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天皇杯全日本サッカー選手権大会
チーム紹介(都道府県・大学代表) 
北海道/ ノルブリッツ北海道 青森県/ 八戸大学 岩手県/ グルージャ盛岡 宮城県/ ソニー仙台FC
秋田県/ TDKSC 山形県/ FCパラフレンチ米沢 福島県/ 福島ユナイテッドFC 茨城県/ 流通経済大学
栃木県/ ヴェルフェたかはら那須 群馬県/ アルテ高崎 埼玉県/ 尚美学園大学 千葉県/ 順天堂大学
東京都/ 明治大学 神奈川県/ 東海大学 山梨県/ FC甲運 長野県/ 松本山雅フットボールクラブ
新潟県/ JAPANサッカーカレッジ 富山県/ ヴァリエンテ富山 石川県/ ツエーゲン金沢 福井県/ サウルコス福井
静岡県/ HondaFC 愛知県/ FC刈谷 三重県/ 三重中京大学 岐阜県/ FC岐阜SECOND
滋賀県/ びわこ成蹊スポーツ大学 京都府/ 佐川印刷SC 大阪府/ 関西大学 兵庫県/ 関西学院大学
奈良県/ 奈良クラブ 和歌山県/ アルテリーヴォ和歌山 鳥取県/ SC鳥取ドリームス 島根県/ 浜田FCコスモス
岡山県/ 三菱水島FC 広島県/ 福山大学 山口県/ レノファ山口 香川県/ カマタマーレ讃岐
徳島県/ 徳島ヴォルティス・セカンド 愛媛県/ 愛媛FCしまなみ 高知県/ 高知大学 福岡県/ ニューウェーブ北九州
佐賀県/ 佐賀東高校 長崎県/ V・ファーレン長崎 熊本県/ 熊本学園大学 大分県/ 日本文理大学
宮崎県/ ホンダロック 鹿児島県/ 鹿屋体育大学 沖縄県/ 沖縄かりゆしFC 大学/ 福岡大学

北海道/ ノルブリッツ北海道】

 天皇杯道予選を兼ねた平成21年度第27回知事杯全道サッカー選手権大会決勝で、2連覇を狙う道都大に4|1と逆転勝ちし、3年ぶり4度目の出場を決めた。
 1985年に北海道電力サッカー部として創部し、2003年にクラブ化。北海道最強の社会人チームとして、北海道リーグは2003年から2008年まで6連覇で、通算14度の優勝を誇る。北海道江別市をホームタウンとし、子ども向けのサッカー教室や、植樹活動など地域貢献にも積極的に取り組む。
 日本フットボールリーグ(JFL)入りを目指すチームは今季、Jリーグのコンサドーレ札幌でも活躍した木島敦新監督が就任。「ワンランク上で戦うためのノウハウを導入したい」と話す木島監督がチームに求めるのは、「プレーの判断スピードを上げること」。練習から積極的に声をかけ、「速さ」を浸透させてきた。
 知事杯では、準決勝、決勝と運動量豊富な大学生チームと対戦。運動量勝負では、分が悪いと見た木島監督は、FWを置かない「ゼロトップ」システムを採用。中盤の人数を増やし、守備を固めて速攻という戦い方が見事にはまった。攻撃をけん引したのは、若手の吉沢(22歳)と山田(24歳)。スピードに乗ったドリブルで、サイドから何度もチャンスをつくった。
 三瓶、倉谷のセンターバックコンビは身体能力が高く、堅固なブロックを築く。攻守のつなぎ役として、指揮官が期待を寄せるのは、精度の高いパスとキープ力が持ち味のMF三浦。今季加入の新戦力は、高知大で4年連続天皇杯出場を経験しており、チームに安定感をもたらす。
 天皇杯は、過去3度出場し、いずれも初戦敗退。「初戦は難しい戦いになると思うが、策を考えたい」と木島監督。多彩な戦術を操る指揮官と、個性豊かな選手たちが悲願の初勝利を目指す。
(北海道新聞)

青森県/ 八戸大学

平成21年度NHK杯第62回青森県サッカー選手権大会を制し、2年ぶり8回目の優勝を果たした。決勝の対戦相手は、今季のプリンスリーグ東北で7連覇を達成した県内の強豪・青森山田高。県大会5連覇が懸かった昨年の決勝は0|4で圧倒された相手だったが、今年は緊迫した戦いの中で我慢強く戦い抜き、同県代表の座に返り咲いた。
「背の大きい選手はいないし、ゲームコントロールに優れているチームではない」(岩本監督)が、相手の動きをうまく読むDF田口らセンターバックを軸に守備は堅い。そこから勢いをつけたカウンターを大きな武器に、勝ちパターンに持ち込むのがチームカラーだ。
システムは4―4―2。DF吉田、船水の両サイドバックは、中盤と連携しながら果敢にオーバーラップし、攻撃にアクセントをつけながらクロスを供給。FW今野、伊藤はともに前線でボールキープができる2トップで、特に今野は勢いに乗ったドリブルと強いシュート力が魅力のストライカーだ。
チームの天皇杯最高成績は3回戦進出。岩本監督は「1回戦をしっかり勝ち、2回戦のJ1チームとの試合で胸を借りられれば。大会では守備をしっかりと固め、相手のすきを狙っていくようなプレーをしたい」と意気込んでいる。
(東奥日報)

岩手県/ グルージャ盛岡

第59回県サッカー選手権大会兼第89回天皇杯全日本選手権県予選決勝で、富士大学(花巻市)を2-0で破り、2年連続3回目の出場を決めた。本拠地は盛岡市。グルージャはスペイン語で「鶴」の意味。盛岡藩藩主南部家の家紋が「むかい鶴」で、盛岡名物「じゃじゃ麺」、県内の方言に「じゃ」が多く使われていることにちなんで名づけられた。県内各地でサッカースクール、地域巡回クリニックを数多く開催し、地域活動にも積極的に参加している。
今年からチームの運営組織をNPO法人から株式会社に移行。盛岡商高で全国制覇を果たした斎藤重信監督がチームアドバイザーに就任した。
  チームは東北社会人リーグ1部で昨季は連覇を果たした。今季も同率首位で(9月1日現在)、3連覇を狙う。JFL、J2、そしてJリーグ昇格を目指し、試合会場には「昇鶴」と書かれた旗がなびく。
今季は守備の強化を目指し、J2の横浜FCからDF中田洋介(新主将)、JFLのMIOびわこ草津からDF大瀧直也が新加入した。攻撃の中心はFW加藤浩史。東北社会人リーグで昨季18ゴールを挙げリーグ得点王に輝いた。得点感覚が抜群でスペースに走りこむ動きが持ち味。個人力の高さでボールを支配し、両サイドからの多彩な攻撃で勝負する。
  昨年の天皇杯全国大会で、県勢悲願の初勝利を挙げたが2回戦で大学チームに敗退した。Jリーグ入りを目指すチームとして上位に進出し、格上チームに番狂わせを演じたい。
天皇杯全国大会に向けて吉田暢監督は「攻撃から守備に回ったときの対応を全員で徹底できるかが課題だ」と昨年以上の成績を目指す。
(岩手日報)

宮城県/ ソニー仙台FC

 河北杯・NHK杯争奪第13回宮城県サッカー選手権大会決勝で、東北学院大を3-1で下し、4年連続12度目の出場を果たした。ホームは多賀城市。1968年、ソニー仙台サッカー同好会として創立。仙台市の実業団リーグ、宮城県リーグを主戦場としてきた。93年に東北リーグ昇格を目指して本格的な強化を開始。東北リーグでは95年から3連覇して東北アマチュアサッカー界の雄の座を不動のものとした。97年度の全国地域リーグ決勝大会で、優勝し日本フットボールリーグ(JFL)への昇格を果たした。
  参入12年目の今季は「JFL優勝」を目標にするも、後期第7節終了時 で12勝4分け8敗と18チーム中4位。だが最近4試合で4連勝とここに来て波に乗る。チーム最年長のDF谷池が引っ張る守備陣はリーグ戦で3番目に失点数が少ない堅守を誇る。左サイドバックの天羽は切れ味鋭いオーバーラップが魅力。果敢な攻めで好機を演出する。東北学院大との県代表決定戦では今季の公式戦初ゴールを決めるなど、さらに存在感を増している。攻撃陣では昨季のチーム得点王で、J2ベガルタ仙台からレンタル移籍中のFW大久保がひざのけがから復帰。リーグ戦ここ4試合で3得点と絶好調の本多、沢口の両FWとの定位置争いはし烈で、堅守から少ない得点で勝つチームの勝利の方程式に良い効果を与えている。攻守のかなめ花渕とレフティ大瀧の2人のMFが絡めばさらに攻撃力は増し、躍進が期待できる。
  東北勢対決となる1回戦を勝ち進めばJ1大宮アルディージャが対戦相手。天皇杯に向け、昨年からチームを率いる田端監督は「Jとの真剣勝負が今のチームのモチベーションになっている。リーグの好調を維持したまま臨み、どれだけ通用するか力を試したい」と抱負を語った。
(河北新報)

秋田県/ TDKSC

 第19回秋田県総合サッカー選手権大会決勝で、秋田大学に10-1と快勝し、8年連続16度目の出場を決めた。1965年創部の企業チームで、秋田県にかほ市がホーム。2006年の全国地域リーグ決勝大会で初優勝し、JFL(日本フットボールリーグ)昇格を決めた。現在JFL参戦3年目だが、経営環境悪化を理由に、今季限りの廃部が決まっている。来季以降は会社と切り離したクラブチームとして存続し、JFL参戦を続ける方向で準備が進められている。
  チームは、堅い守りをベースに失点を最小限に抑えて競り勝つサッカーを身上とする。守備ラインの要は、豊富な経験を生かし、相手のチャンスを一つ一つ確実につぶしていくDF富永。GK小野は後方からチーム全体の展開を見渡し、適切な指示を出してゲームをコントロールする。攻撃の鍵は、両サイドを使った広い展開と中央を大胆に突破する速い展開の使い分け。サイド攻撃では、精度の高いクロスが持ち味のMF池田、高いキープ力で相手ディフェンスをかわして攻め込むMF松ケ枝が起点となる。決定機には、FW横山が流れを読んだ巧みなポストプレーでゴールを決める。
  天皇杯全日本選手権では、一昨年の第87回大会で4回戦に進出したのが過去最高。「TDK」の名で挑む最後の天皇杯に向けて、佐々木寿生監督は「一戦一戦確実に勝ち上がって、クラブ化後の新チームがいいスタートを切れるような結果を残したい」と、抱負を語った。
(秋田魁新報)

山形県/ FCパラフレンチ米沢

 第13回山形県サッカー総合選手権大会の決勝で、4連覇を狙う山形大体育会サッカー部を1―1、PK戦(5-3)で撃破して、天皇杯初出場を果たした。
  山形県米沢市を拠点に活動する社会人のクラブチーム。前身は東北リーグ2部に加盟していたNEC米沢サッカー部で、解散の翌2002年にパラフレンチ米沢が発足した。現在はメンバー23人で、元J2・FC岐阜の佐藤聡ら地元出身選手がほとんど。地元社会人のほか、地元高校を卒業した選手たちの受け皿となって地域をけん引し、天皇杯出場を1つの目標に掲げてきた。
  目指すのは攻撃、守備が連動したプレー。攻撃は主将のFW井沢純を始め、波多野辰則、聖、翔の3兄弟といったスピードに優れた選手が軸となる。守備はDF青嶋貴裕を中心に強いフィジカルで手堅く守る。また、県サッカー総合選手権で準決勝、決勝ともにPK勝ちを収めるなどタフな精神力も持ち味。徐々に力をつけ、2007年から山形県社会人リーグを2連覇、08年には全国社会人選手権山形県大会も制した。チーム3年目を指揮する本田公祐監督は「天皇杯は格上との対戦になるが、全国舞台でチャレンジできる以上、アグレッシブにやりたい。山形県勢として悲願の1勝を手にできるよう努力する」と抱負を語った。
(山形新聞)

福島県/ 福島ユナイテッドFC

平成21年度 福島民報杯 NHK杯 第14回福島県サッカー選手権大会決勝でバンディッツいわきに10-0と快勝し、見事に2年連続の出場を果たした。2002年に10代から20代の若者が集まり、Jリーグ入りを目指す「福島夢集団」を設立。2004年にJリーグを具体的に目指す活動のため、まったくのゼロから「福島夢集団JUNKERS(ユンカース)」を設立。同年、福島県社会人サッカーリーグ3部リーグに加盟。2005年に県社会人リーグ3部西で優勝。2006年には同2部リーグで2位となり県1部昇格を決めた。2007年、東北地区社会人リーグ2部南ブロック2位となる。2008年株式会社フクシマスポーツマネジメントを設立。「福島ユナイテッドFC」が誕生した。今年は東北社会人リーグ1部でも首位に絡む活躍を展開。福島にJリーグチームをの夢をがかなえるまで歩みは止まらない。
  チーム名は、「UNITED=ひとつになる」の意味に由来し、チーム・選手・スタッフ・サポーターが“ひとつ”になって活動していく、福島が“ひとつ”になって福島の発展・活性化のために活動していくことを目指している。
  今大会の決勝では、「自分たちのサッカーを表現するだけだった」。主将のDF時崎悠が完勝のゲームを振り返る通り、昨年の雪辱に燃えるバンディッツいわきを圧倒した。3トップが鋭い出足で相手守備のミスを誘い、素早い連携から次々と加点。FWの時崎塁が4得点、村瀬和隆が2得点と活躍した。守備でも主将のDF時崎悠を中心に安定感を見せる。
  昨年の天皇杯は1回戦で国士舘大に1-4で敗戦。今年は初戦を突破しJ2のセレッソ大阪と戦いたいと声をそろえる。監督の石田学監督は「個人のレベルアップを図り、福島のサッカーをアピールしたい」と意気込んでいる。
(福島民報)

茨城県/ 流通経済大学

本命通りの実力を発揮。第12回茨城県サッカー選手権大会の決勝でクラブ・ドラゴンズを2―0で破り、4年連続6度目の出場を決めた。
県予選は準決勝から登場。まずは同じ関東大学リーグ1部の筑波大に1―0と競り勝った。後半24分、FW張が相手DFとGKの間にできたわずかなすきを見逃さず、決勝点を挙げた。決勝は同じく流通経大を母体とするクラブ・ドラゴンズとの同門対決。序盤から相手の早いプレスに苦しみ、思うような攻撃ができずにいたが、前半34分にMFフランクの左からのクロスにMF金久保がダイレクトで合わせ先制。終了間際には、点を取ろうと前がかりになる相手の裏を突いて張が頭で追加点を挙げ、決定力の違いを見せつけた。
1965年に創部。1998年に中野監督が就任すると、徐々に実力をつけていった。2002年には人工芝のグラウンドが完成。2003年に関東大学2部リーグで優勝し、1部に昇格すると、2006年には1部リーグを初制覇。2007年は総理大臣杯で優勝を飾った。2005年からはJFLにも参戦している。昨年は関東大学1部リーグで2位に勝ち点11の大差をつけて2年ぶり2度目の優勝を果たし、Jリーグに11人、Kリーグに2人、計13人のプロを輩出した。主なOBには杉本恵太(名古屋グランパス)らがいる。
その昨年よりも「今年の方が強い」と中野監督が期待を寄せるのが現在のチームだ。その期待通り、今季の関東大学リーグ1部では前期終了時点で9勝2分け0敗、2位に勝ち点8差をつけ、首位を独走。11試合で31得点8失点と攻守ともリーグトップの成績を誇る。FWの中心は船山と武藤。2人とも大柄ではないがスピードがあり、裏へ抜ける技能に長けている。さらに張も県大会で2試合連続のゴールを奪うなど高い得点力を持っている。中盤は守備的MF千明、足元の技術に優れる金久保、浦和レッズの特別指定選手にもなっている宇賀神と攻守に高いレベルを持つ選手がそろう。守備陣もU-20日本代表のDF山村と比嘉、水戸ホーリーホックの特別指定選手にもなった石川らがおり、GKはU-20日本代表の増田が務める。
  過去最高成績は2回戦。昨年はけがで主力を欠き、2回戦で延長の末、ソニー仙台(宮城県代表)に惜敗。念願のプロチームとの対戦はできなかった。今年はまず1回戦でFCパラフレンチ米沢(山形県代表)と戦う。2回戦に控えるのはG大阪(J1)。「G大阪と戦って、このチームがどれほどの結果が得られるか楽しみ」と中野監督。Jリーグ撃破が目標だ。
(茨城新聞)

栃木県/ ヴェルフェたかはら那須

 天皇杯初出場を果たした「ヴェルフェたかはら那須」は、栃木県矢板市に本拠を置く関東サッカーリーグ2部所属のクラブチーム。前身は1978年に創部し、関東リーグ1部で活躍した「矢板SC」だ。
  2部降格をきっかけに、昨年チーム名を改称。緑豊かな同市で地域に根ざしたクラブとしてスポーツを広め、地域発展に貢献しようと、「緑の(vert)」「妖精(fee)」という仏語に運営母体のNPO法人「たかはら那須スポーツクラブ」の名称をを組み合わせた。
  JFL昇格を目指し、リーグ優勝・1部復帰を目標に掲げた新チーム。しかし、JFL時代の栃木SC選手を数多く受け入れた昨季は、旧チーム選手との連携がうまく取れず、リーグ順位は3位止まりとなった。
  若手の新戦力を加え十分な準備期間を経て臨んだ今季は、序盤から4連勝と好調な滑り出し。その後も順調に勝ち星を重ね、最終節を待たずにリーグ優勝と来季の1部昇格が決定。その勢いに乗り、天皇杯県予選で初優勝を飾った。
  システムは4・4・2。アグレッシブな攻撃が特徴で、かつて栃木SCで活躍した総監督兼任MF堀田利明とMF種倉寛の両ベテランが攻守の要。高い位置でボールを奪うと素早く両サイドへ展開する。
  攻撃の核は本田洋一郎と高秀賢史の2トップ。それぞれリーグ得点ランキング1位と4位を走るストライカーで、動き出しの早さとドリブル突破に定評がある。貪欲にゴールを狙う意識が強く、ペナルティーエリア付近では相手にとって嫌な存在となりそう。さらにMF菊地洋平がサイドから切り込み2トップをサポート。ほかのMFとともにゴール前での攻撃に厚みを加えている。
  また、攻撃陣はクロスの精度が高い堀田との相性も抜群で、セットプレーは大きな武器だ。
  最終ラインはDF高野修栄主将を中心によく統率されており、穴は少ない。また、ゴールマウスを守るGK星昭仁は、JFLでの経験を生かし的確なコーチングと反射神経の良さを披露。試合では、数々のピンチを救ってきた。
  天皇杯は初挑戦だが、2006年に東京Vを破り、清水を4|6と苦しめた当時の栃木SC出身選手もおり、チームの士気は高い。ピッチを華麗に舞う「緑の妖精」が、全国にその名をとどろかせてくれるはずだ。
(下野新聞)

群馬県/ アルテ高崎

 【群馬県代表アルテ高崎】
  第14回群馬県協会長杯大会決勝戦で関東2部のtonan前橋を1|0で下して、2年連続8度目の出場を決めた。群馬県高崎市を本拠地に、2000年に群馬FCホリコシとして発足。04年にJFL昇格を果たし、同年の天皇杯4回戦でJ1柏レイソルを下して、ベスト16進出を果たした。06年からアルテ高崎に名称変更。07年は18位、昨年は17位と苦しいシーズンを過ごしたが、今年就任した後藤義一監督の指導で課題の守備が向上、後期第7節終了時で9位をキープしている。
  好調を支えるのが強固になった守備。小川、増田のCB2人と攻守のキーマンになるボランチのMF大谷がゴール前で早めのチェックを心掛け、相手攻撃陣の侵入を抑える。さらに、GK田中賢の好判断がゴールマウスを締める。攻撃の柱は今季JFL得点王争いを繰り広げるFW久保田。ゴール前でのポストプレーやドリブルなど多彩なテクニックを見せる。さらに、前線にはドリブルの得意なFW吉沢らが控える。
  リーグ戦前期ではJFL枠での天皇杯出場権が確保できる4位以内を射程圏内としながら終盤で失速、前期5位に終わった。後藤監督は「トーナメントなので、内容よりまずは結果を求めたい。1勝すればカシマサッカースタジアムでJ1鹿島と対戦できる。まずはそこを目標にして、これをリーグ戦終盤戦を戦い抜く自信にもつなげたい」と意気込んでいる。
(上毛新聞)

埼玉県/ 尚美学園大学

 平成21年度彩の国カップ第14回埼玉県サッカー選手権大会を連覇し、2年連続3度目の代表権を獲得した。前回王者はシードとして準々決勝から臨み、初戦は武南クラブを6-0で圧倒。準決勝は大宮ユースと2-2で延長にもつれ込んだが決着せず、PK戦を4-3でものにした。埼玉県大学リーグ1部の城西大と顔を合わせた大学勢による決勝も、延長へ突入し1-1で終了。6-5でPK戦を制し、関東大学リーグ2部に所属する格上の意地を見せた。
  今季もパスをつなぎながら組み立てるスタイルを土台としている。基本システムは4-4-2で、中盤や前線は流動的にポジションを変えながら攻撃。昨季の主力、準主力級だったメンバーも、過半数が残っている。
  オフェンシブなチームは、特長を持った選手が多い。FWの杉下聖は裏に飛び出すスピードがあり、サイドハーフとFWに入る金宏栄はドリブルが魅力。FW山本はシュートに持ち込む技術に優れる。須藤、小谷の両ボランチはパスワークの起点となり、小谷はセットプレーで正確な右足キックを繰り出す。サイドハーフ、サイドバックの攻撃参加も積極的だ。
  ボールを支配することで、守備面の負担も減らしている。GK金井は長身ではないが、抜群の反応でゴールを守る。
  川越市で活動するチームは、2000年に創部。05年に関東大学リーグ2部に昇格し、5シーズン目を迎えた。昨季から2部参入と同時に招かれた森栄次監督は総監督となり、塩田憲一コーチが監督に就任。高校生時代に目立った実績を挙げた選手はあまりいないが、JリーグのV川崎(現・J2東京V)や神戸でコーチを務めた経験を持つ森総監督を中心に、個性を伸ばしながら創造性にあふれた考えるサッカーを目指してきた。
  過去2度出場した天皇杯全日本選手権は、いずれも初戦敗退だった。初挑戦した06年は、初戦の2回戦で栃木SC(現・J2栃木)に0-2。昨年は北海道代表の道都大に、1回戦で0-4の完敗を喫した。「埼玉代表として、1回戦で負けるわけにはいかない。Jクラブと本気でやれればうれしい」と森総監督。2回戦でJ2のC大阪に挑むため、まずは大会初白星に全力を注ぐ。
(埼玉新聞)

千葉県/ 順天堂大学

 2年前の天皇杯本大会でJ2仙台を下し、J1磐田からも得点を奪った順大が、13度目の切符を勝ち取った。だが、吉村雅文監督は「目指すのは横の動きを工夫するサッカー。その形が全くできていない」。3得点の内容に注文をつけた。
  球際で相手を圧倒しながら、決定機をつくれない。シュートがなかなか枠をとらえられなかった。三浦旭人主将は「相手に合わせてしまって〝パスアンドムーブ〟ができなかった」。
  前半終了間際の先制は、岡本達也のドリブルから生まれたゴール。2点目は、佐藤涼のミドルシュート一発で奪った追加点だった。吉村監督は「どちらも考えて工夫して生まれたゴールじゃない」と不満げだった。
  厳しい言葉を並べるのは、2年前の躍進の再現を狙っているからだ。「横の動きがあれば、いいDFがいても勝てる」という経験と自信。それこそが、エースの田中順也がJ1柏へと引き抜かれたチームが目指す一歩上の姿だ。自身も磐田に所属した経験を持つ岡本は言う。「天皇杯はプロに力試しできる唯一の場」。1勝すれば、J1神戸が待っている。
(千葉日報)

東京都/ 明治大学

 平成21年度第14回東京都サッカートーナメント決勝で東京学芸大学をPK戦の末に勝利し、2年ぶり3度目の大会優勝、12回目の天皇杯本戦出場を果たした。1921年に創部依頼、数多くのOBがサッカー界のみならず幅広い世界で活躍している。最近では日本代表として活躍する長友佑都(FC東京)やサッカー日本女子代表(なでしこジャパン)を北京オリンピック4位に導いた佐々木則夫監督の活躍などが広く知られている。関東大学サッカー連盟に加盟。

本大会では、11年ぶりに出場を果たした2年前の第87回本戦で3回戦ではJ2京都サンガを破り、大学勢トップの4回戦まで進出。その4回戦ではJ1清水エスパルスと延長PK戦にわたる熱闘を繰り広げたことは記憶に新しい。また同年には43年ぶりに関東大学サッカーリーグ戦優勝も果たしている。今回も、2年前の感動の再現を目指す。

現在のチームは、主将のDF田中政勝やMFの都丸昌弘が精神的支柱としてチームを引っ張り、攻撃は都トーナメント準決勝・FC町田ゼルビア戦で決勝ゴールを決めたFWの久保裕一やMFの山田大記、そして攻撃・守備両面で要となり、チームで一番サッカーをよく知るといわれるMFの小林裕紀が中心となり、相手ゴールを狙う。守備では前述の小林や、都トーナメント決勝戦では気迫あふれるプレーでスーパーセーブを何度も見せて勝利の立役者となったGK高木駿とDFの楠木啓介に期待がかかる。

神川明彦監督は「東京都予選は苦しい試合が続きましたがチーム一丸となり、目標であった天皇杯出場を勝ち取りました。2年前の清水エスパルスにPK負けした悔しさは今でも忘れていません。今大会はJ1チームと対戦し、勝つことが目標です。そのためにも一戦一戦全身全霊をかけて戦います。」と天皇杯に向けた抱負を語った。
(東京新聞) 

神奈川県/ 東海大学

サッカーの天皇杯全日本選手権県代表決定戦を兼ねた第14回県選手権は30日、保土ケ谷サッカー場で決勝を行い、東海大(関東大学1部)が2-0で神奈川大(同)を下して4年ぶり6度目の優勝を飾った。
  東海大は前半、早嵜、森のゴールで2点を先行して主導権を握ると、粘り強い守備で反撃を許さなかった。神奈川大は相手を上回る9本のシュートを放ちながら、ゴールが遠かった。
関東大学リーグ1部でしのぎを削るライバル同士の決勝。リーグ戦の順位では譲っても、神奈川の盟主の座だけは渡せない。そんな意地が、東海大イレブンを大きく奮い立たせた。
  前半11分、左CKをFW早嵜が頭で合わせて先制。同29分には、サイド攻撃からFW森が貴重な追加点を挙げた。リーグでは最少6得点の攻撃陣。「お互い手の内を知り尽くしている者同士。勝負を左右したのは気持ちだった」(早嵜)。DF黄を中心とした守備陣も最後まで集中力を維持して完封した。
  過去最多5度の優勝を誇りながら、ここ3年は準優勝が1度だけ。今川正浩監督は「飛び抜けた選手はいないが、それを認識することで強みにもなる」。チームワークでつかんだ勝利に価値を見いだしていた。
(神奈川新聞)

山梨県/ FC甲運

2009年度第14回山梨県選手権大会決勝でVF甲府ユースと対戦。猛攻に遭い20本のシュートを浴びながらも1失点と粘りの守備を展開し、PK戦に持ち込んで悲願の初出場を果たした。山梨県甲府市の甲運サッカースポーツ少年団出身者を中心として2001年に発足した歴史の浅いチームではあるが、帝京三高時代に全国高校選手権に出場した経験を持つ選手をはじめ、県内の強豪高校で活躍した選手が数多く在籍。現在は、地元の小・中学校グラウンドで週1回、「楽しくやること」をモットーにミニゲームを中心とした2時間ほどの練習に汗を流す。発足5年目の06年に県社会人1部リーグに昇格し、県クラブ選手権を制した実績を持つ。
  帝京三高時代、1995年度の全国高校選手権2回戦で優勝候補だった国見高(長崎)を破る原動力となったGK白井敏己を柱とした守りで、安定した守備力を誇る。31歳の白井はチーム最年長者でもあり、最後尾からDF陣を鼓舞。守備からゲームのリズムをつくるチームスタイルだ。ゴールの期待を担うのはスピードがあるトップの在明和敏。MFの秋山諒、鈴木隼人、石村良が中盤で攻守のバランスを取りながら、精度の高いパスを前線に供給してチャンスメークする。初の大舞台となる天皇杯に向け、小沢今朝美監督は「全国の舞台で勝てるゲームができるとは思わない。とにかく全力で挑み、チームとして成長できる材料を見いだしたい」と控えめに語った。
(山梨日日新聞)

長野県/ 松本山雅フットボールクラブ

第14回長野県サッカー選手権決勝でライバルのAC長野パルセイロに延長戦の末に競り勝ち、
2年連続4度目の出場を決めた。前回大会は初めて進んだ3回戦でJリーグ2部(J2)湘南を破り、日本フットボールリーグ(JFL)参入チームもない県勢にとって大きな一歩を残した。
  クラブ発足は1965年。当初は国体県チームを中心としたアマチュアチームだったが、将来のJリーグ入りを目標に2005年から本格的な強化に着手した。Jリーグ経験者や有望な若手が数多く加入。天皇杯はこの5年で今回を含めて3度の出場権を獲得した。現在はJ2の一つ下のカテゴリーのJFL昇格に手が届きそうなところまで成長している。
  今季はセンターバックやボランチなどチームの背骨部分にあたる選手も、その時の状態や対戦相手の特徴に応じて起用。チームの底力を高めてきた。
  攻撃の柱はFW柿本。味方を生かす能力が高く、苦しい時は自らの得点で何度となくチームを救ってきた。中盤でMF北村やMF大西がゲームメーク。スピードを誇るMF今井のサイド攻撃は大きな武器だ。さらに、今季途中から加入したDF鉄戸は、豊富な運動量と闘志あふれるプレーでチームの士気を高める役を買っている。
  1回戦の相手は昇格を目指すJFLに所属するFC刈谷(愛知)。力試しにはもってこいの相手
だ。これに勝てば2回戦では07年にアジアチャンピオンズリーグを制したJリーグ1部(J1)
浦和との対戦が待っている。しかも、2戦ともホームスタジアムの松本平広域公園総合球技場(アルウィン)が会場だ。吉沢監督は「チャレンジャーとして、ぜひともアルウィンで2試合を戦いたい」と強い意気込みを示している。
(信濃毎日新聞)

新潟県/ JAPANサッカーカレッジ

 第14回新潟県サッカー選手権大会決勝でグランセナ新潟に4―0で快勝し、前身のアップルスポーツカレッジFC時代も含め2年ぶり9度目の天皇杯出場を決めた。2000年から07年まで8連覇したが、9連覇を目指した前回大会は準決勝で敗退。今回、県王者に返り咲いた。天皇杯は過去最高が2004年の3回戦進出。ただし3回戦では当時J2の京都に2―11で大敗している。
  昨季から主力を含め約10人が入れ替わった。布陣は4―4―2で、攻守ともコンパクトに保ち、しっかりポゼッションしながらフィニッシュまで行く。中盤はボールをさばける本田真吾、麻生瞬がダブルボランチを組む。FWは、ドリブル突破や裏への飛び出しが持ち味の宇野沢祐次、運動量豊富な植田雅之、高さがある土井良太ら選手層が厚い。ただ県選手権決勝で負傷交代した両センターバックの回復具合が気掛かりだ。
  今季の北信越リーグ1部を制した。全14試合で30得点と、得点だけ見ればリーグ4位。しかし失点は同2位の11と少なく、特に上位対決をしぶとくものにした勝負強さが光った。有田一矢監督は「選手の勝ちたいという気持ちで相手に負けなかった」と評価する。今秋、新潟で開かれる国体をいい流れで迎えるためにも、天皇杯では初戦突破を目指す。そして、「J1チーム相手に自分たちのサッカーがどれだけ通用するか試してみたい」(有田監督)とチームは2回戦を見据えている。
(新潟日報)

富山県/ ヴァリエンテ富山

 8月30日に行われた第14回富山県サッカー選手権大会の決勝で、PK戦の末に富山一高を下し初の天皇杯出場を決めた。今季からJリーグに参入したカターレ富山、その前身であるアローズ北陸とYKK AP以外では初めての富山県代表チームとなる。
  チームは昭和46年に「西友クラブ」として設立し、平成11年にスペイン語で「勇敢な」を意味する現在の名称に変更した。チームには19人が在籍し、それぞれ消防士やサラリーマンなどさまざまな仕事をしている。勤務終了後、週3回のトレーニングを行っている。今季は北信越リーグ1部で最下位となり降格が決まっていたことから、天皇杯切符の獲得は、来季の戦いにつなげるためにも重要だった。
  チームの特徴は、個々のテクニックを生かしたアグレッシブな攻撃。富山県大会の決勝でも、前半に2点のビハインドを許したが、後半に積極的なドリブルやサイド攻撃を仕掛けて同点に追い付いた。その攻撃の中心となるのが、選手兼監督のFW小林だ。ジュビロ磐田ユース出身で、身長166センチの小柄ながらクラブチーム仕込みのテクニックが光る。アローズ北陸で活躍していたが、カターレ富山と契約を結ぶことができず、昨年からチームに加入した。「カターレに入れなかった悔しさがある。天皇杯ではJリーグのチームとの対戦が楽しみ」と闘志を燃やす。MF四十万、FW森川もゴール前での動きは目を引く。守備陣では、堅守を誇るGK青木に期待がかかる。富山一高との決勝戦のPK戦でも、見事なセーブを見せて優勝に導いた。
  チームを率いる油谷秀隆総監督は「天皇杯では厳しい戦いになることが予想されるが、全員サッカーでぶつかりたい」と話している。
(北日本新聞)

石川県/ ツエーゲン金沢

 石川県サッカー選手権の決勝で3年ぶりの優勝を狙ったテイヘンズFCに9―0で圧勝し、3連覇を果たした。前身は1956年創設の金沢サッカークラブ。2006年にJリーグ入りを目指して「ツエーゲン金沢」に改称し、新たなスタートを切った。天皇杯には、金沢サッカークラブ時代を含め、3年連続5度目の出場となる。
「ツエーゲン」とは、ドイツ語のツヴァイ(Zwei=2)とゲーン(Gehen=進む)を合わせた造語で、チームとサポーターが一緒になって進んでいくの意味が込められ、金沢弁の「強いんだ!」を意味する「つえーげん!」とのダブルネーミングになっている。
北信越リーグ1部では、ツエーゲン金沢として初挑戦した2006年に4位、2007年も4位、昨季は3位に上がった。今季はJ1の京都サンガでコーチを務めた上野展裕氏を新監督に迎え、Jリーグチームから新たに選手を補強、ブラジル人のコーチや選手も加え、北信越リーグ1部で初制覇が期待されたが、惜しくも3位に終わった。
  しかし、全国社会人選手権北信越大会では、準決勝で北信越リーグ1部優勝のJAPANサッカーカレッジ(新潟)に2―0、決勝で同じく4位の松本山雅FC(長野)に2―0のそれぞれ完封勝ちを収めて優勝、JFL昇格へ望みをつないだ。
新生ツエーゲン金沢は、上野監督をはじめ、ブラジル人コーチのマルドーニ氏、GKコーチを兼任する栗本直強化部長の親身となった指導で戦力を大きく向上させた。ブラジル人のビジュ、込山、諸江、園田らで構成するDFラインは簡単に中央突破を許さず、広庭、三原、山道を中心とするMFは走力十分で相手ボールを果敢に奪う。そして、ブラジル人のクリゾン、デニスがゴールを決めていく。県選手権の決勝では、クリゾンがハットトリックの大活躍、デニスも2得点した。天皇杯では、一昨年、昨年と3回戦まで進出。上野監督は「積極的に攻め、守る。J1チームと戦うまで負けられない」と意気込む。
(北國新聞)

福井県/ サウルコス福井

福井県から初のJリーグ入りを目指し、2007年に公式戦デビューした社会人チーム。北信越リーグ2部でキャリアをスタートさせ、現在は一つ昇格して同1部に所属する。天皇杯代表を懸けた県選手権決勝(8月30日)では、県リーグ1部の福井KSCに格の違いを見せて4―0で快勝、2年連続出場を決めた。
「11人で一つのボールを奪うサッカー」を身上に、全員が連動して守る防御を徹底する。前線、中盤と積極的にプレスをかけ、最終ラインは体を張ってボールをはじき返す。「攻守の素早い切り替え」もチームの主要テーマに掲げ、スピーディーな攻めを狙う。
守りの要はセンターバックの坂井、霜。的確な指示とポジショニングで守備陣を統率する。GKはキャッチングに加えて各選手へのコーチングに長けた水上の起用がこのところ増えている。
ボランチには、県選手権決勝で献身的な守備を見せた渡邉、末永、スピードがあり攻撃力が魅力の鈴木らが入る。左サイドハーフの猪島はチーム一の体格を誇り、攻撃の大きな柱。フィジカルの強さを武器に、チャンスメークや自らの得点につなげる。
FWでは元J2横浜FCの高橋聡が重要な得点源。小柄ながら体幹が強く、一瞬のチャンスをとらえるゴール前での嗅覚も鋭い。中村、入羽が長身を生かしたプレーで得点に絡む。
天皇杯1回戦に勝てば、2回戦はホームのテクノポート福井スタジアム(福井県坂井市)でJ1新潟と対戦、Jリーグのチームと初の公式戦が実現する。「われわれの目標の場にいるチームと、ぜひぶつかりたい。パススピード一つとっても、Jリーグのレベルを体感できることは大きな勉強になる」と山田監督。「そのためには何としても初戦突破」と、まずは奈良クラブ(奈良)との一戦に全力を注ぐ。
(福井新聞)

静岡県/ HondaFC

8月29日に行われた平成21年度県代表決定戦でスルガ杯争奪県サッカー選手権大会優勝の静岡産大を1―0と下し15年連続34回目の出場を果たした。
静岡県浜松市をホームとし、1971年本田技研工業(株)サッカー部として創部。JSL(日本サッカーリーグ)時代の91年、第71回天皇杯ではベスト4に進出した。1999年に名称をHonda FCに変更。JFL(日本フットボールリーグ)では、Jリーグ準加盟チームをしのぎ昨年を含めて5度の優勝を誇るなど、常にアマチュアサッカー界をリードしてきた。また、会員約600人が在籍するスクール活動も充実しており、地域に根ざした活動にも積極的に取り組んでいる。
1昨年の第87回大会では東京V、柏、名古屋のJリーグ勢を次々に撃破して準々決勝に進出するなど天皇杯での活躍にも目覚ましいものがある。しかし、今季は故障者が多く、JFLでは12位(9月4日現在)と低迷している。県代表決定戦でも、昨年のJFL得点王の新田ら主力5選手を欠く布陣で苦しい戦いを強いられた。センターバックの安部主将をボランチに上げて中盤の安定感を図り、DFラインとFWには静岡産大出身のルーキーコンビの川嶋と伊賀を配して辛くも勝利を収めた。伊賀は全日本学生選抜でも活躍したストライカーで、攻撃の起点になり、自分でも仕掛けることができる選手として期待されている。
19日の1回戦では三重県代表の三重中京大と対戦する。初戦を突破すれば目標とするJリーグ勢と激突する。県代表戦で決勝FKを決めたDF牧野は「今年は(JFLの)リーグ戦では勝っていないので、なんとか会社に明るい話題を提供したい」と意気込む。それでも、新田らが復帰できるかが上位進出へのカギを握るだけに、就任3年目の石橋眞和監督は「目の前の1試合1試合を全力で戦うだけ」と慎重に言葉を選ぶ。実力のあるチームが、初心に帰って無欲で挑む。再び旋風を起こす可能性を十分に秘めている。
(静岡新聞)

愛知県/ FC刈谷

愛知県選手権大会決勝で愛知学院大を2-1で下し、2年ぶり13度目(デンソー時代を含め)の本大会出場を決めた。チームの前身は1949年設立のデンソーサッカー部(電装サッカー部)。2006年に企業クラブから市民クラブへ地域密着型チームに生まれ変わり、サッカー教室などを通じて市民や企業と積極的に関わりながら着実に活動の幅を広げている。「いつかは自分もトップレベルの選手に」と夢を抱く子どもたち、チームを応援してくれるサポーターらスポーツを愛するすべての人々の想いをつなぐシンボルとして多くの場で活躍している。
地元刈谷市出身のエース日下を中心に、スピードを生かした突破力を武器とする中山、姜に加え、体を張って貪欲にゴールを狙う車、若さあふれる大胆なプレーに期待がかかる大石ら攻撃陣が充実。また、ゴール前でのセットプレーのオプションの一つとして、斉藤のミドルシュートも大きな魅力だ。守備では、積極的な飛び出しと素早いフィードでゴールに立ちふさがるGK山本、精神的な要でもあるベテラン西原がチームを攻守にわたってリードする。高い身体能力を生かした斉藤、内薗の守備と両サイドの庄司、松元の積極的な攻撃参加にも期待がかかる。
「ボールと人が常に動きながら相手ゴールを目指す刈谷らしいサッカー、そして選手全員のハードワークでダイナミックに相手ゴールを狙う」と話す浮氣哲郎監督の指導のもと、チャレンジャー精神で本大会に臨む。
天皇杯では、「FC刈谷」としての初戦突破はまだない。まずは松本山雅FC(長野県代表)と対戦する1回戦突破が目標だ。
(中日新聞)

三重県/ 三重中京大学

平成21年度第14回三重県サッカー選手権大会で四日市大を1-0の接戦で制し、3年ぶり4回目の天皇杯本戦出場を果たした。 
6年連続で同じ顔合わせの決勝戦。0-0で前半を折り返し、後半も均衡状態が続いたが、終盤の後半39分、MF初瀬雄己選手がFW北野純也選手からのパスをゴール前で受けて見事なシュートを決め、決勝点となった。丸田隆良主将は「歯がゆい攻撃が続いたが、勝負所は試合終盤にあると思っていた。得点が決まったときは鳥肌が立った」と喜んだ。
部の強化開始から11年目。四日市中央工業高校を全国優勝に導いた名将・城雄士氏を監督に迎えて急速に力をつけ、現在は東海大学サッカーリーグ1部に所属している。これまでにインカレ2回、総理大臣杯1回、天皇杯3回の出場経験があり、プロ選手1名を輩出。しかし、大学が来年度からの学生募集停止を決め、サッカー部は部員数の減少に伴い今年度で廃部となる。
3、4年生が中心のチーム。少ない部員数ゆえ、各選手が複数のポジションをこなすことができるのが強み。東海・北信越選抜に選出されたGK奥村、キャプテンの丸田を中心にまとまりあるDFライン、儀賀を軸に攻守のバランスがとれたMF、FW北野は動き出しの早さとキープ力に自信がある。見どころは今大会のテーマとしている「堅守速攻」だ。
青木竜監督は「チームの基礎や歴史をつくってくださったOB、日々応援してくださる方々のためにも全力で試合に臨み、目標である2回戦進出を果たすためにも初戦で力を出し切りたい」と天皇杯に向けた抱負を語った。「全国の強豪を相手に一つでも多く勝ち進んでいく」という部の目標を胸に、チーム最後の天皇杯に一丸となって挑む。
(中日新聞)

岐阜県/ FC岐阜SECOND

平成21年度・第14回岐阜県サッカー選手権大会(兼天皇杯岐阜県代表決定戦)で、成長著しい岐阜経済大学に逆転負け寸前まで追い込まれたが、選手の闘志とベンチの好采配でロスタイムに追いつき、気温37度下の消耗戦を4-3(延長1-0)で制して代表の座をもぎ取った。チーム名から分かる通り、J2で2シーズン目を戦う「FC岐阜」の下部チーム。プロのサテライトではなく、全選手が職業を持つアマチュア軍団だ。県1部リーグ所属だが、将来のJFL挑戦も視野に入れる。また、2012年に地元開催が決まっている“ぎふ清流国体”での上位入賞を嘱望されるチームでもある。

 サンフレッチェ広島などで活躍し、選手・コーチとしてFC岐阜をJに上げた功労者・伊藤哲也監督を、東海リーグ2部まで指揮を執った勝野正之コーチ、同じく草創期からの指導者・鈴木GKコーチ、松下主務(元レギュラー選手)ら熱心な指導陣が支える。現在のチームは、JFLでも活躍した183センチの長身FW松江を1トップに、FW酒井、MF小林の速いサイド突破からの攻撃を得意とする。ディフェンスも、GK今津、DF森・松井・横山らが安定したラインを形成する。中盤もタレント揃いだ。代表決定戦で、延長決勝ゴールを目の覚めるようなミドルで決めたMF中村は22歳と若い。167センチの小柄ながらジュビロ磐田~愛媛FCと10代でJを経験、スピード・センスともに抜群だ。ボランチ片山との連携で攻守に献身的に参加、ゲームを組み立てる。
  「決定戦は、危うく見えたと思うが追い詰められた意識はなかった。本大会1回戦では、新潟県代表のJapanサッカーカレッジを破って、サンフレッチェ広島に挑戦したい」と語る伊藤監督。選手の信頼も厚く古巣への恩返しを期すナイスガイ率いるチームは、2回戦から登場するFC岐阜と共にビッグイーターを予感させる注目株だ。
(岐阜新聞)

滋賀県/ びわこ成蹊スポーツ大学

滋賀県選手権では、準決勝でMIOびわこ草津(JFL)をPK戦の末に下し、決勝では同じ大学内で編成する別チームのBIWAKO・SC・HIRA(関西リーグ)を4―0と圧倒、3年ぶり3度目の天皇杯出場をつかんだ。
2003年の開学と同時に創部。部員は200人を超え、部内で七つのチームを編成する。07年春季には関西学生リーグで初優勝を果たし、同リーグが1シーズン制になった08年も2位と、関西の強豪大学に定着した。守山高で元日本代表主将の井原正巳らを育て、創部時から監督を務めた松田保氏が今季から総監督となり、北京五輪で女子日本代表のアシスタントコーチを務めた望月聡監督が指揮を執る。ボランチの小池主将や豊富な運動量を誇る瀬古らMF陣がボールを回し、得点源のFW平野に合わせる。平野は昨季の関西学生リーグアシスト王で、広い視野も併せ持つ。大柄な選手は少ないが、個々の運動能力は高い。
天皇杯は05年、06年に出場し、ともに3回戦に進出したがJ2チームに惜敗した。今季は「天皇杯で打倒Jリーグ勢」をテーマに掲げ、滋賀県選手権では社会人チームを次々に打ち破った。本大会は初戦で京都の佐川印刷SC(JFL)と対戦する。松田総監督は「我々はチャレンジャー。胸を借りるつもりでぶつかりたい」と力を込める
(京都新聞)

京都府/ 佐川印刷SC

京都選手権決勝で同大に4-1に快勝。3年連続6度目の天皇杯出場を決めた。
1986年に佐川印刷サッカー部として発足し、京都府4部リーグからスタート。98年に2部を制し、1部昇格を決めて以来、本格的に強化を進めた。2002年に関西リーグで優勝した2002年に、JFL昇格を果たした。子どもへのサッカー教室を積極的に開くなど、地域に密着した活動を行っている。
JFLでは一けた台の順位を目標に据えているが、これまでの最高成績は05年と08年の11位。特に昨年は引き分けが13試合とリーグ最多で、リードしながら終盤に追いつかれて勝ち点3を逃したことが、上位に進出できなかった大きな要因となった。その反省から、今季は開幕前に筋力トレーニングと長距離走を取り入れ、終盤でも運動量が衰えない体力を身につけて巻き返しを目指している。
DF高橋らの堅い守りから流れを呼び込み、優れた戦術眼を持つ元J1京都のMF大槻がゲームを組み立てる。MF原島が突破力を生かしてサイドを崩し、キープ力に優れるFW平井がポストプレーで前線に起点をつくる。29歳のベテランFW町中のシュートは決定力がある。
昨年の天皇杯は3回戦でJ2の愛媛に敗れた。今年は1回戦を突破すれば2回戦でJ1の清水と顔を合わせる。就任2年目の中森監督は「J1を相手にどこまで自分たちのサッカーが通用するか試したい。そのためにも、まずは1回戦を勝ちたい」と意気込む。
(京都新聞)

大阪府/ 関西大学

連動性のあるパスサッカーは見応え十分。第14回大阪サッカー選手権大会決勝ではアイン食品を6-0で下し、3年ぶりの出場権を獲得した。今年の第33回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントでベスト4という大学屈指の強豪チームで、組織力を生かした「全員サッカー」が持ち味だが、個々の選手の能力も高い。関西学生リーグ前期終了時、7得点で得点ランキングトップの184センチの長身FW金園、テクニックの高いMF藤澤、ユニバーシアード日本代表の左サイドバックでもある田中雄の正確なロングフィードや右サイドバックの宇佐美のドリブル突破、反応の鋭いGK児玉らにも注目したい。
総勢164名のサッカー部には関大FC2008という社会人チームもあり、大阪大会準決勝では関西大対関大FCという初の同胞対決が実現するなど選手層も厚い。スタンドで応援する部員も含めたチーム全体の一体感も群を抜き、関大FCやほかの部員の想いも背負って大阪府代表として臨む天皇杯全日本サッカー選手権大会に志も高い。
「『大学生でこんなことができるのか』という部分で、少しでも見る人が感動してくれれば。『天皇杯で日本一になろう』と毎日取り組んでいますし、一つでも多く勝ちながら国立(競技場での決勝)に行きたいと思います」と元サガン鳥栖のJリーガーである島岡監督。「天皇杯での日本一が最大の目標。まず1回戦が大事ですが、J(リーグのチーム)と対戦できたら真っ向から勝負して勝ちにいきたい」と闘将、DF清水も語る。
目指すは頂点。まずは初戦突破が重要だが、Jチーム相手に流れるようなパスワークがどこまで通用するか期待は高まる。
(フリーライター 尾崎ルミ)

兵庫県/ 関西学院大学

平成21年度の第12回兵庫県サッカー選手権大会で優勝し、本大会の出場権利を獲得した。準決勝では関西サッカーリーグで首位を走る社会人チーム・三洋電機洲本に4-1で快勝。姫路独協大学との決勝では、0-1で迎えた後半44分にCKからのヘディングシュートで追いつき、延長後のPK戦を4-1で制した。
  関西学院大サッカー部は1918年(大正7年)に創部。日本代表監督や日本サッカー協会会長を務めた長沼健氏をはじめ、名古屋グランパスエイト初代監督の平木隆三氏、ヴィッセル神戸の安達貞至社長ら多数の人材を輩出した。「関学クラブ」として天皇杯で4回頂点に立ち、関西学生サッカーリーグでも史上最多27回の優勝を誇る“西の名門”だ。近年は主要タイトルから遠ざかっているものの、平成19年から日本代表監督を務めたOBの加茂周氏が指揮を執り、自身の代名詞となった戦術「ゾーンプレス」を徹底。素早くボールへ集散するダイナミックなサッカーで古豪復活を目指している。ことし4月には人工芝のグラウンドが完成するなどハード面の環境も整ってきた。
  加茂体制3年目を迎えた今季のチームで、際立つのが堅いディフェンスだ。関西学生サッカーリーグ1部では前期11試合を終了し、失点は全チームで最少の8。首位と勝ち点2差の3位につけている。高さと強さを兼ね備えた志田野雄一朗と飯田洋介が最終ラインの要。広島皆実高校で昨年度の全国高校サッカー選手権を制したルーキー井林章のボール奪取能力も光る。中盤では卓越した技術を誇る阿部浩之や、リーグ1部のアシストランキングトップに立つ梶川諒太らが起点をつくり、前線にはリーグ1部で3位の6得点を挙げた185センチの長身FW村井匠が控える。今夏の総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントへの出場を逃しているだけに、夏場の徹底した走り込みで運動量とプレスを磨くなど、全国のひのき舞台でイレブンは雪辱に燃えている。平成12年度の第80回天皇杯1回戦ではベガルタ仙台に勝利。大学チームがJリーグクラブを破ったのは、大会史上初の快挙だった。今大会1回戦を突破すれば、くしくもそのベガルタ仙台と顔を合わせる。旋風を再び巻き起こせるか。高田博元主将は「高い位置からのプレスでボールを奪う自分たちのサッカーで、Jを倒したい」と 意気込みを語った。
(神戸新聞)

奈良県/ 奈良クラブ

第14回県サッカー選手権大会決勝で2連覇を狙った奈良産大を1―0の接戦で下し、初優勝を果たした。
  1991年、現監督の山口幸司氏が「サッカーを通じた地域貢献」を目標に前身の「都南クラブ」を創設。97年に奈良県1部リーグに昇格し、強豪として名を馳せた。
  08年、関西府県リーグ決勝大会を制し関西リーグ2部に昇格。チーム名を「奈良クラブ」に改名。09年は関西社会人リーグ2位以内を確定し、来期の1部昇格を決めた。
  「奈良に夢を 子どもたちに未来を」をスローガンに、奈良県初のプロサッカークラブを目指す。県内行事へのボランティア参加や子どもたちとのサッカー交流など地域貢献にも積極的。平城遷都1300年記念キャラクター「せんとくん」がプリントされたユニフォームも話題を集めている。
  元Jリーガーを中心に経験・実績の豊富な選手がチームを率いる中盤はMF矢部、東幸、水越らの速い球出しでゲームメーク。細かいパスワークに加え、俊足の畑中、金城のサイドからの突破も光る。
  石田、檜山、松野正ら前線選手は思い切りのよい果敢なプレーが身上。接触もいとわないゴールへの執念とライン際の粘りで相手DFをおびやかす。
  守備陣は梶村主将を軸に橋垣戸、中村らが高い位置から積極的にプレッシャーをかける。GK松石の体を張ったセービングも心強い。 初の天皇杯に山口幸司監督は「県民の期待を力に変え、ひとつでも上を目指したい」と意気込んでいる。
(奈良新聞)

和歌山県/ アルテリーヴォ和歌山

第14回和歌山県サッカー選手権大会決勝において、ライバルで前回王者の海南フットボールクラブを3-1と破って初優勝。念願の天皇杯全日本サッカー選手権大会出場を果たした。
クラブはNPO法人として2006年10月に正式発足し、07年の準備段階を経て昨年から和歌山県社会人リーグに参戦。今年は同リーグ2部で戦っている。「アルテリーヴォ」はイタリア語で芸術を意味する「ARTE」(アルテ)、到達を意味する「ARRIVO」から「リーヴォ」を取って組み合わせた造語である。Jリーグを目指すクラブとして強化を進め、07年には全国クラブチームサッカー選手権大会に出場、08年には全国社会人サッカー選手権大会和歌山大会で優勝。選手たちの仕事の都合もあって全員がそろうことの方が珍しいという状況ながらも、和歌山県では実力ナンバーワンの地位にまで上り詰めた。和歌山県大会決勝も、個々の選手が能力の高さを発揮した戦いぶりだった。
チームの中心となるのは、佐川印刷SCやアローズ北陸でプレーしたMF上赤坂。経験豊富な彼が、練習から戦術までを担う形でチームづくりを行っている。魅力的な選手がそろうのが攻撃陣だ。高いテクニックで相手を翻ろうする元G大阪のMF玉置慎、和歌山県内にはその動きを止めることのできる選手がいないといわれるFW久保、FW芝崎の2トップが並ぶ前線は破壊力抜群で、今大会でも注目を集める存在となりそうだ。
「同じ都道府県代表には何としても勝ちたいし、勝てば次の相手はサガン鳥栖。そこでわれわれの力がどこまで通用するかチャレンジしたい」と話す原見監督が率いる和歌山県の新興勢力は、本大会出場だけでは満足していない。
(フリーライター永田 淳)

鳥取県/ SC鳥取ドリームス

SC鳥取ドリームスは、山陰から初のJリーグ参入を目指すJFLガイナーレ鳥取の前身、SC鳥取に在籍したメンバーを主体に自然発生的に活動を始め、2004年から県内大会に出るようになった。昨年は天皇杯切符を懸けてガイナーレ鳥取と激突し、1―2で惜しくも逆転負けしたものの、円熟の力で〝現役〟を追い詰めた。
  初参戦した昨年の県社会人リーグ2部で圧倒的な強さを見せ、今季は1部で首位を快走。県選手権決勝大会では、1回戦で鳥取大に逆転勝ちして2年連続の決勝に進出し、決勝で中国社会人リーグの元気SCを延長戦の末に4―3で振り切って天皇杯初出場を決めた。土壇場の勝負強さは見事だった。
  SC鳥取やガイナーレ鳥取でJFL、天皇杯を経験した選手が多数在籍。平均年齢は約30歳とやや高めながら、試合巧者で個々の能力も高く、個人技で劣勢を打破できる。選手が県内の東西両地区に分かれていてチーム練習はなかなか組めないが、試合では経験値の高さでカバーし、それぞれが的確に判断してプレーできるのが強みだ。
  「鳥取教員団」がチームの源流にあり、高校などで後進の指導に当たる選手が多いのが特徴の一つ。今夏のインターハイで準優勝した米子北高の城市監督と中村コーチ、全国高校選手権に3年連続で出場している境高の広川監督も籍を置いている。
  中盤でのショートパス、サイドチェンジなど多彩なパスワークで試合を組み立てるチームカラー。ガイナーレ鳥取出身でパスセンスの高い畑野が中盤の軸を担い、運動量が豊富で献身的に動き回る主将の太田と田村、守備意識が高い浜田らがパスサッカーを支える。
  2トップは、チーム結成以前からコンビを組んできた山根と堀。山根はドリブル突破と左足の強烈なシュート、堀はラストパスなど決定的な場面の演出力と正確なFKが持ち味。試合が停滞すれば、前線からボールを追う小林を投入する。
  DF陣は、FW経験がある下屋敷やサイドを駆け上がる山崎ら攻撃的な選手が多い一方で、高さのある林やガイナーレ鳥取で副主将を務めた山村が構えて守備のバランスを整える。GK清水は1986年山梨国体成年男子のメンバーとして全国優勝を経験し、JFL最年長選手(当時42歳)の奮闘をたたえられて2006年にリーグ敢闘賞を受賞した。
  J2昇格へ地域を盛り上げるガイナーレ鳥取に負けじと、天皇杯初舞台でまずは初戦突破を狙う。
(日本海新聞)

島根県/ 浜田FCコスモス

第14回島根県サッカー選手権大会決勝で6連覇を目指すデッツォーラ島根(中国リーグ)を1─0で下し見事、初出場を果たした。島根県浜田市をホームとし、1977年にバンカーズとして創立。4年前、現チーム名に。現在は県1部リーグを舞台に戦っており、一昨年に同リーグで初優勝を果たし近年、力をつけてきている。
  現在のチームは速さを生かしたサイド攻撃が魅力。起点はFWの堀。相手DFの裏を取ったり、自ら勝負したりと果敢な攻撃を仕掛ける。ベンチには俊足のFWの桑本、森口が控えており後半の勝負所で投入し俊足で相手をかき回す。サイドDFの福原、石井隆も積極的に攻撃に参加する。ゴール前には長身のFW渡利がおり、高さを生かしたヘディングが持ち味。また決勝でFKを直接決めるなどセットプレーも大きな得点源になっている。左足の福原、右足の田原、藤原、中田と豊富。どのキッカーのボールも正確で相手にとっては脅威になる。攻守をつなぐ守備的MFの中田と藤原は速いパス回しと豊富な運動量が光る。守備陣はGK虫谷、DFの柱、石井隆を中心に堅守。クロスボールにもセンターバックの和田の高さのあるヘディングではじき返す。
  監督に就任し6年目の上野監督は「相手は強いところばかり。自分たちのサッカーをしていき、どこまで通用するか試したい」と、初めての天皇杯に向けた抱負を話した。
(山陰中央新報)

岡山県/ 三菱水島FC

第29回岡山県サッカー選手権大会決勝戦で吉備国際大学を1-1からのPK戦(3-2)で破り、2年ぶり10度目の出場を決めた。決勝は、守りを固めた相手に苦戦し、延長後半4分に先制を許したが、4分後に追いつくと勢いに乗って臨んだPK戦で競り勝った。アマチュア最高峰の日本フットボールリーグ(JFL)5年目のチームとして意地を見せた格好だ。これまでの天皇杯全日本サッカー選手権では、いずれもJリーグ2部勢に敗れたものの85、86回大会で3回戦に進出している。
チームの練習場は選手の大半が勤務する三菱自動車水島製作所のある倉敷市、ホームスタジアムは笠岡市の笠岡陸上競技場。1946年に創部し、2002年から中国サッカーリーグで3連覇、04年の全国地域リーグ決勝大会を制してJFLへの昇格を果たした。今季のJFL開幕前には、世界的な景気後退による自動車の生産縮小で派遣・期間従業員が削減され、水島製作所に勤務していた主力選手が失業保険やアルバイトで生計を立てる厳しい環境下でプレーしている。
4-4-2を基本布陣としており、主将のボランチ山下を中心に小気味いいパス回しを主体とした攻撃的なサッカーを目指す。攻撃のキープレーヤーはいずれも今季から加入した左MF尾上とFW後藤。尾上は切れ味鋭いドリブル突破と正確な左足のキックでチャンスをつくり出す。後藤はゴールへの意識が高いストライカーで、177㌢と上背はないものの豊富な運動量を生かして攻撃の組み立てに顔を出す。守備はベテラン萩生田と183㌢の高さが武器の波多野の両センターバックに、安定感が光るGK永冨が引き締める。チーム生え抜きの熊代監督は「まずは初戦突破を目指し、2回戦でJリーグ1部の川崎フロンターレと戦いたい」とアジアチャンピオンズリーグで準々決勝に駒を進めた国内屈指の強豪との対戦を目標に据える。
(山陽新聞)

広島県/ 福山大学

広島県予選を兼ねる全広島サッカー選手権で佐川急便中国に4―0で快勝し、2年連続4度目の出場を決めた。現行の形式になった1997年以降、大学勢の大会連覇は初めて。部員数は93人。昨年度に、全日本大学フットサル大会で準優勝するなど、活動の幅を広げている。J2のカターレ富山のMF今井大悟たち3人のプロ選手を輩出している。
  基本布陣は「4―3―3」の攻撃的なスタイル。全広島選手権では決勝までの4試合で13得点を挙げた。素早いボール回しと豊富な運動量で選手が次々とゴール前に飛び出す。3トップの中央に入るFW佐古田が攻撃の要。166センチと小柄だが、キックの精度が高く、セットプレーのキッカーも務める。2年生の鮫島と1年生の大宮の両FWも力をつけ、先発に定着してきた。
  8月1~7日にあった総理大臣杯全日本大学トーナメントでは1回戦で大阪学院大に0―4で敗れた。ミス絡みで先制を許し、そこから守備が乱れて、失点を重ねた。「サッカーは一瞬で勝負が決まってしまう。ミスをすれば、どんな結果になるか選手が実感した」と吉田監督。自慢の攻撃力だけでなく、守備を安定させて、天皇杯に臨む。
  1回戦の相手は、日本フットボールリーグ(JFL)のV・ファーレン長崎。「最低でも、持っている力を出し尽くさないと、勝つことはできない。少ないチャンスをいかに確実に決められるか」と吉田監督は、格上との一戦を見据えている。
(中国新聞)

山口県/ レノファ山口

山口県サッカー教員団を母体として、山口市を本拠地に2006年に発足した。山口県サッカー選手権では、決勝で山口合同ガスに7―2と大差をつけ、2年ぶり2度目の出場を決めた。前身の教員団時代を含めると、8度目の天皇杯となる。昨季は中国リーグを11勝5分けの無敗で制し、全国地域リーグ決勝大会では16チーム中4位。3位までだった念願の日本フットボールリーグ(JFL)入りをあと一歩で逃した。11年の山口国体では、中心チームとなることが期待されている。
  県予選を圧倒的な強さで勝ち抜いた。決勝までの4試合で計22得点。準決勝までは無失点に抑えた。「4―4―2」が基本布陣。石上と大野達のダブルボランチが攻守の要となる。MF福原や、FW安田たちも好調を維持している。故障していた主力のMF戸高、DF渡辺の復帰も追い風となる。
  天皇杯1回戦は岡山県代表で日本フットボールリーグ(JFL)の三菱自動車水島と対戦。前回大会の1回戦でも山口県代表の日立笠戸が、岡山県代表のファジアーノ岡山(現J2、当時JFL)と顔を合わせた。昨年の中国勢対決は岡山が勝利。今年は山口の意地を見せられるか。
  JFLチームとの対戦は貴重な経験にもなる。宮成監督は、「厳しい戦いになるが、向かっていく気持ちを忘れない。運動量で相手を上回ることが大事」と力を込める。初戦突破とともに目標のJFL昇格へ向け、手応えをつかむ場となる。
(中国新聞)

香川県/ カマタマーレ讃岐

第14回香川県サッカー選手権大会決勝で、今夏のインターハイに出場した香川西高に8―0で圧勝。5年連続11度目の出場を決めた。 
高松市などを拠点にJリーグ参入を目指して活動するクラブチーム。1956年に発足した高商OBサッカー部が前身で、以後、香川紫雲FC、サンライフFC、高松FCと名称変更。2006年に公募で現チーム名となった。カマタマーレは、香川の名産「さぬきうどん」のメニューの一つ「釜玉(かまたま)うどん」と、イタリア語で海を意味する「マーレ」を合わせた造語。 
これまでのNPO法人に加え、昨年は株式会社を新たに立ち上げるなど、運営面でもJリーグ入りに向けた動きが本格化。チームは車いす利用者ながら日本協会公認のS級ライセンスを取得した羽中田昌氏を監督として招き、その動向も全国的な注目を集める。 
昨季の結果は、2年ぶりに四国リーグを制し、この天皇杯でも1回戦でJFLのガイナーレ鳥取(鳥取)を破るなど奮闘した。ただ、JFL昇格を懸けた「全国地域リーグ決勝大会」は、残念ながら1次ラウンドで敗退。今季は、Jリーグ経験者が計11人となるなど、さらに選手補強を進め、引き続き羽中田監督の指揮の下、四国リーグで9月4日現在、勝ち点差1の2位につける。 
システムは4―3―3で、DFからFWまでが連動した細かなパス回しから好機を探る「ポゼッションサッカー」を展開。両サイドバックを含めた分厚い攻撃が特徴だ。在籍27選手のレベルが拮抗(きっこう)し、先発メンバーは流動的だが、特にJリーグ1部(J1)鹿島出身の吉沢をはじめ、U18日本代表の経験もある中原、同2部(J2)の岡山から今季加入した朝比奈ら中盤に好選手をそろえる。 
ユニホームの胸部分にロゴを掲出していた大口スポンサーが昨季限りで撤退するなど、取り巻く環境は厳しい。しかし、そこで発想を切り替え、胸に「さぬきうどん」と掲げるポジティブさがこのチームの魅力。羽中田監督は「香川を代表して戦う。どこが相手でも、応援してくれる皆さんの力が感じられるようないい試合がしたい」と意気込む。
(四国新聞)

徳島県/ 徳島ヴォルティス・セカンド

素早いサイドチェンジや中盤での出足よいボール奪取でゴールを狙う徳島ヴォルティス・セカンド。出場権を懸けた第14回徳島県選手権決勝で徳島ヴォルティス・ユースとの「兄弟対決」を8-0で制し、4年連続で代表の座を手にした。
  ヴォルティス・セカンドは、J2で戦うトップチーム入りを目指す選手たちで構成される。昨年の天皇杯では1回戦(高知大戦)2-1、2回戦(カマタマーレ讃岐戦)2-1で初の3回戦に進出。J2・草津戦で0-2で敗退したが、プロとの真剣勝負を肌で感じた選手たちは、今季もプロとの戦いを目指して闘志を燃やしている。
  所属する四国リーグで11試合(6日現在)を終えて10勝1分けで首位に立ち、2年ぶりの優勝を目指す。基本システムは4-4-2でボランチの筒井槙を中心に堅い守りから2トップの河村、坂井につないで得点する。河村は前線での起点になるほか、185センチの長身を生かしセットプレーでも標的になる。坂井はDF裏へ飛び出すスピードが持ち味。突破力がありサイド攻撃を仕掛けるMF佐藤、展開力のあるMF清水にも注目が集まる。
  1回戦の沖縄かりゆしFCに勝てば、2回戦はJリーグチームの名古屋。坂井主将は「Jリーガーになるために来ている。そこに勝てないとプロになれない」と強い意志で挑む。
(徳島新聞)

愛媛県/ 愛媛FCしまなみ

2009年愛媛県サッカー選手権大会決勝で愛媛FCユースとの「同門対決」を3-0で制し、初の全国切符を手にした。1976年、社会人チーム「大西サッカークラブ」として設立。2001年以降は四国リーグを主戦場とし、今シーズン、J2愛媛FC傘下のアマチュアチームとして新たなスタートを切った。8月にはG大阪ユース出身の持留新作と地元・済美高出の渡辺一仁がトップ昇格を果たすなど、早くも実績を挙げている。
J1鹿島育成部コーチやU-17女子日本代表コーチなどを務めた八木邦靖監督が指導。所属選手は16人(コーチ兼任含む)と小規模ながら、グループ戦術を中心にしたトレーニングでレベル向上を図っている。
目指すスタイルは攻守に主導権を取るサッカー。攻撃の鍵を握る2トップの小笠原は得点能力が高く、中原はスピードのあるドリブルが持ち味でパスの精度も高い。MF金は鋭い飛び出しでDF裏を狙う。守備の要はDF稲田。対人の強さとリーダーシップで最終ラインを統率する。センターバックでコンビを組むDF楊は空中戦に強く、セットプレーのターゲットとしても存在感を発揮する。
1回戦は全日本大学トーナメント準優勝の高知大と対戦。八木監督は「力のある相手だが、J下部組織のチームとしてタフなゲームを見せられれば。初戦を突破して高いレベルの試合を1つでも多く経験したい」と意気込みを話している。
(愛媛新聞)

高知県/ 高知大学

ことし8月に行われた全日本大学トーナメントで初めて決勝進出を果たして準優勝。勢いそのままに天皇杯予選を兼ねた第14回高知県選手権決勝でも四国社会人リーグの南国高知FCに8―0と圧勝し、7年連続14回目の出場権を得た。
  約80人の部員が在籍。過去の天皇杯では2006年大会の3回戦が最高成績。近年では大学各種大会で上位に顔を見せるようになってきており、J2岐阜の主将菅も同大OB。現在のところ連年でJリーガーを輩出している。
  現チームはずば抜けた選手はいないが、攻守にバランスが取れており、選手個々の能力、運動量はともに高い。また選手はサッカーだけでなく、フットサルやビーチサッカーにも取り組み、持ち味の展開力と速さのあるパスワークを磨いている。
  FW布施のワントップ気味の布陣。中盤を厚くし、ボールへの寄せを早くして攻守に先手を取るのが高知大のスタイルで、鍵を握るのは成長著しい芝野や香川、高木らMF陣。それぞれスピードもあり、得点能力もある。
  またDF陣もJ2愛媛FCの特別指定選手でもある主将中野らを中心に堅実。センターバックの実藤は170センチ後半の上背ながら高さに強く、セットプレーでは中野とともに攻守両面で威力を発揮する。サイドバック山岡のオーバーラップも魅力的だ。大型GK片山が最後のとりでとして、ゴールを死守する。
  近年の本大会では初戦敗退が続いているが、全日本大学トーナメント準優勝で自信をつけている。戦力、気力ともに充実しており、監督歴約30年の野地監督は「アウエーでの初戦なので気が抜けないが、昨年負けた経験もあるので今年こそ勝ちたい」と意気込んでいる。
(高知新聞)

福岡県/ ニューウェーブ北九州

平成21年度第13回福岡県サッカー選手権大会決勝で、8月の全日本大学トーナメントを制した福岡大に2-1で勝利。2年連続2回目の出場を決めた。北九州市をホームとし、2001年に九州リーグだった三菱化学黒崎(北九州市)を母体に発足。昨年JFLに昇格した。今季はJFL優勝と、Jリーグ参入を見すえる。
18チーム中7番目に多い48失点を喫した昨季の反省から、守備陣を刷新。今季J2に昇格したファジアーノ岡山からDF重光と伊藤、JFL佐川印刷SCからDF片野と経験豊富な3選手を補強し、安定感が増した。元J1新潟アルビレックスのMF桑原を中心に中盤のプレスも奏功。24試合を終えた8月末の時点でリーグ最少の16失点に抑えてきた。
攻撃もJ2ヴァンフォーレ甲府などでJ1、J2通算26得点挙げてきたFW長谷川太郎が加入。167㌢と小柄ながら裏へ抜け出すスピードは速い。Jリーグ創設期からヴェルディ川崎(現在の東京ヴェルディ)などで活躍していた39歳のベテランFW藤吉も左肋骨(ろっこつ)の骨折から復帰。巧みなドリブル技術は健在だ。
与那城監督は第66、67回大会で、読売クラブ(現在のJ2東京ヴェルディ)の監督として天皇杯2連覇を達成。「日本の中でも大事なタイトル。取りに行く」と誓った。
(西日本新聞)

佐賀県/ 佐賀東高校

ボールを支配しながらラインを押し上げ、ゴールに迫るポゼッションサッカーが最大の特徴だ。選手が次々と顔を出し、連動したパスワークで守備を崩す。天皇杯出場をかけた第14回県選手権決勝では、社会人の九州INAXに4-1で快勝。圧倒的な強さで初出場を果たした。
  県高校総体7連覇。冬の全国高校選手権も過去5年で4度の出場を果たしている。今夏の全国高校総体では昨年に続くベスト4。高い組織力を武器に、高校生世代では全国屈指の実力を誇る。2001年に就任した蒲原監督を慕い、県外からも選手が入部。毎年30人近い新戦力が加わり、層も厚い。
  システムは4-4-2。トップ下とFWがポジションチェンジを繰り返して攻撃を組み立てる。2人のボランチは攻守をつなぐ重要ポジション。DFと連携して相手を素早く挟み込む。主将の江頭は展開力があり、攻めの起点にもなる。
  得点源のFW赤﨑は18歳以下日本代表候補。背後を狙う動きは鋭く、ドリブル突破も破壊力がある。けがで戦列を離れているポスト役のFW本田の復帰が待たれるが、中盤の2列目からの飛び出しで厚みのある攻撃を見せる。
  守備は昨年からコンビを組む前山拓、上村の両センターバックが統率。ともに対人プレーに強く、カバーリングも的確だ。前山慎、松山の両サイドバックは献身的なオーバーラップでサイド攻撃の一角を担う。
  例年は冬の高校選手権を重視してきたが、今チームはタイトルへの意識が強く、チーム一丸で代表の座を手にした。初戦を突破すれば、地元のプロチーム「サガン鳥栖」と対戦。選手の士気は高く、蒲原監督は「チームの実力を知る貴重な機会。胸を借りるつもりで戦いたい」と抱負を語る。
(佐賀新聞)

長崎県/ V・ファーレン長崎

第20回県サッカー選手権決勝で三菱重工長崎に5-1と快勝。2年ぶりの本大会出場を決めた。Jリーグを目指し2005年に「有明SC」を母体に発足。九州リーグ参戦4年目の昨季は、同リーグ2位で全国地域決勝リーグ決勝大会に進出。決勝ラウンドで2位に入り、JFL昇格を果たした。
JFL初参戦の今季は、前期終了時点で6勝4分け7敗の12位と出遅れたが、後期はここまで4勝2分け1敗と好調。J2昇格圏内の4位との勝ち点差も4に縮め、1年目での昇格も視野に入ってきた。(後期第7節終了時点)。
好調の最大の要因が安定した守備。GK近藤やセンターバックの久留、加藤らを中心に体を張って守り、無失点の試合も増えてきた。加藤はセットプレーからの得点も期待できる。サイドバックの立石、隅田らは積極的にオーバーラップを仕掛ける。
中盤はタレントが豊富。37歳のベテラン原田は広い視野を持ち、落ち着いたボールさばきで試合をコントロールする。チーム一のドリブラー神崎は、パスの精度も高く決定的な働きができる仕事人。今季加入した佐藤由の右足から繰り出される正確なクロスも、大きな武器となっている。
FWも実力のある選手がそろう。今季ここまで9得点の有光、昨季の九州リーグ得点王の福嶋のほか、若手の宮尾らが台頭。俊足の阿部も出場機会が増えており、レギュラー争いが激化している。
シーズン途中で起こった2度の監督交代劇を経て、現在は2005年から3年間指揮を執った岩本文昭監督が復帰。情熱的な指導で、チームに〝戦う気持ち〟を植え付けている。岩本監督は「Jリーグのチームと唯一真剣勝負ができる場所。1試合でも多く挑戦できるように、しっかり準備したい」と、闘志を燃やしている。       
(長崎新聞)

熊本県/ 熊本学園大学

準決勝はヴァンクール熊本、決勝は熊本教員蹴友団の社会人勢を連破。大学チームとして初の熊本県代表になった。1951年に旧熊本商大サッカー部として発足。2000年から九州大学リーグに所属し、2部で優勝、準優勝が1度ずつ。04、05年は1部で戦ったが、2部降格以後はやや低迷している。
今季はDF永野寿輝、MF小高聖二朗ら速さと技術を兼ね備えたルーキーが加入。天皇杯と九州大学リーグ1部昇格に照準を合わせてきた。目標を一つ達成し、青山武司監督の表情は明るい。「学生特有のひょうきんな選手が多いが、熊本代表の自覚を持って臨んでくれるでしょう。今後、選手たちの顔がどう変わるか楽しみ」
今季は課題のスタミナ不足を克服しようと、練習にランニングメニューを多く取り入れた。「ただ走るだけでは駄目。試合で生きるように、プレーの中で走ることを心掛けている」と高原大志主将。夏休みは「地獄」と各選手が口をそろえるオールコートの3対3の練習に打ち込んだ。熊本県選手権の3試合計12得点のうち、後半以降に挙げた得点が8と全体の3分の2を占める。スタミナアップに取り組んだ練習の成果が表れたといえる。格上と戦った準決勝、決勝はいずれも序盤は相手に押し込まれる展開を我慢し、徐々に流れを引き寄せた。決勝の後半だけでハットトリックを達成したFW吉原誠は「相手の足が止まっても、こっちは動く。最後まできちんとした攻守の形を保てた」と胸を張る。
基本の布陣は4・4・2。サイドバックや中盤の選手に攻撃的な選手を起用し、ショートパスを駆使して前掛かりに攻める。MF増村孝弘、小高を軸に、前線が流動的に動いて相手に的を絞らせない。FWは粒ぞろい。当たり負けしない179㌢のルーキー高谷翔、瞬発力に富む原口裕也が中心。県選手権で4点を稼いだチーム得点王の吉原ら飛び出しに優れた選手が控えている。同選手権3試合で7人が得点を記録するなど、各選手は積極的にゴールを狙う。
「公式戦は必ず失点する」(青山監督)という攻撃型チームだけに、プレスが緩慢になる場面が多いことが課題。反応の鋭いGK中田洋和、DFリーダー岡田隼一の奮闘が守りの鍵を握る。
天皇杯1回戦はJFLのホンダロック(宮崎)が相手。旗色は悪いが、高原主将は「自分たちのプレーがどこまで通じるか楽しみ。もちろん、負けるつもりはない」と意欲満々だ。
(熊本日日新聞)

大分県/ 日本文理大学

代表決定戦で九州リーグの新日鉄大分を5―1で下し、2年連続5回目の出場を決めた。
  同大(大分市)が大分工業大として開学した1967年に創部。80年代まで目立った実績はなかったが、90年代からブラジル人指導者を招くなどして強化を進め、2000年、総理大臣杯全日本大学トーナメント、全日本大学選手権に初出場。03、04年にも両大会に1回ずつ出場した。J2ファジアーノ岡山に所属する西野晃平などJリーガーも複数輩出している。
05年からは再び成績が下降線をたどって全国大会から遠ざかり、08年、提携しているJ1大分トリニータから元日本代表GKの岡中勇人監督、元韓国代表FW皇甫官テクニカルディレクターらスタッフを招いた。就任2年目の現在、九州大学リーグ1部で上位復活は遂げられていないが、天皇杯の代表権は2年連続で手にした。
岡中監督が掲げるのは「組織をベースに個を生かすサッカー」。今年は4、5月の大学リーグ前期は苦しい戦いを強いられたが、システムやメンバーを微調整したことなどで6月ごろから徐々にチームが機能。戦い方への意識統一が進んできた。
現在のチームは4―4―2がベース。春先の失点の多さを克服し、攻守のバランスがとれてきた。組織的な守備でアグレッシブにボールを奪い、ピッチをワイドに使った多彩な攻撃につなげる。ディフェンスを統率するのは強さを誇るセンターバック斉藤と植村。攻撃は、起点となり自分でも持ち込める両サイドMFの空山、武田、積極的な姿勢で突破を狙うFW松尾、福井ら能力の高い選手がそろう。県代表決定戦でハットトリックを達成した砂本も攻撃のキーマンだ。
同校は全国大会では未勝利で悲願の初白星を狙う。岡中監督は「選手にとって天皇杯の戦いは自分たちを成長させてもらえ、アピールもできる場所。チャレンジ精神で向かってほしい」と期待をこめた。
(大分合同新聞)

宮崎県/ ホンダロック

第13回宮日旗・NHK杯宮崎県サッカー選手権大会決勝で宮崎産経大を2-0で破り、3年連続8度目の出場を決めた。日本フットボールリーグ(JFL)所属。自動車部品などを製造するホンダロック(宮崎市佐土原町)を母体とする企業チームで、1964年、社内サークル活動の一環で創設された本田ロック黒潮会サッカー部が前身。監督、コーチ、選手と社員のみでチームを構成する。「アマチュア日本一」を目指し、県サッカー界をリードしている。
  2004年、九州リーグを初制覇。05、06年の2シーズン、JFLに参戦した。戦績が低迷し降格したが、今季3年ぶりに復帰を果たした。当面、JFL定着を目標に掲げており、「負けないサッカー」を旗印に堅守を武器に奮闘している。前期は11位で折り返し、後期は第7節終了時点で7勝10分け7敗の勝ち点31と13位につけている。天皇杯最高成績は05年の4回戦進出。これが県勢の最高成績となっている。
  基本システムは3-4-3。高い守備意識と素早い攻守の切り替えでピッチを駆ける。ベテランDF白川伸也が3バックの中央に入り、的確な指示とカバーリングでピンチの芽を摘む。主将のDF谷口研二はチームの精神的な柱で頼れる存在。GKの川島正士、桑原一太は鋭い反射神経で失点を防ぐ。
  中盤は昨年の九州リーグアシスト王・MF前田悠佑、ずばぬけたスタミナを持つMF倉石圭二が核。安定感あるダブルボランチでゲームを組み立てる。右MF小原拓也は献身的な守備が光り、左MF悦田嘉彦は得意のドリブルで果敢に仕掛ける。
  FW陣はタイプの異なる選手がそろい層も厚い。長身の熊元敬典は空中戦に強く、水永翔馬、原田洋志はフィジカルの強さが際立つ。シュート力ある木下健生、突破力に優れる下木屋翔、ボールコントロールが巧みな山下優一郎らも能力は高い。
  初戦を勝てばJリーグ2部(J2)東京Vと対戦する。今季から指揮を執っている廣池寿監督は「まずはしっかり1回戦を勝つことが大事。Jリーグチームとの試合では、自分たちの力がどこまで通用するのか試してみたい」と意欲を燃やしている。           
(宮崎日日新聞)

鹿児島県/ 鹿屋体育大学

8月30日の第24回鹿児島県サッカー選手権決勝で、JFL昇格を狙うヴォルカ鹿児島(九州リーグ所属)を4―0と圧倒、2年ぶり10度目の出場権を獲得した。日本唯一の国立体育大学の体育会サッカー部として1984年に創部、九州大学リーグ1部では、過去に7連覇の実績を持つ。
  現チームは、多彩な攻撃が武器。今季はリーグ戦前期を全勝で折り返した。セントラルMFの主将・赤尾は、常にボールの近くに顔を出し、長短のパスを配球してゲームを組み立てる。左サイドの多田、右サイドの桃井は、ともに俊足を生かして敵陣深くえぐる。2トップは、高さがありポストプレーのうまい中筋と、スピードと決定力を備える岡田がコンビを組む。守備陣は、高さはないものの、リーグ戦7試合で2失点と安定感を誇る。両サイドの有田と前田は、積極的に前線に絡む。
  鹿児島実、東福岡、国見(長崎)、滝川二(兵庫)など全国のサッカー強豪校や、Jユース出身者が名を連ねる。昨年はチームのまとまりを欠いたが、今年は赤尾ら4年生が強力なリーダーシップを発揮、チームが一丸となり、士気も高い。井上尚武監督は「J1勢と対戦したい」と意気込んでいる。
(南日本新聞)

沖縄県/ 沖縄かりゆしFC

第14回タイムス杯争奪サッカー選手権大会の決勝でJFLのFC琉球を4-2のスコアで撃破し、優勝。3年連続6度目の出場権を獲得した。
沖縄県那覇市をホームに2001年に設立。九州リーグを舞台にJFL昇格を目指している。「かりゆし」とは沖縄地方の言葉で「幸せ」「縁起がよいこと」を意味し、「(沖縄)県民の夢と希望、そして活力を与えるチーム作りを目指そう」とこの名前がつけられた。チームカラーは温暖な気候や風土をオレンジで、鮮やかな海をブルーでイメージしている。01年には元ヴェルディ川崎のラモス瑠偉氏、03年には同じく加藤久氏がチームの指揮をとり、02年~03年の九州リーグを連覇するなど全国的な注目を集めた時期もあったが、ここ数年は不本意な成績に甘んじていた。08年にチームの建て直しに成功してからは5年ぶりにリーグ制覇を達成、連覇へ向けて今年も首位を走るなど勢いに乗っている。
走り負けない運動量が自信だ。全員でプレスをかけ、ボールを奪ってからのサイド攻撃を得意とする。FWは裏に抜けるスピードが速い浅野を攻撃の軸に据え、現在九州リーグでアシスト数No.1のMF関を中心にクロスボールで中を崩し得点に繋げる。攻守の要であるMF小寺がキャプテンを務め、セットプレーやコーナーキックからの得点も多い。守備の面ではDFの飯島が副キャプテンとしてラインを統率、九州リーグで最小失点と鉄壁の防御を誇る。
天皇杯本戦では2年連続で3回戦に進出。去年はJ2の横浜FCと接戦の末、惜しくも敗れた。Jリーグなど上位カテゴリーに所属するチームとの対戦では、自慢の走力で力負けすることも。スピードの違いをどう克服するかが課題だ。仲本監督は「前半からガンガン飛ばし、出し惜しみしない。胸を借りるつもりで思いっきりぶつかっていくだけ」と意気込みを語った。
(沖縄タイムス)

大学/ 福岡大学

「永井という素晴らしいFWを最大限に生かすサッカーを考えた」と乾監督は言い切る。出場権を獲得した第33回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントでは、全4試合に得点しての5ゴールで初優勝に貢献。U-20日本代表の経験があり、今年6~7月にセルビアのベオグラードで行われた第25回ユニバーシアード競技大会では、7ゴールを挙げて得点王にも輝いた。動き出しが非常に早く、抜群のスピードを生かして一気に相手ゴールに迫るエースストライカーだ。
  彼を生かす戦術を理解するチームメートも粒ぞろい。MF藤田はキックが正確で、FKから直接、得点も狙う。豊富なスタミナを誇るMF前山は、ゴール前へのタイミングのいい走り込みも持ち味。MF末吉は中長距離のパスの精度が高い。ディフェンスラインを統率するキャプテンのDF宮路は、カバーリングに優れ守備を引き締める。彼のサポートを得て、184センチのDF牟田は空中戦の強さを発揮して相手の攻撃をはね返す。GK河田も前述のユニバーシアードに出場した反射神経の鋭い守護神だ。
  「Jリーグのチームにどれだけ戦えるかという高い次元の目標に挑戦できる」と闘志を燃やす乾監督。当面の目標は1回戦を突破し、天皇杯全日本サッカー選手権で勝ったことのないJリーグ勢を破ることだろう。永井の力がどれだけトップクラスのDF陣に通用するかに加え、厳しいプレスから攻守の切り替えを速くし、相手に守備の余裕を与えない戦いが鍵となる。
(サッカージャーナリスト 石川 聡)