JFA|日本サッカー協会  Japan Football Association
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 テレビでは連日にわたって、熱中症のニュースが伝えられています。
 総務省消防庁が7月9日に発表した情報によると、7月1日〜7日に熱中症で救急搬送された人は2594人(速報値)で、前週(729人)の約3.6倍になったそうです。
 東京もこのところ35度を超える猛暑日が続いていて、今日もランチで外に出た途端、息苦しいほどの暑さにビックリ! こんな炎天下では、脳みそまで溶けてしまいそう・・・仕事の効率が上がるわけありません。

 ところで、サッカーの国際試合で飲水が認められるようになったのは、1982年のFIFAワールドカップスペイン大会から。次のメキシコ大会(1986年)では、外から氷やビニール袋に入れた水が投げ込まれるなどやり方がまちまちで、混乱が生じたそうです。その後、現在のように、競技が停止している間、タッチラインあるいはゴールライン上で飲水できるようになりました。

 JFAは、FIFAの決定を受けて1988年7月の理事会で競技中の飲水について協議し、国内での適応について決め、各種大会などで周知徹底が図られました。

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 2種(U-18)年代以下の試合では、「飲水タイム」を設けています。
 『サッカー競技規則』(日本語版)の付録ページには、暑熱下でのユース以下の試合での飲水について通達文が記載されており(こちら)、4種(U-12/女子の同年代を含む)の試合では、暑さ指数(*WBGT/湿球黒球温度)が25℃、2、3種(女子も同様)の場合は28℃を超える暑熱下の試合において、前後半それぞれの半分の時間を経過したころ――試合の流れを見てそれぞれの試合に有利、不利が生じないようなボールがアウトオブプレーのとき――に試合を止めて飲水する時間を設けています。

 日本体育協会が定めている熱中症予防運動指針によると、WBGTが21℃以上(気温24℃以上)だと熱中症が発生する可能性が高まるそうです。しかし、WBGTが21℃未満でも、マラソンなどでは熱中症が発生する場合があるので注意が必要だと促しています。

 なお、WBGTが31℃以上(気温35℃以上)では運動は原則として中止。WBGTが28~31℃(同31~35℃)では、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避け、運動する場合は頻繁に休息をとり、水分と塩分の補給を行うよう定めています(詳しくはこちら)。

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 私が子どもの頃は、運動中は水分をとっちゃいけないなんて言われていましたから、今考えるとちょっと恐ろしいですね。大人になって仕事に勤しむ今は、夜の「ビールタイム」のために、飲水タイムならぬ「お昼寝タイム」が欲しい感じ・・・(^^;)。

 話を戻しましょう。

 水分補給は、熱中症の予防という意味で大事ですが、よりよいコンディションを保つという面でも大切なこと。体重の3%の水分が失われると、運動能力や体温調節機能が低下すると言われていますので、適切な水分を補給し、質の高いプレーを続けたいものです。
 ちなみに、水分を摂る際、以下のことにご留意いただきたいと思います。
1. 糖分が3%~6%程度で塩分が0.2%程度の水が身体の吸収が速く、真水よりも多く飲めるため、失った水分と血液性状の回復が早い。
2. 暑い時には、0~5℃程度の水が吸収しやすく、身体の冷却効果にも有効。
3. 水分補給の目安としては、のどが乾いてからでは遅く、のどが渇く前に水分を補給することが重要で、試合中も含め、できれば15~20分ごとに飲むようにする。
4. 1回に飲む水の量は200ml程度。また、練習や試合の前に2~3回にわけて、500ml程度の水分を摂取しておくと発汗効率がよくなる。
5. 運動前後に体重を測り、水分摂取が十分であるかチェックするとよい(体重減少は体重の2%以内に抑える)。

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 さて、この熱中症ですが、症状としては、熱失神、熱疲労、熱けいれん、熱射病があります。
 熱失神は、脈が速くて弱くなり、顔面蒼白、呼吸回数の増加、唇のしびれなどが起こり、一過性の意識喪失をおこすこともあります。熱疲労は、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などの症状。熱けいれんは、足や腕、腹部などの筋肉に痛みを伴うけいれんが起こります。熱射病は、異常な体温の上昇(40℃以上)と吐き気、めまい、意識障害、ショック状態などが起き、死亡率も高くなります。

 応急処置としては、熱失神、熱疲労は涼しい場所に運び、衣服をゆるめて寝かせ、水分を補給。足を高くし、手足を抹消から中心部に向けてマッサージするのも効果的だそうです。吐き気や嘔吐、意識混濁などで水分を摂れない場合は病院に搬送し、点滴を受ける必要があります。熱けいれんの場合は、生理書塩水(0.9%)を補給します。
 熱射病が疑われる場合は直ちに冷却措置を開始し、一刻も早く集中治療のできる病院へ運ぶ必要があります。身体を冷やす際は、全身に水をかけてあおぐ方が、気化熱による熱放散を促進させるので放熱の効率が良くなるとか。また、頸部(くび)や脇の下、太ももの付け根などの大きい血管を直接冷やす方法も効果的です。

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 Jリーグなどでは夏場は暑い日中の試合を避けてナイトゲームを実施していますが、サポーターのみなさんはキックオフの2~3時間前に来て応援合戦を繰り広げますから、熱中症には十分注意していただきたいものです。夕方といってもこの時期ははまだ強い日差しが残っていますから、スポーツドリンクなどでこまめに水分補給をしてください。

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 まだまだ猛暑は続きます。スポーツをするときは、体調を考慮し、決して無理をしないこと。十分な睡眠と栄養補給も大切です。しっかり水分をとって、健康に楽しく、この夏を乗り切りましょう。

*暑さ指数(WBGT)とは
WBGT(湿球黒球温度)とは、人体の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標で、乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って計算する。WBGT(湿球黒球温度)の算出方法は以下の通り。
・屋外:WBGT = 0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
・屋内:WBGT = 0.7×湿球温度+0.3×黒球温度