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天皇杯全日本サッカー選手権大会
チーム紹介(都道府県・大学代表) 
北海道/ 北海道教育大学岩見沢校 青森県/ 八戸大学 岩手県/ グルージャ盛岡 宮城県/ ソニー仙台FC
秋田県/ ブラウブリッツ秋田 山形県/ 山形大学医学部 福島県/ 福島ユナイテッドFC 茨城県/ 筑波大学
栃木県/ 栃木ウーヴァFC 群馬県/ アルテ高崎 埼玉県/ 平成国際大学 千葉県/ 柏レイソルU-18
東京都/ 町田ゼルビア 神奈川県/ Y.S.C.C 山梨県/ 山梨学院大学附属高校 長野県/ 松本山雅FC
新潟県/ JAPANサッカーカレッジ 富山県/ 富山新庄クラブ 石川県/ ツエーゲン金沢 福井県/ 丸岡フェニックス
静岡県/ 静岡産業大学 愛知県/ 中京大学 三重県/ FC鈴鹿ランポーレ 岐阜県/ FC岐阜SECOND
滋賀県/ SAGAWA SHIGA FC 京都府/ 佐川印刷SC 大阪府/ 阪南大学 兵庫県/ 三洋電機洲本
奈良県/ 奈良クラブ 和歌山県/ アルテリーヴォ和歌山 鳥取県/ 米子北高校 島根県/ デッツォーラ島根E.C
岡山県/ ファジアーノ岡山ネクスト 広島県/ 広島経済大学 山口県/ レノファ山口 香川県/ カマタマーレ讃岐
徳島県/ 三洋電機徳島 愛媛県/ 愛媛FCしまなみ 高知県/ 高知大学 福岡県/ 福岡大学
佐賀県/ 佐賀LIXIL FC 長崎県/ V・ファーレン長崎 熊本県/ 熊本教員蹴友団 大分県/ HOYO AC ELAN大分
宮崎県/ 宮崎産業経営大学 鹿児島県/ FC KAGOSHIMA 沖縄県/ 海邦銀行SC 大学/ 大阪体育大学

北海道/ 北海道教育大学岩見沢校

 第29回知事杯全道選手権大会決勝で、道内最多21度の天皇杯出場を誇る札幌大学を2-0で下して初優勝。創部63年目で念願の天皇杯出場切符を手にした。社会人チームも出場する全世代対象の大会を制し、「初めて道内のトップに立てた」と就任30年目の越山賢一監督は感慨深げに話す。
 見ている人も選手自身も「楽しくなる」(越山監督)攻撃的サッカーが持ち味。知事杯決勝では中盤での細かいパス回しで相手を崩し、機を見てDFライン裏へスルーパスを出して再三好機をつくった。
 攻撃の軸は鋭い抜け出しが武器のFW大西洋平で、知事杯4試合で通算5得点。守備陣も鈴木雄太、船場俊介のセンターバックを中心に、知事杯で3失点と安定している。「うちの4バックの4人は道内有数と思う」と指揮官も信頼を寄せる。
 2009年に道学生リーグ1部、今年6月には総理大臣杯全日本大学トーナメント道大会をそれぞれ初制覇するなど、近年着実に力をつけている。
 大きな追い風となったのが、2006年度に北海道教育大学が組織再編されたことだ。岩見沢校は5校のうち、スポーツ、芸術分野の教育に特化し、スポーツ教育課程が新設されたことで教員や指導者を目指す有力選手が集まりやすくなった。
また、Jリーグの審判経験がある理論派の越山監督の地道な取り組みも実を結んだ。大半の選手が同課程の教授でもある越山監督のゼミに所属。授業では、選手が編集した試合のビデオ映像を基に戦術の反省点や練習方法を話し合う。「チームの団結力には自信がある」(内田圭祐主将)と、連係面での向上にもつながっている。
 毎年秋は3年生が教育実習でチームを離れる時期。今年も知事杯決勝の先発のうち4人が実習で平日の練習に参加できないまま、〝ぶっつけ本番〟で天皇杯に臨むことになる。それでも大西は「ハンディはあるが、乗り越えようとみんなの意識も高くなる」とプラスにとらえる。
 初出場だった7月の総理大臣杯全日本大学トーナメントは、1回戦で高知大学を2-0で下して初勝利。続く準々決勝は、優勝した大阪体育大学に0-1で惜敗したものの、「全国でも戦える手応えを得た」と内田主将は言う。
 天皇杯の初戦はその大阪体育大学が相手。「こんなに早く、しかも全国の舞台で再戦できるとは」と内田主将。勝てば2回戦でJ1のセレッソ大阪と対戦できるが、まずは大学王者へのリベンジに燃えている。
(北海道新聞)  

青森県/ 八戸大学

 昨年と同カードとなったNHK杯第64回青森県サッカー選手権決勝。八戸大が東北社会人2部のヴァンラーレ八戸に2-1で競り勝ち、2年ぶり9回目の頂点に立った。
 昨年の決勝は0-1でヴァンラーレに敗れ、初優勝を献上。今年は初戦の準々決勝を3-2、準決勝は1-0と接戦を制して勝ち上がった八戸大に対し、ヴァンラーレは準決勝までの2戦合計で13得点、失点は0。「ヴァンラーレの方が格上」と、八戸大の監督・選手誰もが認めていた。
 しかし、決勝で八戸大の選手は気後れせず、相手選手に素早いプレスをかけてボールを奪取。パスをつないで相手ゴールに何度も迫った。相手も両サイドから攻撃を仕掛けてきたが、守備陣が粘り強く対応し、相手FWに決定的な仕事をさせなかった。そして後半、オウンゴールで先制。1分後に同点に追いつかれたものの、運動量が落ちた相手をスピードで翻弄(ほんろう)し、試合終盤にPKを獲得。後半44分、PKのこぼれ球を押し込み、決勝点を奪った。
 八戸大学サッカー部は、大学創立と同じ1981年に発足し、現在の部員数は45人。2006年には東北地区大学リーグ1部を初めて制し、全日本大学選手権に初出場した。しかし、10年の東北大学リーグ1部で5位に終わり、今年5月の東北地区大学選手権は準決勝で敗れた。久しぶりのタイトル獲得に「本当にうれしい」と主将でDFの畠山幸平は感慨深げだ。
 基本システムは4-4-2。「テクニックや身体能力が高い選手がいないので、パスワークで崩していくサッカー」と畠山。最終ラインの守備は畠山、開沼徹也の両センターバックが統率し、沼田泰喜と若生亮介のダブルボランチが中盤の要。左ボランチで守備的な役割を担う若生について、岩本寿生監督は「キック力があり、ロングフィードも可能。接触プレーにも強い」と信頼を寄せる。横浜Fマリノスユース出身のGK松内貴成は、後方から大声で仲間に指示し、闘志むき出しのプレーでゴールを死守する。
 天皇杯では3回戦進出が最高成績。一昨年は1回戦でヴェルフェたかはら那須(栃木)と対戦し、延長の末3-4で敗れた。今年は1回戦で、東北社会人1部の福島ユナイテッド(福島)に挑む。「数少ないチャンスを決められるよう、気を引き締めて臨む」と岩本監督。畠山は「全国に行ってもいつもと変わらず、自分たちのサッカーを貫いて戦いたい」と抱負を語った。
(東奥日報社)

岩手県/ グルージャ盛岡

 第61回岩手県サッカー選手権大会決勝戦で、アンソメット岩手八幡平(八幡平市)を3-1で破り4年連続5回目の天皇杯全国大会出場を決めた。レッドカードも飛び出す激しい戦いとなった決勝戦だったが、 平常心を失わず戦い抜き、最後は総合力で押し切った。
 チーム本拠地は盛岡市。グルージャはスペイン語で「鶴」の意味。盛岡藩主南部家の家紋が「むかい鶴」で、名物の「じゃじゃ麺」、県内の方言に「じゃ」が多く使われていることにもちなんで名づけられた。
 一昨年、チームの運営組織をNPO法人から株式会社に移行し、盛岡商業高校を全国制覇に導いた名将・斎藤重信氏をチームアドバイザーに迎えるなど、本県のサッカー界トップチームとして着々と体制を強化している。
 未曾有の大震災に見舞われた本年は「元気を岩手に、一歩ずつ前へ!」を合言葉に、サッカースクールなどを通じたジュニア世代強化や普及活動、地域貢献事業にも積極的に取り組んでいる。
 チームは東北社会人リーグ1部に所属。昨季リーグV4を達成し、今季は現在2位(8月28日現在)。全国社会人サッカー選手権大会へ東北地区代表として出場も決っている。悲願のJFL昇格を目指し過密日程の中、奮闘を続ける。
 2季主将を務めた大黒柱・DF中田洋介が引退、昨季チーム得点王・FW菅原康太が離脱した今季だが、GK島津虎史新主将のもとチームは結束。昨季全ポジションを補強したチームの主力大半が残留し、今季は「成熟度」で勝負する。
 県選手権は3試合で15得点、4失点。両サイドを起点とした波状攻撃からFW上山愛史、佐藤佳成、加藤浩史ら「取るべき人」がきっちり得点し、安定した戦いぶりだった。
 天皇杯全国大会では県勢で唯一の勝利経験チームだが、いまだ「Jの壁」は越えられずにいる。今年の初戦は吉田暢監督がかつて所属していたJFLソニー仙台FCをホーム・盛岡に迎える。「格上相手」は承知の上、吉田監督は「全力で戦う」と闘志を燃やす。
(岩手日報)

宮城県/ ソニー仙台FC

  東日本大震災の影響で宮城県予選が中止となり、県サッカー協会の推薦で代表となった。  多賀城市の社屋が津波の被害に遭った。そのため、所属する日本フットボ-ルリ-グ(JFL)前期日程への参加を辞退した。選手は社屋を片付ける傍ら、避難所でサッカー教室を行い、子どもたちを励ました。
 震災から2カ月以上がたった5月16日、チーム練習を再開させた。コンディション不良の選手が多い中でも、主将の瀬田貴仁を中心に「宮城、東北を元気づけよう」とリーグ戦後期に向けて準備を進めた。
 布陣は4-4-2。田端秀規監督は堅守から、しっかりパスをつないで崩すサッカーを目指す。昨季は3人いたプロ契約選手が全て退団し、新たにプロ2人と新人3人を迎えた。
 活動再開後は関東遠征でJリーグチームと対戦し、チーム力のアップを図った。攻守のけん引役となるのは右サイドハフの大滝義史とボランチの花渕修平。大滝は左足からの正確なパスで攻撃を組み立てる。花渕は豊富な運動量で攻守の切り替え役を担う。けがから約1年ぶりに復帰したチーム最年長のDF谷池洋平を中心にした堅守がベースとなる。
 リ-グ戦後期日程の戦いぶりを見ると、試合を重ねてコンディション十分な他チームに比べ、成熟度が不十分な感は否めない。第6節が雷の影響で中止となる中で、5戦3分け2敗と勝ち点3の最下位に沈む。ソニー仙台のために設けられた災害復興支援試合でも初戦は1点リードしながら、終了間際に追い付かれるなど勝ち切れていない。
 リーグ戦の目標を「残留」に定める。瀬田のけがによる長期離脱など、苦境は続くが、浮き沈みの少ないベテランが穴を埋めてくれる。結果が出ず最良のメンバーが固まらない中でも状態のいい選手でやりくりをしている。
 リーグ戦での巻き返しに全力を注ぎながらも、天皇杯には特別なモチベーションで臨む。昨年は2回戦で同じ地元のJ1仙台相手に延長戦の末1-0で勝利。ことしも初戦を突破し、仙台勢同士の対戦を心待ちにする。田端監督は「推薦された以上、しっかりと戦う準備をしたい。特にJ1仙台との対戦は(震災後)大きな意味を持つものであり、満員のスタジアムで盛り上がる一戦にしたい」と気合が入る。
(河北新報)

秋田県/ ブラウブリッツ秋田

 第21回秋田県総合サッカー選手権大会決勝で、秋田FCカンビアーレを1-0で下し、10年連続18度目(前身のTDKサッカー部を含む)の本大会出場を決めた。
 チームは昨年、北東北初のJリーグチームを目指すクラブチームとして誕生。昨季のチームから引退や移籍で12人が去り、新たに11人が加わった。選手25人のうち、約半数が入れ替わった格好だ。今季、横山博敏監督は「ベテランがチームを引っ張る一方、新加入の若手選手らのプレーに積極性がある。選手同士が刺激し合ういい関係ができている」と語る。
 チームの身上は「組織的なプレー」。4-3-3を基本布陣に、速いボール回しや相手の裏を突くポジショニングで相手守備を切り崩して得点を狙う。得意の展開は両サイドを広く使ったスピードのある攻撃だ。MF畑田真輝、三好洋央らがサイドを駆け上がり、精度の高いパスを中央に供給。昨季、JFLの得点ランキング2位のFW松田正俊や、スピードとテクニックが武器の新人FW比嘉厚平らがゴールを狙う。守備陣はDF小林、千野らが粘り強い守備と豊富な運動量でボールを奪い、好機では攻撃にも積極的に参加する。
 JFLでの昨季の最終成績は18チーム中8位。今季は前期に引き分けをはさんで5連敗を喫するなど、思うように勝ち点を伸ばせず、開幕直後から下位に低迷している。それでも、8月には今季初の連勝を飾り、「調子は上向いている」(横山監督)。リーグでの順位浮上につなげるためにも、本大会でしっかり結果を出し、チームを勢いづけたいところだ。
 Jリーグ入りを目指すブラウブリッツ秋田にとって、本大会は「J」のチームを相手に実力を試す絶好の機会でもある。昨年は2回戦でJ1のモンテディオ山形に0-3で敗れた。今年も初戦を勝ち上がれば、2回戦で顔を合わせる。「難しい相手ではあるが、リベンジを果たしたい」と話す横山監督は、チームの活躍を秋田県民に向けて発信するためにも「格上の相手に勝って、いいニュースを届けたい。初戦から全力でぶつかっていく」と意気込んでいた。
(秋田魁新報)

山形県/ 山形大学医学部

 第15回県サッカー総合選手権大会を制し、初出場を決めた山形大医学部。医科学生体育大会など各種公式戦と日程が重なるため、これまで県選手権に参加する機会が限られていた中、4年ぶり2度目の出場で天皇杯の切符を手にした。
 部員(選手)は1~6年生約30人。選手が監督を兼務しており、現在はMF佐々木遼が指揮を執りながらプレーしている。経験豊富な6年生が主力。県大会決勝では7人が先発し、同じ山形大体育会との「山大対決」に競り勝って頂点に立った。
 通常の練習メニューは全て佐々木選手兼監督が考案している。練習は基本的に週5日だが、5、6年生は病院実習のため平日は欠席することが多い。そのため欠席者には筋力や走力のフィジカルトレーニングを課すなど工夫を凝らしている。また全体の練習時間は2時間半程度に設定。集中力を高め内容にこだわり、ボールワークの合間に筋力トレーニングを取り入れるなど、佐々木選手兼監督が「短く太く」と表現する強化方針をモットーに据えている。
 初出場した東北地区大学選手権大会(5月)でベスト8に進出し自信を深めた。県選手権では、準々決勝から決勝まで全て1点差で競り勝つ勝負強さをみせた。手間暇をかけない最終ラインからのシンプルなロングボール攻撃、サイド突破が特長。FW渡辺光、FW高井諭の2トップを走らせる速攻も効いている。
 セットプレーにも威力があり、サイドバックのDF水上秀也が投げるロングスロー攻撃は大きな武器。山形大体育会との決勝では再三好機を演出し、決勝点も敵陣左サイドからの水上のロングスローを起点に生まれている。
 1回戦の相手は格上のブラウブリッツ秋田(JFL)。仮に勝ち進むことができれば、2回戦ではモンテディオ山形(J1)の「山形対決」が実現する。佐々木選手兼監督は「モンテディオと対戦できれば夢のよう」と話す。試合前に組む円陣から積極的に声を掛け合ってモチベーションを高める山形大医学部イレブン。気合十分で目標達成を目指す。
(山形新聞)

福島県/ 福島ユナイテッドFC

 平成23年度 福島民報杯 NHK杯 第16回福島県サッカー選手権大会決勝でJFAアカデミー福島を2-1で破って4連覇を達成し、4年連続の出場を果たした。
 2002年に10代から20代の若者が集まり、Jリーグを目指す「福島夢集団」を設立。2004年にJリーグを具体的に目指す活動のため、まったくのゼロから「福島夢集団JUNKERS(ユンカース)」を設立。同年、福島県社会人サッカーリーグ3部リーグに加盟した。2005年に県社会人リーグ3部リーグ(西ブロック)で優勝。翌年には同2部リーグで2位となり県1部昇格を決めた。2007年、東北地区社会人リーグ2部南ブロック2位となる。
 昨年2月、前ファジア―ノ岡山FC監督の手塚聡氏が監督に就任。チーム名は、「UNITED=ひとつになる」の意味に由来し、チーム・選手・スタッフ・サポーターが"ひとつ"になって活動していく、福島が"ひとつ"になって福島の発展・活性化のために活動していくことを目指している。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響で主力選手を含む七人が退団したが、「福島で頑張ろう」とチームとサポーターの結束は一段と強くなり、Jリーグへの道を一歩ずつ進んでいる。
 県代表決定戦決勝戦では、開始早々の前半2分に左サイドのコーナーキックからMF金功青が左足で浮かせたボールに「ファーストチャンスから狙っていた」と集中して試合に臨んだFW時崎塁が飛び込み、先制点を挙げた。後半は高い位置での守備から流れを作り、開始5分にFW久野純也が決勝点記録した。久野純也は、「福島に明るいニュースを届けたい」と天皇杯での勝利を誓った。
 昨年の天皇杯ではソニー仙台FCに延長戦の末、惜しくも敗れた。今年は1回戦を突破するとJ1ジュビロ磐田と対戦する。主将の青柳雅信は「Jリーグのクラブとの公式戦は貴重な経験。成長の糧にする」と全国での活躍を誓った。福島ユナイテッドFCの全国での活躍は、福島県に希望と元気を与えるものとなる。
(福島民報)

茨城県/ 筑波大学

  天皇杯全日本選手権の出場権を懸けた茨城県選手権決勝で、筑波大がライバル流通経大を延長戦の末に1―0で下し、4年ぶり6度目の優勝を果たした。本大会は4年ぶり25度目出場。
 関東大学1部リーグでしのぎを削る両チームは、8月の中国・深圳で行われたユニバーシアード夏季大会の代表チームに計10人(筑波大4人、流通経大6人)も選出された。チームは見事に金メダルを獲得。帰国後、選手は数日で試合に挑む厳しい日程だった。それでも、プライドを懸けた一戦は互いに一歩も引かず無得点で延長戦へ。その前半ロスタイムに代表組の筑波大・FW瀬沼優司(3年)が均衡を破るゴールを奪い、勝利をつかんだ。
 筑波大はポゼッション(ボール支配)を志向する。一人一人の高い個人技をベースにボールを保持した試合運びが特徴で、しつこく相手の守備網を崩しに掛かる。ドイツなどでプレー経験を持つ元日本代表の風間八宏監督(49)が率いて4年目。パス主体の攻撃サッカーが浸透している。
 布陣は主に4―3―3を採用するが、試合展開に合わせた選手のポジショニングは流動的だ。中盤を支えるMF八反田康平(4年)は、パス回しと位置取りが巧みな攻守の要。MF谷口彰悟(2年)はユニバーシアードではDFで出場し、仕事場所は多彩。前線はタレントがそろう。FW赤崎秀平(同)は昨季の同リーグの得点王。瀬沼は184㌢の恵まれた体格を生かした高さと強さが群を抜く。曽我敬紀(3年)は、スピードがありサイドからのシュートが魅力だ。
 一方、守りも粘り強い。GK三浦雄也(4年)を軸に、古谷真悟(同)と車屋紳太郎(1年)の両センターバックが冷静な読みで淡々と相手を抑え込む。最終ラインからの攻撃の組み立てもうまくこなす。
 関東大学リーグ14度、全日本大学選手権8度の優勝を誇る名門も、ここ数年はタイトルを手にしていない。だが、風間体制のもと昨季は同リーグ2位に食い込むなど名門復活の兆しがのぞく。4年ぶりの天皇杯で見据える先は「J」との真剣勝負。進化を続けるパスサッカーがどこまで通用するのか注目だ。
(茨城新聞)

栃木県/ 栃木ウーヴァFC

  「第16回栃木トヨタカップ栃木県サッカー選手権大会」決勝で、2年連続の対戦となった関東リーグ1部の「ヴェルフェたかはら那須」を延長戦の末1-0で下し、 2年連続4度目の優勝を飾った。不用意なパスミスからカウンターを招く展開で格下のヴェルフェに何度も決定機をつくられた。堅守からチャンスを見いだす普段のリーグ戦 とは逆の展開で「攻め慣れていない」弱点を露呈する形となった。
  1947年に日立栃木サッカー部として創部。09年の全国地域リーグ決勝大会で準優勝しJFL昇格を決め、完全クラブチーム化した。 「ウーヴァ」はホーム・栃木市大平地区の特産品ぶどうをポルトガル語にした言葉。 プロ契約選手は1人もおらず、完全アマチームとして、選手は昼間各職場で働き、夜間に練習を重ねている。
 JFL初年度の昨季は、中盤から後半に大失速し、降格争いを続けた。J2の栃木SCを自由契約になった選手らを補強したが、生え抜きの選手との間で結束力が生まれず、 戦術への意思統一やプレーの連動性など、チームの和がなかったことは選手も認めるところ。2年目の今季は大型補強はないが、昨季の反省を生かしてチームの一体感が大きく改善した。 8月30日現在、リーグ戦は8勝3分け7敗。勝ち点は既に昨季通年の31に迫る27。順位こそ10位だが、4位まで勝ち点4差と上位も狙える位置にいる。 基本的な戦術は堅く守ってカウンターなどで少ないチャンスをいかす。しぶとい守備が生命線。今季は主将の前田和也(まえだ・かずや)ら4人のDF陣が安定、さらに水戸から移籍したGK原田欽庸(はらだ・よしのぶ)がチームを救っている。 大量失点を重ねた昨季と比べ、失点は大きく減り、8勝のうち7勝、7敗のうち6敗が1点差と常に接戦にもちこめている。
 得点力不足が懸念された攻撃面は、188センチの長身、32歳のベテランFW若林学(わかばやし・まなぶ)が活躍。現在リーグ6試合連続ゴール中で、昨季通年の7得点を上回る9点を稼いで得点ランキング単独3位。 ヴェルフェ戦でも延長前半に決勝のヘッドで公式戦7戦連続弾を決めた。試合を組み立てるのはボランチ浜岡和久(はまおか・かずひさ)。キープ力、パスセンス、FKなどで存在感を発揮、浜岡中心のチームになりつつある。 若林にボールを入れ、頭で落としたりポストプレーなどから好機をつくる。右サイドの高安亮介(たかやす・りょうすけ)はスピードにのったドリブルからのクロスが武器。
 昨年の天皇杯は2回戦でのJ1・浦和戦を想定していたが、初戦の東京国際大にまさかの敗北。屈辱を味わった。今回も2回戦で柏が控えるが、Jと戦いたい気持ちは胸にしまい、まず柏U-18戦に全力を尽くすことが誓いとなっている。
(下野新聞)

群馬県/ アルテ高崎

 第16回群馬県協会長杯では、県3部リーグ所属ながら準決勝で関東1部のtonan前橋を破って勢いに乗るザスパ草津U-23を6-0で退け、4年連続10度目の出場を手にした。2000年に群馬FCホリコシとして発足。04年にJFL昇格を果たし、同年の天皇杯4回戦でJ1柏を下す快挙を達成した。06年から本拠地・高崎市の名称を入れたアルテ高崎に名称変更。昨年は7勝8分け19敗(勝ち点29)の17位に終わり、三洋電機洲本(兵庫)との入れ替え戦でJFL残留を決める苦しいシーズンとなった。就任3年目を迎え、今季を指導の集大成としたい後藤義一監督だが、ここまで2勝6分け10敗(勝ち点12)の16位となかなか結果を残せずにいる。
 運動量豊富な石沢やキックの得意な山藤ら、MF陣からの細かいパスワークで攻撃のリズムをつくる。FW陣はスピードと得点感覚を合わせ持つ松尾を軸に、身長190㌢と高さのある土井、ゴール前でのテクニックが光る伊藤らタイプの違う選手がそろう。今季は敵陣内まで攻め込みながら、フィニッシュでのミスや判断の甘さから得点を奪えないケースが目立っており、決定力不足が大きな課題になっている。
 守備では、冷静な状況判断が光る主将のDF増田が、空中戦に強いDF小林亮とともに最終ラインを統率する。GK岩舘は昨年29試合出場と経験を積み、今季は本来の持ち味でもある状況判断がさえ、安定感も増してきた。
 昨年の天皇杯は2回戦で2年連続でJ1鹿島と対戦。0-1と善戦した一昨年から一変して、0-6の大敗に終わった。今年は初戦を突破すればJ1川崎との対戦が控える。後藤監督は「昨年は鹿島とガチンコ勝負を仕掛けたが、個々の能力の差が大きかった。それでも選手たちにはいい勉強になったはず。今年は別のチームと対戦できるチャンスをもらった。初戦突破に全力を注いで、今度こそJ1のホームで自分たちの試合をしたい」と意気込んだ。
(上毛新聞)

埼玉県/平成国際大学

 創部11年目で就任5年目の西川誠太監督の下、天皇杯初出場を決めた。
 1回戦、準々決勝を勝ち進むと、準決勝では、昨年の決勝で完敗した東京国際大と対戦。前半1分に幸先良く先制すると、後半にも効果的に加点し、3-0で圧倒。決勝ではこの10年間で優勝3回と、県大学サッカーをけん引してきた尚美学園大を前半終了間際の2点で決着を付けた。
 42分に堀越、義村とつなぎ小野が先制点を奪うと、ロスタイムにも平野がペナルティーエリアで倒されて得たPKを、義村が落ち着いて決めて完全に主導権を握った。後半9分に尚美学園大に1点を返されたが、守りに入るどころか攻撃の選手を投入。最後まで攻めの姿勢を貫き通し、悲願を達成した。
 4試合で16得点と攻撃には爆発力があり、志向する"パスサッカー"は見応え十分だ。
 堀越、平野、小野、義村の前線はスピードとテクニックを兼ね備え、相手にとっては脅威だ。流動的に動き回ることで、できたスペースにボランチやサイドバックも機を見て、果敢に攻め上がる。そこにプレイスキッカーも務めるボランチ荻原を中心に、正確なパスが配球されることで、次々とチャンスが生まれる。
 決勝では途中出場だったボランチ砂川が4得点で得点王に輝いたことが、ぶ厚い攻撃ができている証だろう。決定力のある柏俣、高屋のFW陣もベンチで出番を待ち、選手層は厚い。
 DFラインは180センチの主将酒井、182センチの須藤の両センターバックを中心に1試合平均0・5失点と安定している。GK小池は177センチとさほど上背えはないものの、反応が良く、尚美学園大の猛攻を1点にしのいだ。
 西川監督は「ここでの優勝を目指していたわけではない。このチームならもっとやれるし、成長できる可能性を秘めている。天皇杯では、強い相手と戦えることが楽しみで仕方ないし、選手たちにとって大きな経験になる」と本番への抱負を語った。
(埼玉新聞)

千葉県/柏レイソルU-18

 第16回千葉県サッカー選手権大会決勝で千葉県社会人サッカーリーグ所属の浦安ジュニアSCを2―0で下し、6年ぶり2度目の優勝を果たした。
 J1柏レイソルの下部組織。近年、毎年のようにトップチームに選手が昇格しており、大谷秀和主将やU―22(22歳以下)日本代表の酒井宏樹らは出身選手。現在のチームは、高校2年生が中心メンバー。今季から参入したプリンスリーグ関東2部リーグBで7試合を終えて全勝で8チーム中1位。7月に行われた日本クラブユース選手権(U―18)では3位だった。DF山中亮輔はU―18日本代表で、第2種登録(アマチュア)でトップチームに登録されている。2年生のGK中村航輔、DF秋野央樹はU―17ワールドカップ日本代表のメンバー。MF中川寛斗もU―17日本代表。
 基本布陣は4・3・3。「ボールを失わなければ失点しないし、負けない」(下平隆宏監督)とボール保持率70パーセントを目標に掲げ、後方から丁寧にパスをリズムよくつないでいく。それだけにGK中村も長いボールを蹴り込むのではなく、短いパスをDFに出す。守備ラインを統率するセンターバックの秋野は日本代表では中盤も務めており、パス力もある。左サイドバックの山中は積極的に攻撃に参加し、FKも強烈。中盤はアンカーに小林祐介が入りゲームメーク、中川は身長158センチと小柄ながら豊富な運動量でスペースを生み出す。FW平久将土は日本クラブユース選手権の得点王。平久とMF木村裕は千葉県サッカー選手権の準決勝、決勝でゴールを挙げた。
 浦安ジュニアSCとの決勝は社会人が相手だった。パワープレーでは及ばなくても、序盤からボールを保持し主導権を握った。下平監督は「苦しい時間帯もあったが、スタイルを貫くことができた」と振り返った。
 天皇杯出場は、現在トップチームにいるGK桐畑和繁が所属した2005年以来。栃木ウーヴァとの1回戦を突破すれば、2回戦ではトップチームと対戦する。その実現に向け、選手たちのモチベーションはかなり高い。ゲームキャプテンを務める秋野は「公式戦でトップとユースが対戦するのは聞いたことがない。自分たちがどれくらいの力があるか試したい」と意気込んでいる。
(千葉日報)

東京都/ 町田ゼルビア

 東京都サッカートーナメント初優勝を果たし、昨年のJFLシード枠での出場に続き、2年連続2回目の天皇杯出場となる。 クラブは1989年に創設。町田市はもともとサッカーの盛んな街で、これまでに約40人のJリーガーを輩出している。愛称の「ゼルビア」は、町田市の木であるケヤキの英語名ZELKOVA(ゼルコヴァ)と町田市の花であるSALVIA(サルビア)を合せて作った造語で、マスコットの「ゼルビー」は、町田市の鳥であるカワセミがモチーフ。市民、行政、チームが一体となり、サッカーを通じた町田市の全国発信を目標に掲げ、試合や練習の合間を縫っての小学校や高齢者養護施設の訪問、街の清掃活動への参加、サッカー教室などの開催など、選手たちは積極的な社会貢献活動をしている。
 今シーズンから、選手時代にSKシュトゥルム・グラーツ(オーストリア)でUEFAチャンピオンズリーグに出場し、引退後の指導経験も豊富な、元J2大分監督のランコ・ポポヴィッチ氏を監督に招聘。昨シーズンにJFLでチーム最高の16得点を挙げ、ベストイレブンにも輝いたFW勝又慶典選手、積極的な攻撃参加が持ち味のDF津田和樹選手、今季新加入でヨーロッパでのプレー経験もあるFWドラガン・ディミッチ選手らを中心に、チームはJリーグ昇格を目指している。
 天皇杯出場をかけ、専修大学と対戦した東京都サッカートーナメント決勝では、延長でも決着がつかずPK戦の末に5-4で勝利。試合中は専修大学に何度もゴールを脅かされるも、GK修行智仁の好セーブなどで最少失点に抑え、PK戦に持ち込んだ。 修行は延長後半に相手選手との接触で顔面を強打。町田は既に交代枠を使い果たしており、修行は脳しんとうで足元がおぼつかないながらもそのままゴールを守り続け、PK戦では専修大学1人目のシュートを左に跳んで阻止し、チームを勝利に導いた。この気迫あふれるプレーに「修行がチームを救ってくれた。彼の怪我の具合が心配だが・・・」とポポヴィッチ監督。試合内容については、「大部分で町田が流れを掴んでいたし、選手は全力を出し切ることができていた」と想定されていた試合運びであったことを強調。天皇杯については「東京都代表として、次の試合に向けて最前の準備をする。どんな相手でも気を抜けない。内容で相手を上回り、勝つことにこだわっていきたい」と抱負を話した。 前回の天皇杯では、J2の東京ヴェルディを2回戦で破っている。主将の津田選手は「まずは一勝を目指し、ヴァンフォーレ甲府と対戦してみたい」と、決意を新たにしていた。
(東京新聞)   

神奈川県/ Y.S.C.C

 横浜市で活動する特定非営利活動法人の総合型スポーツクラブ。1986年に、スポーツを通じた地域文化の発展を目指して創設された。サッカーを中心に、バスケットボール、テニスなど多用なスポーツを展開する。
 社会人のトップチームは関東社会人1部を2連覇中。3連覇を目指す今季も首位を走っており、アマチュアの最高峰・日本フットボールリーグ(JFL)参入を目標に置く。過去2年は、年末の全国地域リーグ決勝大会で決勝ラウンドまで進みながらJFL昇格を逃しており、吉野次郎理事長は「2度手が届きかけての3年目。4年目はないという気持ち」と、今季に懸ける思いは強い。
 全員が仕事をもつアマチュア選手で、中学校のグラウンドなどで夜間に練習を行っている。今季は東日本大震災の影響で練習場所を確保できず、公園で街灯のわずかな明かりを頼りにボール回しをするほかは、ランニングばかりの調整を強いられてきた。調整不足もたたってか、県予選初戦では産能大相手にPK戦までもつれるなど苦戦が続いたが、一戦ごとに内容が良化。決勝は東海大に6―1で完勝を収めた。
 今季は、ジュニアユース出身で元JリーガーのDF鈴木が監督を兼任。ベテラン選手がチームを去り、選手層は昨年からやや落ちたが、中盤の質の高さは相変わらずで、最終ラインから丁寧にボールをつなぐスタイルを貫く。エースは、法大卒のFW辻。スピードがあって得点能力も高く、県予選の決勝では後半だけでハットトリックを決めた。国見高―法大卒の右DF渡辺は、兄2人が現役Jリーガー。アルテ高崎から新加入のMF吉田にとっては、1回戦が古巣戦になる。
  天皇杯本大会出場は2年連続4回目。過去3度の出場はいずれも初戦で敗退しており、鈴木監督は「JFLに向けて成長できる大会にしたいが、まずは初戦に勝つこと」と一戦必勝を強調する。もくろみ通りに大会初勝利を挙げれば、その先にはJリーグ1部・川崎フロンターレとの「神奈川ダービーマッチ」が待っている。
(神奈川新聞)

山梨県/ 山梨学院大学附属高校

  大会史上初の高校対決となった決勝戦を制したのは、全国高校選手権で優勝経験のある山梨学院高だ。
決勝で7年ぶり2度目の県代表を目指す帝京三高と対戦した。大舞台に畏縮した選手たちが持ち味を発揮できなかった前半、相手の細かいパス回しにサイドから揺さぶられた。決定的なピンチも少なくなかった。「技術のある集団ではない。勇気を持ってミスを恐れずにチャレンジしよう」。ハーフタイムには、吉永一明監督からこんなげきが飛んだ。後半21分の選手交代から、攻撃的なカードが切られた。立て続けにスピードのある選手が投入され、サイドから押し込み始めた。後半36分だった。8分前に投入されたばかりの加藤誠二が先制ゴール。50㍍5秒8の俊足を生かしたプレーで鮮やかにネットを揺らしてみせれば、後半ロスタイムには途中出場・早瀬庄馬のヘッドでだめ押し。GK山田修平のロングキックに、相手GKと競り合いながらゴールへ流し込んだ。2―0。全国高校選手権県予選の前哨戦を快勝劇で飾った。
 今季の山梨学院高は、県新人大会決勝で6得点のゴールラッシュで幕を開けた。U―18(18歳以下)日本代表候補でJ1清水入りが決まった白崎凌兵主将を中心に、縦横無尽に多彩な攻撃を仕掛けていく。GKにはU―18日本代表の山田修を配し、昨年からチームを支えてきた荒木克仁がボランチに入る。県高校総体は決勝で帝京三高に逆転負けしたが、インターハイ県予選は決勝で帝京三高にリベンジ。延長戦の末に、2―1で競り勝った。
 しかし、現在は白崎主将と荒木を故障で欠くチーム状態。レギュラー組のCB藤原光晴副主将が体を張った粘り強い守りでチームを引っ張り、MF萱沼優聖が豊富な運動量で攻守に存在感を示す。そこに、10月に迫った全国高校選手権県予選へ向けて生き残りをかけた3年生の意地が加わり、チーム力の底上げをもたらしている。
 「相手は格上。倒れるまで思いっ切りやりたい」と藤原副主将。1回戦の翌日にはプリンスリーグ関東2部の試合を控えるだけに、頭を悩ませている吉永監督も「連戦で厳しい状況だが、1点は取りたい」と気合の一言。
JFLの強豪を相手に、一泡吹かせられるか―。無得点試合の少ない山梨学院高の自慢の攻撃陣が、ひたすらゴールを目指す。
(山梨日日新聞)

長野県/ 松本山雅フットボールクラブ

 4年連続6度目の出場。2008年はJ2湘南に勝ち、長野県代表として初の4回戦進出を果たした。
 09年は2回戦でJ1浦和を2―0で破る大金星を挙げ、昨年は2回戦でJ2甲府に0―1で惜敗。ここ数年はJリーグチームに引けを取らない成績を残している。
 09年に北信越リーグ1部からJFLに昇格を果たした。参戦1年目の昨季は7位。J2昇格を実現させるシーズンとして位置付けた今季は、オフの間にJリーグ経験者7人を含む8選手を補強。横浜Mを戦力外になっていた元日本代表DFの松田直樹(故人)を獲得し、話題を集めた。かつてJ1の横浜Mや大分で活躍した木島良輔、09年JFL得点王の塩沢勝吾らを補強し、課題の一つだった得点力不足を補うことにも努めた。現在は登録26選手のうちJリーグ経験者が17人を占める。
 だがチームは今季も勝ちきれない試合が続き、一時は16位に低迷。リーグ戦8試合を終えたところで監督交代という荒療治を敢行し、ゼネラルマネジャーだった加藤善之氏を監督に起用した。監督交代から7試合連続負けなしで順位を上げ、現在はJ2昇格に不可欠な「4位以上」を目指している。
 戦力では攻撃陣の充実が目立つ。木島良輔の実弟の木島徹也は今季JFLで11得点し、得点ランキング2位(8月30日現在)につける。8月にJ2栃木から移籍した船山貴之、片山真人らJFL屈指のタレントがそろう。  守備陣では、187㌢の飯田真輝、J2で通算263試合に出場している飯尾和也がセンターバックに入る。ボランチは弦巻健人、須藤右介、北村隆二の元Jリーガー3人を使い分ける。スピードのある鉄戸裕史、李鍾民の両サイドバックも積極的に攻撃参加する。基本布陣は4―4―2だが、対戦相手や状況に応じて4―5―1、4―3―1―2の陣形をとることもある。
 クラブは1965年、松本駅前の喫茶店「山雅」の常連客だった地元の高校OBらを中心に結成。アマチュアチームとして活動する期間が長かったが、地域の若手経営者らが将来のJリーグ加盟を目標に運営組織を立ち上げ、05年から本格的な強化に着手した。Jリーグチーム誕生への地域の期待は年を追うごとに高まり、サポーターの数も着実に増加。今季からJFLに参戦したAC長野パルセイロと対戦する「信州ダービー」は長野県民が注目する一戦として定着し、4月に松本市アルウィンで行われたダービーには11663人の観客が集まった。
(信濃毎日新聞)

新潟県/ JAPANサッカーカレッジ

 サッカー専門学校の生徒を中心とした、平均年齢20歳の若いチーム。2009年に就任した辛島啓珠監督が率いて、天皇杯県予選を3連覇した。北信越リーグを制し、JFL参入を目指している。経験値の少なさを走力でカバーする。
 中央からでもサイドからでも攻め込める変幻自在の攻撃が特長。攻撃の要は右サイドハーフの10番池川修平。判断力に優れたドリブラーで、1対1の場面で仕掛けることができる。パスワークにさえ、足元の技術が確かなオールラウンド型プレイヤー。井上寛太と今井隆浩のダブルボランチが攻撃の組み立てを支える。井上はU―16、17の日本代表に選出されたことがあり、今井もインターハイなどの経験を積んでいる。豊富な運動量で前線に顔を出し、バランスよく守備にも加わる。
 左サイドハーフは高瀬証か佐藤雄亮を使い分ける。高瀬は爆発力があり、動き出しのスピード、反応が抜群。シュートセンスも良い。佐藤はセンターバックとGK以外でプレー可能な器用な選手。ドリブルからのパスも、クロスの精度もある。右サイドは池川のほかに、速さのある前野良平も出番をうかがう。
 武士俣雄己と植田雅之が2トップを張る。昨年は北信越リーグなどでも出場機会の少なかった武士俣だが、得点への貪欲な姿勢が評価され、今季は試合を重ねながら着実に得点力を上げている。献身的な選手。植田はゴールへの嗅覚に優れており、リーグ戦でも得点を量産している。控えにはアルベス・タケオ。テクニックがあり、攻撃センスが光るポストプレーヤー。
 守備陣は右サイドバックに主将の松井直。左サイドバックには寺田卓哉、センターバックには市川祐樹と谷幸樹が予想される。攻撃的な意識の強い、アグレッシブな守備が特長で、引いて守ることより前に出ていくことのほうが多い。ゴールマウスは安藤和希が守る。努力家で、常に意識を高く保ってプレーする。
 県予選決勝では、3連覇へのプレッシャーから緊張し先制を許したが、流れを引き寄せてからは波状攻撃を仕掛け、4-1で快勝した。
(新潟日報)

富山県/ 富山新庄クラブ

 8月28日に行われた第16回富山県サッカー選手権大会決勝でヴァリエンテ富山を下し、2年連続2度目の天皇杯初出場を決めた。
 今季は北信越2部リーグ昇格1年目ながら、14試合12勝1分け1敗の成績で優勝。46得点12失点といずれもリーグトップの数字を残し、一気に念願の1部へ駆け上がった。昨年の県選手権決勝でPK戦の末に退けたヴァリエンテに、今年の決勝では2-0で完勝。ライバルに力の差を見せつけた。
 チームは昭和43年、富山市新庄地域出身者が母体となって設立。J2・カターレ富山前身のYKK AP、アローズ北陸出身者が多く、近年もカターレの選手を加えて強化を図ってきた。今季もカターレからMF野嶋、MF中田の2人の補強に成功。選手層はさらに厚みを増した。現在は約30人が在籍しており、週2回、地元の新庄小学校で練習している。
 システムは4-4-2。ショートパスを丁寧につなぎながら崩しどころを探るスタイルは今季も変わらない。「今季のチームMVP」(堀勝弘監督)と言われるGK青木はゴール前で抜群の安定感を発揮。新加入のDF金森とDF川野のセンターバックコンビは空中戦が得意で人にも強い。中盤の軸はMF景山と新加入の野嶋の元カターレボランチコンビ。技術の高い2人からの配球で、左利きのMF前田、縦へのスピードとドリブルが持ち味のMF菊池がサイドから攻撃を仕掛ける。新加入の中田も得意の左足とドリブルで攻撃にアクセントを加えられる貴重な存在。前戦の2トップは、巧みなポストプレーとボールキープで起点となるFW石黒と、高い決定力を誇るFW金丸のコンビ。今季の北信越2部リーグでも金丸(15得点)と石黒(13得点)で得点ランキングの1、2位を占めた。金丸は県選手権決勝でも2得点を挙げており勝負強い。
 ただ、懸念されるのは主力選手の年齢の高さ。レギュラークラスの大半が20代後半から30代に差し掛かり、スタミナ面の不安はぬぐえない。県選手権決勝でも後半に運動量が落ち始めると押し込まれる時間帯が続いた。天皇杯初戦で当たるJAPANサッカーカレッジは若手で構成されるチームで、運動量の差が懸念される。堀監督は「若いチーム相手に苦しい戦いが予想されるが、うちの選手には経験がある。コンディションを整えて試合に臨みたい」と話している。
(北日本新聞)

石川県/ ツエーゲン金沢

 「石川からJリーグへ、石川から世界へ」をスローガンに産声を上げて6年目。発展途上にあるチームはJFLに昇格して2シーズン目の今季、後期第8戦(8月24日)を終えて、勝ち点31(9勝4分け5敗)で4位の健闘を見せ、J2昇格へ石川県内ファンの期待を高めている。
天皇杯全日本選手権の石川県大会決勝では、金沢星稜大を3―1で破り、5年連続の天皇杯出場を決めた。
 完封勝ちを逃し、上野展裕監督、主将のDF諸江健太をはじめ選手たちに反省の弁が多かったが、サイドから攻め上がり、相手守備を崩して奪った得点には納得の顔を見せた。
 前半にMF井上渉が鮮やかなボレーシュートで先制。後半に諸江が上げたボールをFW古部健太が頭で落とし、FW菅野哲也が頭で合わせて2点目、この後、MF平林輝良寛が落ち着いて3点目を蹴り込んだ。
 井上と平林は今季新加入の選手。平林は8月24日のJFL戦でブラウブリッツ秋田を相手に全得点に絡む活躍を見せるなどチームを引っ張っている。先制ゴールを決めた後、MF曽我部慶太の2点目を演出、さらに絶妙のアシストでDF斉藤雄大のゴールを導いた。
 昨季加入した元全日本代表のFW久保竜彦がけがでピッチに立てない日が続いているが、平林をはじめ、ニュージーランド代表で攻撃的な守備に定評を持つDFマイケル・ジェームズ、堅守を見せるGK大橋基史ら好選手が揃い、上野監督の思い描くチームになってきている。
 天皇杯では、初挑戦の2007年にロッソ熊本、FC刈谷のJFL勢を連破して3回戦でJ2の水戸ホーリーホックに善戦、翌年もSAGAWA・SHIAGA、カターレ富山のJFL勢を連破して3回戦でJ2のFC岐阜に善戦した。
 一昨年は2回戦でJ2のベガルタ仙台に延長戦の末に0―1で惜敗、昨年は2回戦でJ1のアルビレックス新潟に奮闘及ばず0―3で完封負けした。
 今季の天皇杯目標は1回戦を突破し、2回戦でJ1のサンフレッチェ広島と対戦すること。「初戦をしっかり戦い、広島にぶつかりたい」と上野監督。金星へツエーゲン金沢が燃えている。
(北國新聞)

福井県/ 丸岡フェニックス

 福井県で「サッカーの町」として定着している坂井市丸岡町をホームとする社会人チーム。現在は地域リーグの北信越リーグ2部に所属する。全国高校選手権でベスト4の実績がある地元の強豪校・丸岡高の卒業生を主体に、選手はサッカーを楽しみながら個々の技術向上を目指している。
 1979年に丸岡クラブとして設立され、県リーグ2部からキャリアをスタート。同1部に昇格後、92年に福井フェニックスと合併し現チーム名となった。2006年に北信越リーグ2部に昇格。県リーグ降格の危機を乗り越えて今季で在籍6季目を迎え、既に来季の残留も確定させた。
 天皇杯県代表の座を懸けた県選手権決勝(8月28日)は、格上の北信越リーグ1部に所属するサウルコス福井を2―1で破り、4年ぶり2度目の出場権をつかんだ。
 攻守の中心を担ったのが元Jリーガーの両ボランチ、木村(元川崎F、山形)と鈴木(元山形)。ともに丸岡高から駒沢大を経てプロ入り後、今季から加入した。チームでの存在感は抜群に大きく、決勝でも中盤できっちりボールをキープし、前半からペースを引き寄せる原動力となった。
 東平と橋本の2トップが得点源。決勝はともに前線でスピーディーに動き、相手守備をかき回した。先制点は東平。日本フットボールリーグ(JFL)のSAGAWA・SHIGAから昨季移籍したストライカーは、鈴木からの左クロスにどんぴしゃのタイミングで飛び込み、打点の高いヘディングで美しいゴールを決めた。
 長身の大道、宇城の両センターバックら最終ラインは最後まで集中力を保ち、ガッツあふれる主将のGK大柳も好セーブを見せて1失点でしのいだ。仕事や家庭を持つ社会人のチームの宿命で、北信越リーグの公式戦はメンバー不足に悩まされることもあったが、ベストの布陣がそろえば力はあることを大一番で証明した。
 天皇杯初戦はアウェーで松本山雅(長野)と対戦。先日死去した元日本代表の松田直樹さんが在籍していたJFLの強敵だが、選手に気負いはない。花岡監督のモットー「楽しく厳しく」の精神で思い切りぶつかる。
(福井新聞)

静岡県/ 静岡産業大学

 スルガ杯争奪県サッカー選手権大会優勝の静岡産大が、県内最多35度の出場を誇るJFLのHonda FCを3-1で撃破し、8年ぶり3度目の天皇杯出場を決めた。
県代表決定戦では、終始ボールを支配される展開。それでも組織的な守備から鋭いカウンターで〝格上〟から3得点を奪った。「全員でボールを奪い、全員でゴールを目指す」。チームコンセプト通りに、攻守両面で数的優位を作り続けた。「一瞬の隙を突く集中力と、我慢強さが光った」と思惑通りの結果に成嶋徹監督は何度もうなずいた。
 静岡学園高やジュビロ磐田ユースなど県内屈指の強豪チームをはじめ、関東地方からも才能豊かな選手が集う。豊富な運動量でピッチを駆け回るFW片山と、卓越した個人技が光るMF長崎が攻撃をけん引する。河本、大石祥の両CBが守備陣を統率し、GK浅野が気迫あふれるプレーで最後尾から鼓舞し続ける。中盤で安定したプレーを見せる矢部、蔭平の4年生が攻守の切り替え役を担い、指揮官が掲げる攻守一体のサッカーを体現する。
 2007年の総理大臣杯準優勝、09年には全日本大学サッカー選手権4強と、近年は全国舞台で結果を残してきた。だが、今季は総理大臣杯の予選を兼ねた東海大学サッカー選手権で2回戦敗退。敗戦を機に改めて戦術の浸透を図り、「天皇杯こそは」と力を蓄えてきた。
 天皇杯が特別な理由がもう一つある。過去に出場した1998年、2003年は、Honda FCがJFLで天皇杯シード権を獲得した年。Honda FCが県代表決定戦に出場した年は、常に出場を逃してきた。それだけに、大きな壁を乗り越えて本大会切符を手にした選手やスタッフは「静岡産大の新たな歴史を築けた」と喜びを表現した。
 天皇杯に初出場した第78回大会は関学大に1回戦敗退。第83回大会は2回戦でJ2コンサドーレ札幌に敗れた。今大会は4日の1回戦で、岐阜県代表で東海社会人リーグ1部の岐阜SECONDと顔を合わせる。2回戦では同じ県勢のJI清水エスパルスとの対戦が待ち構える。「特別なことはしない。普段通り、今までの積み重ねを出し切るだけ」と指揮官。県大会でゲームキャプテンを務めた矢部は「静岡県で唯一の出場枠。一つ一つの試合を丁寧に戦いたい」と闘志を燃やす。サッカー王国の自覚を胸に静岡産大が3度目の天皇杯へ挑む。
(静岡新聞)

愛知県/ 中京大学

 愛知県サッカー選手権大会決勝でトヨタ蹴球団を3-1で破り、2年連続5回目の本大会出場を果たした。
 名古屋市港サッカー場で8月27日に行われた決勝戦。中京大学はFW藤牧祥吾選手の先制ゴールで前半を1-0で折り返した。後半も序盤から猛攻を仕掛けたが、固い守備を崩せない時間帯が続いた。トヨタ蹴球団は準決勝で強豪の愛知学院大に1-0で競り勝ち、初の決勝進出。チーム全体の雰囲気が良く、勢いがあった。劣勢を我慢しながら、一瞬のミスを逃さず、FW宮田知洋選手のゴールで同点に追いついた。「決めないといけない場面で決められず、苦しいゲームになった」と中京大学のMF佐藤和弘選手は振り返る。
 最後は夏の練習で連日、走り込んだ中京大学が上回った。相手の足が止まり始めた終盤、佐藤選手が藤牧選手からのパスを受け、勝ち越し弾を決めた。終了間際にはゴール前で倒されたFW南部健造選手が自らPKを決め、突き放した。MF熊沢圭祐主将は「決勝は2点目を奪うチャンスを生かせずに失点したのが反省点。でも、最後は前線の決めるべき選手が決め、後ろの選手もよく守った」とほっとした表情を浮かべた。
 昨年の天皇杯では地元の名古屋グランパスに0-3で敗れた。佐藤選手は「去年の試合は決める場面でシュートを外し、悔しい思いをした。今年こそ点をとり、リベンジしたい」と意気込む。熊沢主将も「去年はチャンスもあった。Jリーガーと戦うのが一番楽しい。もう一度グランパスに挑み、勝敗だけでなく、中京大のインパクトを残すゲームにしたい」と闘志をみなぎらせた。
 決勝戦ではベンチ入りした選手の3分の1が1年生だった。けがしている有力選手が回復すれば、競争が激化し、さらに層が厚くなる。西ケ谷隆之監督は「若いチームでまだまだ個人に力みがあるので、効果的なチームプレーを求めたい。これからフィジカル面でも技術的にも一から練習し直す。大会では驚くようなプレーを見せ、いい試合をしたい」と話している。
(中日新聞)

三重県/ FC鈴鹿ランポーレ

 三重県鈴鹿市に本拠を置く「FC鈴鹿ランポーレ」が、同市であった県サッカー選手権大会の決勝戦で四日市大に競り勝ち、初の天皇杯出場を決めた。
 決勝戦ではFW中村豪選手が前半に2得点と活躍。1点目はコーナーキックからのこぼれ球を左足で決め、2点目はゴール前でパスを受けて冷静に流し込んだ。「決定力が自分の持ち味。決勝の舞台に緊張したけれど、早い時間に点を決めてリラックスできた」と胸を張った。後半には以前痛めた左足付け根に違和感を訴えて途中交代したが「本選には全く影響ない。FWとして次も結果を残したい」と貪欲にゴールを狙い続ける。
 一方、守備面では課題も浮き彫りになった。2点リードで迎えた後半は足が止まり、四日市大に攻め込まれる場面が目立った。終了前に得点を与え、相手の反撃を乗り切るのに苦戦した。
 「気の緩みがあったのか、相手の粘り強い攻撃でピンチを招いてしまった。本選では少しの油断も許されない」と高木成太監督。チームをまとめる主将のDF大久保龍太選手も「リードした後に相手にペースを奪われたのはまずかったが、幸い結果を残すことができた。選手全員が最後までチームの勝利を考えて動き続けることが大切だ」と気を引き締める。
 FC鈴鹿ランポーレは1980(昭和55)年に発足した。2009年に初めて参戦した東海社会人リーグ2部で無敗優勝を果たし、翌10年に同リーグ1部で4位に食い込むなど近年成長が目覚ましい。「三重県から初のJリーグのチームを」をスローガンに、さらなる飛躍を誓っている。
 勢いそのままに臨む天皇杯では、持ち前の運動量と前線からの激しいプレスを武器に初勝利を目指している。初戦の相手は2年連続5回目の出場となる愛知県代表の中京大。天皇杯の経験では及ばないものの、大久保主将は「対戦する前から恐れる必要はない。相手を上回る運動量で、1試合ずつ着実に勝ちに行く」と意気込んでいる。高木監督も「天皇杯は勝ち進めばJリーグの強豪チームとも対戦できる。チャレンジャーらしく全力を尽くしたい」と話している。
(中日新聞)

岐阜県/ FC岐阜SECOND

 平成23年度第16回岐阜県サッカー選手権大会兼天皇杯岐阜県代表決定戦で、4年連続4度目の優勝を果たした。岐阜経済大との決勝では、前半から猛攻を仕掛け7―0で快勝。7得点はいずれも異なる選手によるもので、途中交代の選手も2得点を挙げるなどベンチワークもさえわたった。伊藤哲也監督は「今年一番の大勝。調子は上がってきている」と来る天皇杯への手応えを隠さない。
 チーム名からも分かるように、J2に所属するFC岐阜の下部チーム。しかし全選手がプロ契約ではなく、職業を持つアマチュア軍団。現在は東海社会人リーグ1部に所属し、2012(平成24)年に地元で開催される「ぎふ清流国体」で上位入賞するために、恵まれない環境にも負けずに戦い続けている。
 09年からチームを率いるのは、サンフレッチェ広島などで活躍し、選手、コーチとしてFC岐阜のJ2加入に大きな役割を担った伊藤哲也監督。FC岐阜の元監督でもある勝野正之コーチや、同チームの元レギュラー選手でもある松下孝之コーチら草創期のFC岐阜を支えた面子が脇を固める。
 選手たちもタレント揃い。ルーキーながら先述の県選手権決勝でも1ゴール、2アシストと大活躍したFW細野元伸の決定力は、チーム躍進の鍵。同じくルーキーながら今季左サイドハーフの主軸を担うMF瀬古朋広にも期待が懸かる。主将の松江克樹は「今年は才能豊かな選手たちがたくさん入団して、チーム内の競争が厳しくなった」と若手がチームにもたらした効果を実感する。
 若手だけではない。182センチの長身FWで主将の松江やMF中村豪といったJ2のチームやJFLのチームで活躍した選手が多く在籍。ベテランの経験と若手の勢いが融合し、チームは力強さを増してきている。
 しかし過去4連敗という天皇杯の結果だけ見れば「納得できるものではない」と古株のMF松井義隆はきっぱり。昨年も、東海社会人リーグ2部で優勝するなど実りの多きシーズンを過ごしたが、天皇杯では1回戦敗退。「何としても2回戦に進出し、清水エスパルスの胸を借りて戦いたい。今年はそれが出来るような予感がある」と松井は力を込める。1回戦はホームでの静岡産大戦。〝兄貴分〟であるFC岐阜とともに、ビッグウェーブを起こす準備は整った。
(岐阜新聞)

滋賀県/ SAGAWA SHIGA FC

 滋賀県選手権決勝で、同じJFLのMIOびわこ草津との「滋賀ダービー」を1―0で制し、5年連続5度目の天皇杯出場を決めた。
 JFLで2度の優勝経験を誇る企業チームで、アマチュア屈指の強豪だ。ともにJFLで実績を残していた「佐川急便東京SC」と「佐川急便大阪SC」が2007年に合併し、守山市に拠点を移して誕生した。
 チームカラーは、琵琶湖を連想させる鮮やかなブルー。佐川急便の「飛脚の精神」に込められた力強さも表している。地元の子供たち向けにサッカー教室を催すなど、地域に密着した活動を目指している。
 今季のJFLは、東日本大震災の影響で、被災したソニー仙台FCが活動を一時休止して前期に参加できず、開幕も大幅に延期した。チームは、MF山根主将の「サッカーのできる感謝の気持ちをプレーに込めたい」との言葉通り、粘り強く勝ち星を積み上げてきた。7月の後期開幕から6連勝を重ねて首位をキープし、2年ぶりの優勝へ向けて勢いを加速させている。好調の要因の一つは、中口雅史監督が目指す「全員守備、全員攻撃」のスタイルが根付いてきたことだ。MF山根主将ら長年チームを支えてきたベテランを中心に、攻守ともに連係が深まっている。
 攻撃の起点になるのは、2度のJFL得点王を誇るFW御給。187センチの長身を生かし、1トップの位置で献身的にポストプレーをこなす。中盤のMF中村、MF大沢らが両サイドのスペースへ果敢に飛び出し、戦術眼に長けたMF山根主将が正確なパスでゲームメーク。選手が次々とボールに絡んでいくサッカーで、相手守備を切り崩す。守備は、前線から連動したプレスを仕掛ける。的確な指示が光るセンターバック冨山らのDFラインも堅い。
 天皇杯には07年から毎年出場を続けており、最高成績は4回戦進出。昨年は2回戦でJ2水戸に2点リードの状況から逆転負けしており、「打倒Jリーグ勢」の目標をまだ果たせていない。今年は阪南大(大阪府代表)との1回戦を突破すれば、2回戦でJ1のG大阪とぶつかる。MF中村は「一度はJリーグチームを倒したい。そのためにも一戦一戦に集中し、勝ち続けていきたい」と力を込める。
 (京都新聞)

京都府/ 佐川印刷SC

 4年連続同一カードとなった京都選手権決勝で、同大に3-0で快勝し、5年連続8度目の天皇杯出場を決めた。
 1986年に創部。京都府4部リーグからスタートし、98年の1部昇格決定を機にチーム強化が始まった。2002年に関西リーグを制し、JFL 昇格を果たした。選手全員が佐川印刷株式会社の社員で、仕事とサッカーの両立に励む。一方で地域貢献の観点から、中学1年生を対象にした「佐川印刷ジュニ アユースカカップ」を開催している。
 昨季のJFLでは、戦術家の中森監督の下、相手の弱点を徹底的に突くやり方が奏功し、過去最高の6位に入った。フェアプレー賞も受賞し、クラブとして一段ずつステップアップを遂げている。  今季はFW塩沢やMF櫛田ら主力選手が5人抜けたものの、若手中心に切り替え、ボールを保持し、自分たちからアクションを起こす戦い方を目指している。現在、JFLでは下位に低迷しているものの、新戦術は着実に選手たちに浸透している。
 基本システムは4-4-2。2トップは長身の中筋と突破力のある中島が軸だ。J2富山から今季加入したFW桜井はスピードと高さを備え、潜在能力はチーム屈指。昨季リーグ戦でチーム最多の11得点を挙げた平井主将が縦横無尽に動き、独特のリズムで得点に絡む。
 中盤はチーム最年長31歳の大槻と2年目の中野がアクセントになり、攻撃を組み立てる。ボランチの吉木は高い戦術眼を持ち、全体のバランスを取 る。DF陣は身体能力に優れる及川や空中戦に強い石垣など多彩な顔ぶれで、相手FWのタイプに応じてメンバーを入れ替えることもある。GK大石は熱いコー チングで最後方からチームを鼓舞する。
 天皇杯では、3年連続でJリーグ勢の壁にはね返されている。昨年は2回戦で、J2京都サンガFCとの「京都対決」が実現し、延長戦の死闘を繰り 広げたが、2-3で惜しくも敗れた。今年も1回戦を突破すればサンガとの対戦となる。平井主将は「自分たちのサッカーで1回戦を勝ち抜き、今年こそサンガ を倒したい」と高いモチベーションをのぞかせる。
 中森監督は「トーナメントはリーグ戦と違うので、相手をしっかり分析し、現実的な戦い方で勝ちにこだわりたい」と力を込める。
(京都新聞)

大阪府/ 阪南大学

  1965年に創部。94年に1部昇格以降、関西での学生タイトル獲得13回、総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント優勝1回と躍進を続ける一方、Jリーグに30人の選手を輩出し、育成面でも実績を残す。今季は関西学生選手権に優勝。第16回大阪サッカー選手権大会決勝では、3-0で桃山学院大学を下し、3年ぶり11回目の天皇杯全日本サッカー選手権大会の出場権を獲得した。攻撃陣には来季のJクラブ入りが濃厚な主将のMF井上翔太、2011年の全日本大学選抜で、6月に同選抜が出場し準優勝したアンジェロ・ドッセーナ国際ユース大会(イタリア)で2得点と活躍し、大会MIPに選出されたFW泉澤仁、大阪サッカー選手権決勝でも再三右サイドを突破し、1得点を挙げたMF村山拓哉やボランチもこなす谷本泰基、FWの中村雄大、奥野将平らタレントがそろう。大阪選手権決勝では10年全日本大学選抜の岩本知幸、先制点を挙げた永井鷹也の両センターバックを中心に守備陣も安定感を見せ、1得点を挙げた右サイドバックの飯尾竜太朗の攻撃参加も光った。天皇杯では1回戦でJFLの強豪SAGAWA SHIGAと対戦するが、「なんとか勝ってガンバ大阪とやりたいですね」と須佐徹太郎監督。「Revolution,On!(変革し続ける)」を合言葉に、「仕掛けて崩して、そして勝つ」というアクションサッカーを標榜する阪南大が、「絶対に大阪の代表として緒戦に勝って、G大阪にも勝って、どんどんどんどんやっていきたい」(村山)と、「仕掛けて崩して、ジャイアントキリング」に挑む。
(フリーライター 尾崎ルミ)

兵庫県/ 三洋電機洲本

 第14回兵庫県サッカー選手権で社会人チームの三洋電機洲本が初優勝に輝き、兵庫県代表の座を獲得した。天皇杯への出場は、出場枠が都道府県単位になる前の1993年以来、18年ぶり2度目。今大会はヴィッセル神戸U―18との準決勝を0―0からのPK戦の末に制すると、関西学院大との決勝は3―2で競り勝ち、粘り強い戦いで頂点に立った。
 「昼の暑い時間帯に練習できる大学生と比べ、後半はどうしても体力面で不利になる。前半で勝負を決めたかった」とMF村上歩夢。その狙い通り、決勝は序盤からFW廣瀬一樹が猛烈なプレスを仕掛け、廣瀬と2トップを組むFW梅川毅士も体を張ってボールを収めた。前線の頑張りで流れをつかむと、前半14分、MF稲垣侑也が遠い位置から蹴ったフリーキック(FK)が誰にも触れずにそのままゴールネットを揺らして先制。同31分にはMF村上が左足で追加点を挙げた。運動量が落ちた後半はやはり関西学院大ペースとなったが、2-1と迫られた同12分にMF沈大紀が直接FKを決め、そのリードを守りきった。
 クラブは、淡路島の洲本市にある三洋電機洲本工場で1973年に創部。皆が寮で寝食をともにし、それぞれの性格やプレーの個性を理解しあえる所が特徴という。週初めの練習前には選手ミーティングを行い、課題や目標意識を共有させている。昨季は関西サッカーリーグで2年連続3度目の優勝を果たすと、JFL昇格を懸けた全国地域リーグ決勝大会で入れ替え戦にまで駒を進めたが、アルテ高崎(群馬)に敗れて涙をのんだ。迎えた今季はリーグ戦でやや苦戦している分、「今大会(天皇杯)へのモチベーションは高い」と選手たちは声をそろえる。
 2008年に就任した稲葉宗久監督は県選手権の決勝を最後に中国に転勤するため、天皇杯は酒池俊雄コーチが監督代行として指揮を執る。1回戦の相手は、同じリーグのライバルでもある社会人チームの奈良クラブ(奈良)。18年前の初出場時は1回戦で東北電力に敗れているだけに、天皇杯での勝利はクラブに新たな歴史を刻むことでもある。「泥くさいサッカーを忘れずに頑張ってほしい」と稲葉監督はエールを送る。勝てば、地元のJ1チーム、ヴィッセル神戸との対戦が待つ。MF成瀬敬志朗主将は「歴史ある大会に出られるのはうれしい。兵庫県代表としてしっかり戦い、2回戦でヴィッセル神戸と『ガチ』でやりたい」と胸を躍らせる。
(神戸新聞)

奈良県/ 奈良クラブ

 第16回奈良県サッカー選手権大会の決勝で奈良産大を圧倒し、決勝では最多得点となる7―2で大勝した。それでも今季から指揮を執る吉田悟監督の評価は「攻守のコンビネーションや厳しさなど、すべてに課題を残した。(後半に2失点し)こんな内容では本大会では勝ち進めない」と厳しい。
 奈良クラブは2016年のJリーグ参入を目標に掲げる社会人クラブチーム。2010年にはNPO法人となり、クラブの選手、コーチらが指導するジュニアチームを発足させ、選手育成にも乗り出した。
 全国優勝を果たした電動車いすサッカー部門「奈良クラブ VICTORY ROAD」や巡回サッカー教室など、地元に根ざした地域貢献活動にも意欲的に取り組んでいる。
 今季はJリーグ経験者ら7人が加入。これまでの躍進を支えてきた従来の主軸選手と新加入選手がかみ合い、関西社会人リーグ1部で首位を走っている。
 チームの得点源は、同リーグ得点ランキング首位のFW牧悠二を筆頭に檜山勇人、アシスト能力も高い辻村隆史ら。中盤はコーチも兼任するMF矢部次郎らベテランが軸となってボールを展開、DFの吉田智尚、谷山直樹らも俊足を発揮し両サイドから果敢に攻め上がる。
 守備は高めに保った最終ラインやDF橋垣戸光一、三本菅崇らの献身的なプレーに加え、前線から重圧をかける全員守備が持ち味だ。  各選手に複数ポジションへの対応を求める吉田監督の方針がメンバー間の共通意識を強め、攻守の効果的な連係に役立っている。また趣旨に賛同した選手が加わったり、引退した選手がコーチとしてチームに残るなどの好循環を生んでいる。
 初戦を突破すれば2回戦でヴィッセル神戸(J1)と対戦するが、目指すのは、あくまで勝利。相手がJリーグのチームでも「奈良県代表の誇りと責任も背負って勝ちに行く」(吉田監督)と意気込みは強まるばかりだ。
 そのためにも9月4日の1回戦、同リーグでしのぎを削る三洋電機洲本(兵庫)との初戦は、勝つのはもちろん「地元の奈良県開催でサポーターにも満足してもらえる試合を」と、あえて高い目標を掲げて臨む。 (奈良新聞)

和歌山県/ アルテリーヴォ和歌山

 3年連続して同じカードとなった第16回和歌山県サッカー選手権大会の決勝は、アルテリーヴォ和歌山が海南FCを1-0と下し、3年連続3回目となる天皇杯全日本サッカー選手権大会への出場権を獲得した。
 クラブの創立は2006年。翌年に和歌山県リーグへ参戦してから、毎年所属するカテゴリーで優勝して着実にステップアップを果たしている。関西サッカーリーグ2部に昇格したことしも全14試合中11試合を消化した時点で2位と、1部昇格が見えてきた。チームの中核を担うのはJFLでのプレーを経て、故郷のクラブに加入した上赤坂佳孝。関西リーグ2部でも8得点をあげて得点ランキング3位に名を連ねており、県大会決勝で決勝点を決めた芝﨑純平ら2列目の選手と絡んでゴールを狙う。ボランチの田丸誠や右サイドバックの阿部巧也も後方からサポートし、守備では長身DFの角南裕太らが相手の攻撃をはね返す。
 クラブが目指すのはJリーグの舞台。そのためのチーム強化はもちろんだが、「多くの人の協力があって、クラブの基盤やサッカーへの姿勢なども向上してきた」と話すのは上赤坂佳。天皇杯は勝ち進めばJリーグ勢との試合も待ち構えており、主将の阿部は「うちは若い選手が多く、あの独特の緊張感を知らない。何とか初戦を突破して京都サンガ(F.C.)とやりたい」と本大会への意気込みを語る。過去2大会はいずれも1回戦で敗退。今年もJFL所属の佐川印刷SCという強豪との対戦だが、「守る時間が長くなるだろうが、結果にこだわりたい」(上赤坂佳)という姿勢で初戦突破を目指す。
(サッカーライター雨堤俊祐)

鳥取県/米子北高校

 2年連続2度目の出場。今季は県高校新人戦、インターハイ県予選と県内で無敗を誇り、県外大会では中国高校選手権で準優勝、中国プリンスリーグ1部でも8月27日現在で3位につけている。
 県大会では1回戦でSC鳥取ドリームス、決勝で元中国リーグ所属の元気SCと、県内社会人2強を倒して出場権を得た。元ガイナーレ鳥取選手らも所属するSC鳥取ドリームス戦は、FW真木のハットトリックの活躍もあって3―1で快勝。決勝は試合巧者の元気SCにPKで先制を許したが、それ以降は持ち味の運動量でボールを保持し出すと、またもFW真木の2得点で延長戦の末に勝利した。
 高卒Jリーガー2人を輩出した昨年のチームよりも個々の力はやや劣るが、チームの一体感は高い。システムは4―4―2のダブルボランチ。守備はFWからDFまでがコンパクトにラインを保って守備ブロックを敷き、ボール保持者へ速いプレスを仕掛ける。後方から安定感のあるセンターバック中林が統率し、野口と竹中のダブルボランチが中盤で忙しく働く。小笹と真木の2トップも前線からの守備をいとわず、積極的にボールへのプレスとパスコースの限定に走り回る。
 守備からの切り替えの速さも光り、堅守速攻も健在。攻撃の中心になるのは、連係の良い動きを見せ、得点力のある2トップ。昨年からレギュラーの小笹は球際での粘り強さを見せ、貪欲にゴールに迫る。真木は足元の技術が高く、冷静なプレーから前線で起点をつくりながらゴールも挙げる。サブには、サッカーセンスが良く、ゴール前の嗅覚を備える加藤が控える。FWへのボールに周囲が絡んでいけば分厚い攻撃が可能だ。注目は左サイドの花本。スピードがあり、何度でも相手陣地深くまでボールを運び、その突破力はチームの大きな武器となっている。逆サイドの青木は機敏で運動量があり、ゴール前によく絡んでくる。ボランチの竹中は2年生ながらチームのかじ取り役。パスの配球だけでなく、自ら持ち込んでのシュートも打て、県決勝の勝ち越しゴールも竹中のシュートが生んだ。サブでは、ドリブラーの木谷が面白い存在。途中出場でも流れを変えられる選手だ。
 チームはまだ波もあるが、インターハイ初戦敗退からの再起を図り、精力的に県外遠征に出向いてチームの精度を磨いてきた。集大成となる冬の全国選手権に向け、天皇杯でも格上チームに恐れることなく挑んでいくつもりだ。
(日本海新聞)

島根県/ デッツォーラ島根E.C

 島根県予選を兼ねた第16回県サッカー選手権大会を制して、2年連続7度目の出場を果たした。決勝の相手は2年連続で、同じ中国リーグに所属する松江シティ。持ち前の攻撃力を発揮。相手の6倍となる30本のシュートを放ち4―0で快勝した。
 基本システムは4―2―3―1。隅田、平田、空山、田栗の攻撃陣がカウンター、サイドから仕掛け得点を重ねる。今季の中国リーグは14試合を終え12勝2敗で首位。1試合平均の得点は3・2点、失点は0・9点で攻守のバランスはいい。昨季は平田が28ゴールでリーグ得点王になり、今季も得点王争いを繰り広げる。平田は県予選決勝でも狙い澄ましてミドルシュートを放ち先制点を奪うなどシュート精度は高い。平田がシュートで終えることができなくても、周りの選手がサポートして波状攻撃を仕掛ける。空山も得点能力に優れ、リーグのアシストランキングでは上位につけている。守備ではベテラン渥美らを中心に組織的な守りをする。庄司主将が「0点にこだわっている」と話すように県予選3試合はいずれも無失点に抑え込んだ。
 8月には中国リーグでファジアーノ岡山ネクスト(岡山)に2連勝。Jリーグ2部(J2)ファジアーノ岡山のアマチュアチームから計4ゴールを奪い自信をつけた。このうち1試合は退場によって10人と数的不利な状況から後半ロスタイムに決勝点を挙げた。ディフェンスラインの統率ができ、素早い攻守の切り替えから効果的な攻撃ができた。決勝点は空山のアシストから隅田が決める得意のパターンだった。この2戦を通じてチームの結束は高まった。平田は「昨年に比べてチーム全員が諦めなくなった。今は負ける気がしない」と手応えをつかむ。選手のレベルも一定で、途中交代しても戦力ダウンがないのも特徴だ。
 1回戦は愛媛県代表の愛媛FCしまなみと対戦。庄司主将は「細かいコンビネーションや戦術を確認して試合に挑みたい」と気を引き締め、若三総監督も「ミスをなくし、しっかり連動することで失点を防ぐ」と初戦突破へ意気込む。昨年は2回戦でJ1チームに敗れた。今年は2回戦でJ2のジェフユナイテッド千葉と当たる。チームの勢いのままに強豪チームの打倒を狙う。
(山陰中央新報)

岡山県/ ファジアーノ岡山ネクスト

  岡山県代表を決める第31回岡山県サッカー選手権大会決勝で、2連覇を狙った環太平洋大を2-1で下し、初出場を果たした。
 決勝は終始、押し気味に試合を進め、後半9分、サイド攻撃から先制点を挙げた。さらに21分には速攻から2点目を奪い、難敵を突き放した。試合終了間際に失点を許したものの、大会3試合で失点はこの1点だけと守備の安定感は際立った。攻撃でも、プロチームらしく高い技術を生かした小気味いいパスワークや厚みのあるサイド攻撃で計11点を挙げた。
 Jリーグ2部(J2)ファジアーノ岡山のセカンドチーム。若手選手に実戦経験を積ませることを目的に、トップチームがJ2へ昇格した2009年に誕生した。日本フットボールリーグ昇格(JFL)を目標に活動している。09年は、岡山県社会人リーグ1部で全勝優勝し、中国リーグへ昇格。同リーグでは昨季4位、今季は8月31日現在4位につけている。選手たちはJFL昇格と、自らのトップチーム入りを目指し、主に平日の午前中、岡山市内の3施設を代わる代わる使って練習に励んでいる。
 基本布陣は3-4-3。率いるのはトップチームのコーチを兼任する真中幹夫監督で、ファジアーノの根幹である攻守の切り替えの速さとハードワークを徹底させている。自慢の堅守は、前線からの激しいプレスが基本だが、岡山県選手権決勝では相手が得意な速攻を封じるため、引き気味に組織的な守備ブロックを敷く新しいスタイルも試した。攻撃では、流動的にポジションを変える3トップを生かしたパスワークと高い位置に張り出す中盤両サイドからのクロスが特長。守備ラインをまとめる主将のDF西原誉志、テクニックを生かして中盤の起点となるMF小寺優輝、抜群のスピードを生かした突破と献身的な守備が光るFW新中剛史らがチームを引っ張る。
 今大会の目標は、同じ中国リーグのライバル・レノファ山口との1回戦を突破し、J2の湘南ベルマーレと対戦すること。西原は「全国の舞台で自分たちの力をアピールしたい」と意気込んでいる。トップチームはJFL時代の08年、岡山県選手権を初めて制し、本戦初出場を果たしている。
(山陽新聞)

広島県/ 広島経済大学

 広島修道大との大学対決を制して、第86回大会以来の出場権をつかんだ。県代表の座を懸けた全広島選手権決勝大会の決勝はほとんどの時間帯、ボールを支配された。日差しがきつく、気温30度を超える酷暑の消耗戦。1-0の勝利は、鋭いカウンターを武器とする広島経大が思惑通りに試合を進めた結果である。相手のバックパスのミスを逃さず、少ない手数であっと言う間に決勝点を奪ってしまった。
 3-6-1の布陣で、1トップには166センチと小柄な勝田耕司を起用する。かつて東洋工業で活躍した桑田隆幸監督の狙いは「運動量でかき回す」。前線からプレッシャーをかけ、ボールを奪えば、シャドーの渡翔太と佐々木邦公とのコンビネーションで速攻を仕掛ける。ターゲットとなれる185センチの井上友輔も控える。
 広島県を中心に中四国地方の高校出身者が集まる。7月に全日本大学トーナメントに出場するまで、大学での全国大会経験者がメンバーにいなかった。しかも4年生は主将の沖田一樹ら数人。経験の少なさが自信のなさにつながっていた。
 全日本大学トーナメントで成長へのきっかけをつかんだ。中国予選で3度のPK戦を制して「負けないしぶとさ」を身につけ、本大会では明大に0―3ではね返されたものの、勝敗では語れない経験を積んだ。桑田監督は「おどおどしなくなった」と言う。
 全広島選手権決勝大会にも生きた。準決勝は広島経大出身者が占め、OBのプライドを懸ける富士ゼロックス広島にPK戦で勝った。ヒーローは1年生のGK沢田和志。鋭い読みで2本を止めた。この1戦は、「PK戦になっても大丈夫」と、イレブンに心の余裕も植え付けた。
 天皇杯は初出場した第84回大会に2回戦に進んだ。第86回大会は1回戦敗退。3度目の今回は1回戦で、JFLのツエーゲン金沢と顔を合わせる。上野展裕監督はJ1サンフレッチェ広島でプレーし、下部組織での指導経験がある。サンフレッチェ広島ジュニアユース監督時代の教え子となる沖田主将は「上野さんに格好悪いところは見せたくない」と燃える。大きな関門を突破すれば、サンフレッチェ広島が待っている。
 どれだけ行けるか。どこまで出来るか。力を試す大舞台を心待ちにしている。
(中国新聞)

山口県/ レノファ山口

 山口県サッカー選手権の決勝では、2年連続の対戦となった徳山大(周南市)に1―0で勝利した。DFとMFで2ラインをつくる徳山大の組織的な守備に苦戦。後半ロスタイムに、J1広島などで活躍したFW中山選手が強烈なヘディングで決勝点を挙げ、3連覇した。
 中国リーグに所属し、日本フットボールリーグ(JFL)昇格を目指して戦っている。「山口県にプロチームを」という県民の願いを受け、将来的なJリーグ参入も見据える。特に今季は、10月の山口国体も控えた「勝負の年」。中山選手のほか、Jリーグ大分や鳥栖に所属したFW市原選手が加入するなど、補強に力を入れた。ゴール前での力強さが魅力の市原選手はリーグ14得点でチーム得点王。4得点の中山選手も、ここ一番の勝負強さや、ベテランならではの統率力でチームを引っ張っている。
 広島ジュニアユース監督も務めた、月岡監督は今季2年目。日本代表の槙野選手(独・ケルン)や森重選手(J2・FC東京)を育てた指揮官は「パスサッカー」を掲げ、DFラインからしっかりとボールをつないでゴールを狙うスタイルを植え付けた。鋭いドリブルが魅力のMF福原選手や正確なキック技術を持つDF碇野選手、高さと強さを兼ね備えたDF伊藤選手たちがチームを支える。
 今季の中国リーグでは、8月末時点で2位。9月の4試合を残し、首位のデッツォーラ島根(島根県)と勝ち点差が4ある。ゲームを支配しながらゴール前での決定力不足やミスからの失点への対応が課題。JFL昇格への登竜門である全国地域リーグ決勝大会に出場できる枠は一つしかなく、厳しい戦いが続いている。一方で、「全勝するしかない」という状況で、選手は開き直ってプレー出来ていることは大きい。
 天皇杯1回戦で当たるのは、岡山県代表のファジアーノ岡山ネクスト。「同じ中国リーグに所属するチームには負けられない」とチームの士気は高い。勝ち進めば、2回戦で昨年0―4で敗れたJ2湘南と対戦する。昨季まで所属していた中山選手は「世話になったチーム。対戦して恩返しがしたい」と強調。市原選手も「Jリーグのチームを相手にどこまでできるのか試したい」と闘志を燃やす。
 レノファの設立は2006年。母体となる山口県サッカー教員団時代を合わせて10度目の天皇杯出場となる。チーム名の「レノファ」は、英語で「維新」を意味する「renovation」の「レノ」と、「fight(戦う)」や「fine(元気)」の「ファ」を合わせた造語。
(中国新聞)

香川県/ カマタマーレ讃岐

 今大会の予選を兼ねた第16回香川県サッカー選手権大会決勝で、大学県王者の高松大に5―0で快勝。7年連続13度目の出場を決めた。 高松市などを拠点にJリーグ入りを掲げて活動するクラブチーム。1956年に発足した高商OBサッカー部が前身で、以降、香川紫雲FC、サンライフFC、高松FCと名称を変更しながら、香川のサッカー界をリードしてきた。カマタマーレは香川の名産「さぬきうどん」の食べ方の一つの「釜玉(かまたま)うどん」と、イタリア語で海を意味する「マーレ」を合わせた造語。Jリーグ参戦活動の本格化をうたった2006年に公募で採用された。
 昨季は四国リーグで2年ぶりの優勝を果たし、続く全国地域リーグ決勝大会も初制覇。悲願のJFL(日本フットボールリーグ)昇格を果たした。JFL初参戦の今季は、これまで18試合を戦い、8勝3分け7敗の勝ち点27で10位(8月31日現在)。
 チームは今季も引き続き、高松市出身の北野誠監督が指揮を執る。メンバーは昨季の主力に加えて、Jリーグ経験者のFW西野(前所属、京都)、MF石田(同、富山)らを補強するなど層が厚くなった。システムは現在、中盤を分厚くした「3-3-3-1」がベース。豊富な運動量と速いパスワークが持ち味の攻撃的なスタイルを築く。
 JFLでの戦いぶりも、攻守がかみ合った序盤戦は6戦連続負けなしで一時、首位に立つなど健闘が光る。さらに後半戦へ向け、元U―18韓国代表のDF金洪澈(キム・ホンチョル)を獲得、J2岡山からMF喜山を期限付き移籍で補強するなど、Jリーグ昇格条件の「JFL4位以内」へ向け、態勢を整えている。
 天皇杯は昨大会まで3年連続で初戦を突破する一方で、2回戦は昨年が大宮に1-4、一昨年はF東京に0-4と、Jリーグ勢の厚い壁の前に屈した。今大会も米子北高(鳥取)との初戦を突破すれば、2回戦は横浜Mと対戦。Jリーグの名門を相手に一泡吹かせられるか。
 昨今の経済情勢もあって経営環境は依然厳しいが、ことし2月にJリーグ準加盟の承認を済ませ、本入会の予備審査にも臨むなど目標のJリーグ入りへ向け、クラブは着々と歩みを進める。天皇杯はチームを広くアピールする絶好の機会。うどんのような「粘り腰」で最後まであきらめずにボールを追い続ける。
(四国新聞)

徳島県/ 三洋電機徳島

 天皇杯出場を懸けた徳島県選手権決勝は徳島市立高を相手に先制されながらも2 度追い付き、後半ロスタイム2分に決勝点を挙げる粘りを発揮。3-2で競り勝ち 6年ぶり4度目の出場を決めた。
 今季、2年ぶり復帰の森田監督はカウンターサッカーから、プレスをかけつない で攻め上がるスタイルへの転換を掲げた。技術の高い選手がそろう強みを生かし切 ろうと右サイドMFの井川をボランチへ、DFの山本を右サイドMFへコンバー ト。6月からはこぼれ球の回収率アップを狙い1トップ1ボランチからダブルボラ ンチの4―4―2へシステムも変更した。
 攻守の起点となるボランチの井川は運動量が豊富で、飛び出しやロングシュート など機を見たプレーが特長。「相棒」の高木弘も的確な状況判断とポジショニング に優れ中盤を支える。2トップは高木卓と、カマタマーレ讃岐から新加入の大西が コンビを組み、ともにスピードと突破力がある。これにクロスの精度が高い左サイ ドMFの山側、突破力のある山本もしくは新加入の古谷が絡み、厚みのある攻撃を 展開する。
 井上と朝日奈の両センターバックは対人での強さがあり安定感は十分。決勝点を 決めた高磯らサブにも決定力のある選手が控える。
 国体県選抜チームに12人を輩出。選手は交代制勤務のため全体練習は週2、3 度程度だが、短い時間のほとんどを5対5のボール回しなどに費やし、パスサッ カーへの意識を高めてきた。
 前回出場した2005年の85回大会では3回戦に進出した。1回戦で対戦する 高知大は、豊富な運動量ときっちりつなぐ中盤を基本としており、三洋電機徳島と しては押し込まれる展開も予想される。リードされても落ち着いたプレーを貫ける かが課題で、先制点も勝利への鍵を握りそう。
 1回戦を勝てば2回戦の相手はJ1福岡。森田監督は「Jチーム相手に力を試し たいという目標に向け、全力で初戦を突破したい」と意気込む。
(徳島新聞)

愛媛県/ 愛媛FCしまなみ

 2011年愛媛県サッカー選手権大会決勝で社会人チームの久枝FCを1―0で下し、3 年連続の天皇杯出場を決めた。1976年、社会人チーム「大西サッカークラブ」として 設立。2001年以降は四国リーグを主戦場とし、09年にJ2愛媛FC傘下のアマチュ アチームとなって再スタートを切った。2年目の昨季は四国リーグ3位と初年度と同順位 だった。今季も09年から変わらず元J1鹿島育成部コーチの八木邦靖監督の指揮の下、 プロ選手の輩出と日本フットボールリーグ加盟を目指し、競技力の向上を図っている。今 季の四国リーグ戦績は、11試合を終え10勝1分けで1位につけている。基本システム は4―3―3で、中盤のパス交換から中央を突破しゴールに迫る場面が多い。攻撃のキー プレーヤーはFW柏木健。県予選の3試合で3ゴールと得点源で、ゴール前の突破力やヘ ディングの競り合いにも強さがある。ボールコントロールに優れる北森、シュート力のあ る小笠原らもミドルレンジからゴールを狙う。FW柏木亨も豊富な運動量と視野の広さで チャンスメーク。守備では、主将のDF斉藤が中心となってラインをコントロールする。 稲田や植村、志水らがコンパクトな位置取りでスペースを与えず、GK土井も冷静な判断 で失点の芽を摘む。県大会は1回戦を2―0、準決勝を2―1と順当に勝ち上がった。決 勝は昨年と同カードの久枝FCと対戦。開始直後から中盤の細かいパス回しから再三チャ ンスをつくり、シュートを放った。前半40分、縦のロングボールをMF柏木亨が頭で落 とし、DF裏に抜け出たFW柏木健が決めて先制。唯一の得点となり1―0で勝利し、3 連覇を果たした。後半、右サイドから自陣ゴールに迫られる場面が目立つなど、サイド攻 撃への守備が本戦で勝ち上がるためのポイントとなる。1回戦は島根県代表と対戦。プロ を目指す選手らにとって絶好のアピールの場となる。斉藤主将は「足元を見て1試合ずつ 勝ち上がり、J1のチームに挑みたい」と意気込んでいる。
(愛媛新聞)

高知県/ 高知大学

 天皇杯全日本選手権出場をかけた第16回高知県選手権決勝で、初めて決勝まで勝ち上がってきた黒潮FCに5-1の圧勝。9年連続の本戦出場を決めた。素早いパス回しと豊富な運動量が武器の攻撃的チームだ。
 部員がボールを追うのは土のグラウンド。その脇では野球部員が白球を追い掛ける。転がってきた硬球を投げ返すことも。
 とても恵まれた環境とは言えないが、基本の徹底を説く野地照樹監督の下、一昨年の全日本大学トーナメント準優勝。昨年の全日本大学選手権は4強に入り、確実に実績を残している。
 フットサルにも取り組んでおり、8月末の全日本大学大会で準優勝を果たしたばかりだ。
 昨年のチームからはDF実藤友紀がJ1川崎、MF酒井貴政がJ2富山に入団し、主力5人が抜けた。しかし野地監督は「潜在的な力は変わらない」と、2年ぶりの天皇杯1勝を視野に入れる。
 基本システムは4-4-2。攻撃陣にタレントが多く、中でもFW福本はスピードとパワーを兼ね備えている。県選手権準決勝、決勝ともハットトリックの活躍で、決定力を見せつけた。
 センスのある竹内、アイデアが豊富な渡部の両MFが攻撃の起点となる。スピードのある塚本、的確なクロスを武器とする赤木の両サイドバックが攻撃に厚みを加える。
 守備は寄せの速いボランチ西山、競り合いに強いDF山部らが、相手攻撃の芽をしっかり摘み取る。GK片山は185センチ。4年連続の天皇杯となる。
 ただ、県選手権決勝は「もっと点が取れたはず。DFもばたばたした」。野地監督の評価は辛い。それだけに、チーム全体に天皇杯で「高知大のサッカーを見せたい」との思いは強い。
 初戦の相手は三洋電機徳島。敵地に乗り込んでの戦いとなるが、走力を武器に先制点を奪い、試合を優位に運びたい。勝てばJ1福岡との2回戦になる。
 「相手がどこでも同じ。自分たちのサッカーをするだけ」と手綱を引き締める野地監督。主将岩崎は「県代表の誇りを持って戦いたい」と意欲を見せている。
(高知新聞)

福岡県/ 福岡大学

 第15回福岡県選手権決勝で、前回代表の福岡教育大に3-2で勝利。2年ぶり26度目の出場を決めた。3試合で計14得点。圧倒的な攻撃力を支えているのが、J1アビスパ福岡の特別指定選手でもあるFW石津だ。同選手権ではチームトップの5得点をマーク。U-22日本代表FW永井(J1名古屋)から背番号10を継いだエースストライカーとしての役割を果たした。
 石津は4月に右膝を痛めて戦列を離れたが、8月上旬に完全復帰。そこからチームは4-4-2の布陣を4-3-3に変え、石津を3トップの一角に置いた。ユニバーシアードで日本代表の指揮を執り、優勝へと導いた実績を持つ乾真寛監督は「相手のDFとボランチの間に置くことで、捕まえられにくくなる」と狙いを明かす。本人も「DFの裏にも抜け出せるし、バイタルエリアでボールを収めることもできる」と〝石津シフト〟に手応えをつかみかけている。
2年前は、2回戦でJ2水戸を撃破。続く3回戦は優勝したJ1G大阪に敗れたものの、攻めの姿勢を貫いた。当時のスタメンで現在も残るのは石津とDF牟田、MF長谷の3人。再び黄金時代を築くため、世代交代を進めている段階だ。
 それでも毎年Jリーグに選手を輩出している伝統校は、今回も将来性のあるタレントがそろっている。元U-19日本代表MF清武は、日本A代表に定着しつつあるMF清武弘嗣(J1C大阪)の弟。2列目から仕掛ける積極性は、兄と姿が重なる。186㌢の牟田も世代別代表を経験。同じく186㌢の長身ながら、50メートルを6秒フラットで走るスピードも合わせ持つ1年生のFW山崎からも目が離せない。
 チームは8月の札幌遠征中に日韓戦を観戦。しつこくボールを奪おうと走り回り、韓国に何もさせなかったザックジャパンにうなった。「技術が高い選手でも忠実に守っている。僕らもいい守備から攻撃につなげたい」とMF仮屋主将。前線からプレスを仕掛け、2回戦で待つJ1大宮との対戦を目指す。
 (西日本新聞)

佐賀県/ 佐賀LIXIL FC

 7月の社名変更に伴い、チーム名も「九州INAX FC」から「佐賀LIXIL FC」に変わった。「LIXIL元年を飾りたい」という思いのもと、チームは結束。接戦を勝ち上がり、3年ぶり6回目の代表切符をつかんだ。目指すは天皇杯6年ぶりの初戦突破だ。
 「奪ってから速く」がチームのテーマ。しっかりした守備から入り、マイボールになった後の素早いカウンターでゴールを狙う。基本布陣は4・2・3・1。攻撃の中心は主将のFW池田憲彦。高い得点力に加え、周りを生かすプレーが持ち味だ。裏へ抜け出すスピードと運動量があるトップ下・平吉直樹と連動し、得点を重ねる。MF清田芳浩はキックの精度が高く、セットプレーからのゴールが狙えるのも強みだ。
 守備はセンターバックの増本賢佑が統率。副キャプテンの増本は、常に声を出し、チームを鼓舞し続ける精神的柱。同じ九州リーグに所属する川副クラブとの県予選決勝では、CKからのヘディングで自ら決勝点を奪うなど、勝負強さを兼ね備える。
 九州リーグでは10チーム中8位と苦戦している。社会人チームだけに、仕事で週3回の練習に人数がそろわないのが悩み。今季就任した永吉龍也監督は「体力が落ちた後半に、足が止まってガタガタと崩れるパターンが多かった」と語る。ただ、「リーグで結果が出ていない分、天皇杯への思いが強かった。優勝を目指し一丸となれた」。
 県予選では、初戦でサガン鳥栖U―18との延長戦を制し波に乗ると、準決勝は昨年敗れた佐賀大に3―2で逆転勝ち。決勝は、後半防戦一方になりながらも、最後まで集中力を切らさず2―0で完封した。
 天皇杯過去5回の出場で初戦突破は一度だけ。全国の壁に跳ね返され続けている。池田は「天皇杯は唯一プロと戦える公式戦。気持ちのこもったプレーで初戦を突破し、FC東京と戦いたい」と意気込む。
 1回戦の相手・FC鹿児島には、今季九州リーグで連敗しているが、「一発勝負なので何があるかわからない。準備をしっかりして臨みたい」と増本。会社も鹿児島への応援ツアーを計画し、バックアップしている。全国舞台で躍動し、「LIXIL元年」をさらに彩るつもりだ。
(佐賀新聞)

長崎県/ V・ファーレン長崎

 就任2シーズン目の佐野達監督の掲げる攻撃サッカーが浸透。テンポの速いパス交換でゴールを目指すスタイルに磨きがかかり、今季は日本フットボールリーグ(JFL)で上位争いに絡んでいる。
 攻撃の中心は、今季のJFLで14点を挙げ、得点王争いトップ(8月29日現在)を走るFW有光亮太。今季から加入したFW水永翔馬は身長180センチ、体重80キロの体格を生かし、前線でのポストプレーやヘディングで存在感を示している。けがから復帰したFW山内祐一はスピードを生かしたドリブル突破で得点に絡み、好調の要因になっている。中盤のキーマンは岩間雄大と山城純也。ともに豊富な運動量を生かし、攻守に欠かせない存在だ。DF陣はセンターバックの藤井大輔が中心。このほか井筒和之、今季途中加入の崔宰銀と野本安哲もおり、先発争いが激しさを増している。杉山琢也、持留新作の両サイドバックは積極的な攻撃参加でチャンスの起点になっている。天皇杯の長崎県代表を決める県選手権決勝は三菱重工長崎に2―0で快勝。水永と山内が得点を挙げたほか、普段出場機会に恵まれない選手も活躍し、層の厚さを示した。
 Jリーグの基準を満たすスタジアムの建設が間に合わず、今季JFLで上位に入ってもJ2に昇格できない。専用練習場を持たないなど厳しい状況下でもモチベーションを下げることなく、優勝争いに加わっている。初のJFL制覇を達成し、2013年のJ昇格に向け、県民の盛り上がりを促したいところだ。
 天皇杯の最高成績は3回戦。過去2大会はいずれも2回戦でJ1横浜F・マリノスに敗れた。今回海邦銀行(沖縄)との1回戦に勝てば、J2東京Vとの対戦になる。佐野監督は「違うカテゴリーのチームと試合ができるのが天皇杯の楽しみ。V・ファーレン長崎というクラブをアピールするためにも東京Vを倒したい」と意気込んでいる。
(長崎新聞)

熊本県/ 熊本教員蹴友団

 「うちのメンバーは教職員やサッカー指導者たち。敵の長所を認めながら理論的に戦っている」とDF古閑健仁主将。熊本県代表の熊本教員蹴友団は、クレバーなプレーと確かな経験を備えた社会人チームだ。 練習は週2~3回、勤務を終えた後の夜2時間半と限られているが、少ない練習量を補っているのが対戦相手の綿密な分析。県選手権の決勝でも、夏休みにみっちり練習を積んできた大津高を相手に「敵の短所を突き、長所を消し去るサッカー」(青木太監督)を披露した。
 指揮官は「相手守備陣のパス精度は高くないので前に蹴らせてもいい」と指示し、引き気味に試合を展開。自陣でボールを奪い、前掛かりになった相手のサイドバックの裏を突く作戦が功を奏した。大津高が誇るプロ注目のセンターバック植田直通からボールを遠ざけるようなサイド攻撃で、何度も好機を演出。2―1で競り勝った。
 1回戦は熊本大、準決勝はルーテル高を撃破した。基本布陣は4―4―2で、決勝の先発11人の平均年齢は25・5歳。多くの選手が高校の強豪校や大学サッカー部のOBで競技歴が長い。GK福邑健仁は「学生や高校生に勝てたのは経験値の差。僕たちはピッチの上でコミュニケーションを取りながら、戦況に応じて戦い方を修正することができる」と話す。
 注目は県選手権3試合でチームトップの3得点を挙げたMF増村孝弘で、スペースへの飛び出しが鋭い。守備陣は粘り強さが持ち味。GK福邑はロッソ熊本(現・J2ロアッソ熊本)でのプレー経験があり、反応の良さと的確なコーチング(指示)に定評がある。
 チームの歴史は長く、1923(大正12)年、熊本第二師範学校にサッカー部がつくられたのが始まりとされる。77年に九州リーグ初優勝。天皇杯県代表は7回目だが、過去6回は各都道府県代表が出場するようになった第76回大会より前で、いずれも九州大会で敗れてきた。
 初の全国切符を手にしたイレブンたち。宮崎県代表の宮崎産業経営大との1回戦に向けて、青木太監督は「社会人の意地があるので、負ける気はない」と意気込む。
(熊本日日新聞)

大分県/ HOYO AC ELAN大分

  大分県代表のHOYO AC エランは、代表決定戦を兼ねた県サッカー選手権の決勝(8月28日)で、日本文理大に2―0で快勝し、2年連続2度目の"全国切符"を獲得した。初出場の昨年は1回戦でJFLのチームに敗れており、「まず1勝」が目標。
 チームは2003年に豊洋精工(本社・大分県国東市)と関連会社のソイテックスジャパン(本社・大分市)の社員をメンバーに発足。2010年に念願の九州リーグ昇格を果たすと、初年度に初優勝。新たな目標をJFL昇格に定め、大分市と由布市をホームタウンに活動している。
 前線の攻撃陣、終盤の守備陣にJ1やJ2、中盤は大学サッカー経験者の顔が並ぶ。九州リーグのシーズン中は週4日、勤務後に会社近くのグラウンドで2時間半ほど練習している。
 今季は2年目の九州リーグで14勝1敗(第15節終了現在)と首位を走り好調。J2の北九州から船津佑也(27)、JFLの長崎から田上渉(29)など7人を補強し、「選手が交代しても戦力が落ちない」(ブレノ・バレンチン監督)のが強み。
 基本システムは4・4・2。最終ラインには長身の田中淳也(28)を中心に4人が並ぶ。中盤は中央の守備的位置に田上、中島崇文(26)、両サイドの攻撃的位置に俊足の原一生(26)、ゲームキャプテンの生口明宏(27)を配置。ツートップはエース堀健人(29)とシャドー役の古賀宗樹(26)が組む。
 GK出身のバレンチン監督は「失点しないことが最重要」と話し、堅守からのサイド攻撃を理想のスタイルに掲げる。DF陣は「主導権を持った守備」(田中)を目指し、相手FWを守りやすいエリアや距離に追い込む意識を共有。守備的MFが速いパス回しから相手陣内の隙を突いて、サイドぎりぎりにボールを供給し、攻撃陣がスピードに乗って走り込むのが得意パターン。
 県代表決定戦を兼ねた県選手権の準決勝、決勝では、両試合ともサイド突破からのクロスに堀が合わせて得点。一方、守備陣はセットプレーから1失点しただけで堅守ぶりを見せつけた。
 鴨川奨主将(28)は「昨年よりレベルアップしている」と総合力の底上げを実感。バレンチン監督は「初戦の福岡大は攻撃的で走るチーム。十分な準備をして試合に臨む」と話している。
(大分合同新聞)

宮崎県/ 宮崎産業経営大学

 第15回宮日旗・NHK杯宮崎県サッカー選手権大会を5年ぶりに制し、2度目の天皇杯出場を決めた。
  鵬翔高との決勝は前半20分、右MF神田衛のアーリークロスを相手GKがファンブル。ゴール前へ詰めたFW藤山由昂と競り合った相手DFにボールが当た り、幸運なオウンゴールで先制した。後半23分の追加点は持ち味のスピードとパスワースが凝縮されていた。左サイドバックの徳重翔大から守備的MF村山 充、FW加藤直也、FW藤山といずれもダイレクトにボールをつなぎ、最後は左MF五領淳樹が左足でゴールネットを揺らした。
 ことしの宮日旗は4連覇中だった日本フットボールリーグ(JFL)のホンダロックが、JFL代表として天皇杯に出るため欠場。ホンダロックに決勝で4連敗中だった宮崎産経大にとって、久しぶりに天皇杯に出場するチャンスだった。
  さらに選手たちのモチベーションを高めたのが天皇杯の組み合わせ。地元開催の初戦に勝てば、2回戦は埼玉スタジアムでJリーグ1部(J1)の浦和と対戦で きる。国内有数のプロスポーツキャンプ地・宮崎では、Jのチームと練習試合をする機会は多い。だが「公式戦でプロと戦える機会はめったにない」と選手たち は燃えた。
 ボールを奪ったら、素早く枚数をかけて仕掛けるのが攻撃スタイル。中心となるのが主将で九州大学リーグ1部で現在得点ランク2位の FW島屋八徳。五領もアシストランク3位につけている。左サイドバック徳重翔大は俊足を生かし果敢にオーバーラップを仕掛ける。守備は1年生センターバッ クの鈴木義宜がコントロールする。
 笛真人監督(38)は鹿児島市出身。鹿児島実高では全国総体や全国選手権に出場。実業団のマツダに進み、J1広島で99試合に出場した。選手にピッチ内外でプロ意識を求める厳しい指導には定評がある。
 系列校の鵬翔高を中心に宮崎県出身者が選手の3割を占め、残りは鹿児島や熊本、沖縄出身者。高校時代は無名、全国大会と縁のなかった者がほとんどで、笛監督が各地を回って原石を発掘し鍛え上げてきた。
 チーム全員が楽しみにしていた天皇杯。主将の島屋は初戦に向け「県代表として恥ずかしくない試合をする。勝って埼玉スタジアムに行きたい」と意気込みを語った。
   (宮崎日日新聞社)

鹿児島県/ FC KAGOSHIMA

 8月28日の第26回鹿児島県サッカー選手権決勝で、延長戦にもつれる激闘の末、同じ九州リーグに所属するヴォルカ鹿児島を3―1で下し、初優勝を飾った。延長前半に退場者を出しながらも、気迫あふれるプレーで数的不利を覆し、セットプレーから決勝点を奪った。
 将来のJリーグ参入を目指して2010年3月に発足。昨季は県リーグ1部を圧倒的な強さで制した。今季から参戦する九州リーグでも、首位と勝ち点2差の2位につける。
 持ち味は豊富な運動量と爆発的な得点力。県選手権3試合で16得点、九州リーグでも第15節現在で55点はリーグトップ。その中心がFW谷口だ。J2鳥栖でプレー経験があり、現在リーグ得点ランク首位を走る。強さ、高さ、速さ、すべてを備え、正確なシュートでゴールを量産。ポストプレーにも長け、味方のチャンスも演出する。監督兼任の田上は、無尽蔵のスタミナでピッチを駆け回り、精神的支柱としてチームを引っ張る。社会人チームには珍しい、午前、午後の2部練習で培った運動量を武器に、中盤でセカンドボールを拾い続け、波状攻撃を仕掛ける。DFラインは吉元をリベロ的なポジションに置き、高さのある愛甲、船川らがはね返す。GKは古田、村口のどちらが出ても好セーブを連発、最後尾からチームを引き締める。
 創設2年目で初めての天皇杯。田上は「鹿児島の代表として、ヴォルカを始め敗れた仲間の分まで走り抜く」と意気込みを見せる。
(南日本新聞)

沖縄県/ FC琉球

 11年ぶりに天皇杯の出場権をつかんだ。決勝は初優勝を狙う琉球大に先制を許すなど苦しめられたが、後半38分に同点としてPK戦に持ち込むと、GK大城勇太が2本セーブして辛勝。内容は消化不良となったが、最後は九州リーグに所属する社会人の意地を見せた。
 実質、県内トップの実力を持つFC琉球がJFL枠で天皇杯出場を決め県予選は不参加。本命不在の中で代表権を獲得した仲間幹監督は「できはよくなかったが、自分たちが勝たなければならないという重圧の中で、選手が最後に底力を発揮してくれた」と安どした。
 沖縄のサッカー界をけん引してきた歴史がある。
 1987年に沖縄で開かれた海邦国体に合わせ、県の強化チームとして発足。国体後は一般チームとして活動を続け、2000年には県勢初の九州リーグ昇格を果たした。
 近年は元Jリーガーなど県外選手が主力のFC琉球(JFL)や、かりゆしFC(2009年解散)の影で県内2、3番手に甘んじながらも、地元クラブとして県出身選手の受け皿という貴重な役割を担っている。
 沖縄からの遠征は時間と費用を要し、仕事を抱えながらの選手の負担は大きい。九州リーグでは昨季、入れ替え戦の末に残留するなど、毎年厳しい戦いを強いられている。
 それでも、県勢で初めてJリーグのフィールドプレーヤーとして活躍した喜名哲裕が昨年加入。若手も加わり、今季はリーグ6位(8月31日現在)で上位も狙える位置につけ、健闘をみせている。
 チームは、ベガルタ仙台(J1)FW赤嶺真吾の弟、佑樹が守りの中心。運天絢也や山口敦史と組むセンターバックは安定感が出てきた。
 攻撃は2列目からの飛び出しでゴールを狙う照屋靖人や、県予選3戦4得点のFW島袋貴男が軸。MF新垣佑典がキッカーを務めるセットプレーも得点源だ。連動した動きで攻撃に厚みを持たせられるかがチームの課題。
 初戦は長崎代表のV・ファーレン長崎(JFL)。格上の相手となるが、かつては同じ九州リーグでしのぎを削った。中村翔主将は「パワーアップした相手に、どれだけやれるか。リーグにつながるような戦いをしたい」と力を込める。久々のチャンスをチームの活力にしたい。
(沖縄タイムス)

大学/ 大阪体育大学

 1986年、2008年に次ぐ、3年ぶり3回目の総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント優勝を果たし、第91回天皇杯全日本サッカー選手権大会出場を決めた。大阪府代表として出場した昨年度の第90回大会に続き、2年連続14回目の天皇杯出場となる。1回戦を突破した前回は2回戦でガンバ大阪と対戦し、2-6で敗れたものの、前半は0-1と健闘。後半には0-6とリードされたが、86分から2点を返して意地を見せた。DFの濱上孝次、菅原渉、MF廣岡太貴、G大阪から1点を奪ったFW脇睦ら昨年の2回戦を経験している選手も多く、「(G大阪と)前半を0-1でやれたというのは自信になった。今年もまず北海道代表との試合に勝ちたいし、勝てば2回戦で当たるセレッソ大阪には先輩の村田(和哉)さんもいるので、自分たちがどれだけできるか勝負したい」と、親子2代で大体大の主将を務める廣岡は意気込む。大体大の魅力は堅守からの精度の高い速攻。「積極的に『攻めの守り』をしよう」という坂本康博総監督の指導の下、守備ラインを高く押し上げて自分たちから相手ボールを奪い、前線の186センチという長身の脇や、FWの山本大稀、渡邉悠介らにつないで相手ゴールに迫る。左サイドバックのDF馬場将大がFKを直接決めた先制点を守り切り、1-0で勝利した総理大臣杯決勝の中央大戦では、相手にシュートを2本しか打たせず、安定感のある試合運びを見せた。「天皇杯では一戦でも多くチャレンジしていきたい」と坂本総監督。大学王者の誇りを胸に、昨年に続き、1回戦を突破してJクラブとの対戦に臨みたい。
(フリーライター 尾崎ルミ)