JFA|日本サッカー協会  Japan Football Association
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2013.02.20
第4回 サッカー指導における暴力根絶の方向性を提示。 具体的指針づくりをスタート

 先日、このサイトでサッカー界から暴力行為を撲滅するという日本サッカー協会の見解を記しました。
 2月16日に開催した全国技術委員長会議でも、47都道府県サッカー協会の技術委員長の皆さんを前にあらためてJFAの考えを示し、その方向性を提示しました。
 今後は提出した考え方を3月の理事会で諮り、承認を得た上で各種連盟、47都道府県サッカー協会、各種大会部会と協議して進めていくことになります。

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<全国技術委員長会議で指導現場における暴力行為撲滅を訴える>

 ところで、そもそも、なぜ指導現場で暴力行為が起こるのでしょうか――。
 前回の「JFAステイトメント」でも記しましたが、スポーツが心身の鍛錬の一環として取り入れられてきた時代の中で、指導する側にも受ける側にも体罰を容認する精神的土壌がありました。それが指導者と選手、あるいは先輩と後輩という主従関係の中で悪しき習慣として根づいてしまった。サッカー界でも例外ではありません。
 指導者が暴力を働く原因としては、指導者が指示したことを選手がプレーに反映できないことから、感情的になって体罰や暴力に走るケースがあります。これは一つに、指導者の指導力不足が原因に挙げられますし、指導はできたとしても、伝える技術がない、つまり、コミュニケーション能力が低いことによって起こるケースもあります。また、子どもたちの成長段階や能力に見合った指導がなされていないということも原因としてあるのではないでしょうか。
 選手自身が「サッカーが楽しい」「もっと上手くなりたい」「勝ちたい」と自発的に思う気持ちを育み、高めてやることが指導者の第一義であること。緊張感を持って練習に集中させることは大事なことで、時として厳しい指導も必要です。しかし、その中に暴力行為は含まれないということです。暴力や罵声を浴びせることで指導者の意に従わせようとするのは、いたずらに恐怖感を煽り、プレーする楽しさや意欲を削ぐことにつながります。

 その一方で、"厳しさ"を"暴力"と混同して過剰反応し、指導者を萎縮させることになってもいけません。腫れ物にさわるようなことになっては、適正な指導はできません。
 また、良い成績や成果を上げなければならないという過度なプレッシャーを与えることも、チームに悪影響をもたらす危険性があります。もちろん、勝利することは、チームにとっても選手にとっても大きなモチベーションになりますが、勝利至上主義は指導者に不当な圧力やストレスを与えるとともに、発育期にある子どもに完成形を求めることになったり、内容はともかく勝ちさえすれば良いという誤った認識を植えつけることにもなりかねません。
 U-15・U-17日本代表の吉武博文監督が「育成は勝って終わりではない。選手の10年後、20年後を見て指導できる指導者でなくてはならない」と語っている通り、選手の将来を見据えて適切な指導ができる指導者が育成には必要不可欠なのです。また、応援する側も目先の勝ち負けにとらわれず、長い目で選手の成長、チームの発展を見守ることができなければならないでしょう。
 失敗を恐れず果敢に挑戦するたくましい選手を育てることが指導者や我々大人に課せられた使命ですし、我々サッカー関係者としては、指導者が適切なコーチングができるようサポートし、ともに手を携えて良い選手を育てていく努力をすることが大事です。

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 JFAは今後、技術委員会が中心となって、指導現場から暴力行為を根絶する具体的な施策を講じます。まずは、JFAに登録する指導者に対してその意思を再確認すること。指導者養成のプログラムをさらに充実させて、理想的な指導者像、指導者の価値観や哲学(フィロソフィー)というものを徹底し、選手個々の成長やレベル、能力に応じた適切なコーチングができる指導者をこれからもどんどん各地のサッカー現場に送り出していきます。
 違反行為に対しては、JFAの「基本規程」の第12章に記している通り、当該の都道府県サッカー協会が規律委員会を開いて懲罰を科しています。重大なものはJFAの規律委員会で罰することになりますし、競技や競技会以外で起こったことについても都道府県協会の規律委員会ないしは倫理委員会で審議し、これも重大な事案についてはJFAの裁定委員会に諮ります。

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現在、18歳以上であればサッカー経験がなくても公認キッズリーダーやD級コーチ、C級コーチの養成講習会を受講することができますし、リフレッシュ研修会もありますから、ライセンスの取得、更新を推し進めながら、JFAの考えをより多くの人々と共有していきます。

 従来の活動をより積極的に推進していくと同時に、暴力根絶に向けたキャンペーン、あるいは対応セクションの新設、イングランドサッカー協会(The FA)が取り組んでいる「Child Protection Policy」を参考に、こういった制度の導入も考えていきたいと思っています。また、JFA公認のライセンスを持った指導者を置くことやチーム(活動)の規模に見合った数の指導者を置くことを義務づけるといったことも検討すべき課題かと考えています。
 新たな施策については理事会での審議や各種連盟との協議が必要ですので、そこで承認が得られた時にあらためその具体策を皆さんにお伝えしたいと思っています。

JFAは、「Players First!」「リスペクト」の精神をあらゆる取り組みの基盤とし、各委員会や研修会、公式発行物などを通じて、真のフェアプレー精神、リスペクト精神の素晴らしさを、これまで以上に積極的に発信していく考えです。そして、指導現場での暴力、暴力を用いた指導を「しない、させない、許さない」ことを徹底し、サッカーを取り巻く環境を笑顔あふれるものにし、真の達成感と充実感を享受できる場にしていきたいと考えています。

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