように、フットサルは狭いコートの中で常にプレッシャーを受けながらプレーするため、素早い判断と個人技が要求されます。また、危険なプレーが厳しく制限されていますからテクニックも必要。FCバルセロナのメッシ選手やサントスFCのネイマール選手など世界の名だたるサッカー選手がフットサルを経験しているように、将来、サッカー選手に転向する場合にも有効な技術が身につけられます。

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(フットサルW杯)

 

 Jリーグの選手は移籍手続きなしにFリーグに参加できるようなルールをつくりましたので、出場機会の少ない若手Jリーガーなどがフットサルに出場することで実践力や技術力をつけることになりますし、フットサル選手の発掘にもなるかもしれません。

 ビーチサッカー日本代表は9月に行われるFIFAビーチサッカーワールドカップの出場権を懸けてアジア予選に臨みます。日本で全国大会が始まったのが今から7年前、フットサル同様にビーチサッカーの選手層も厚くなっていますので、是非ともご期待いただきたいと思います。

最後に
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 昨年の6月に会長に就任してから約6ヶ月、この間、ワールドカップ最終予選やU-20女子ワールドカップ、FIFAクラブワールドカップなど国際大会が目白押しで、組織の強化に着手する時間があまりありませんでした。

 昨年4月に公益財団法人となり、新たなスタートを切ったわけですが、社会に貢献できる組織としてもっともっと力をつけていかなければならないと思っています。

 その中で重要だと考えているのが職員の教育です。現在、JFAのスタッフは150人を超え、若い人が多くなり、日本サッカーのこれまでの道のりを知る人が少なくなっていると感じています。

 日本サッカーの歴史を知ることで、もっと誇りや使命感を持って働くことになり、それが組織の強化や社会貢献の推進をもたらします。東日本大震災の復興にもまだまだ時間がかかるでしょうし、JFAこころのプロジェクトなど、子どもたちが夢を持って元気に育っていく後押しもしていきたい。サッカーは大きな影響力を持っていますからね。スタッフ一人ひとりがそれを認識し、責任感をもって仕事にまい進してほしいと思っています。

 また、47の都道府県サッカー協会も自立して地域のスポーツ振興に取り組んでいけるよう、独自の事業活動を展開するサポートもしていく考えです。

 日本サッカーは多くの人たちのご支援と努力によって、よい形で進歩しています。今年もベストを尽くし、「JFA2005年宣言」を実現すべく取り組んでいきますので、変わらぬご支援を賜りますようお願いします。

 *震災の復興支援活動やシーズン制などについては、またこのコーナーでお伝えしていきます。