~全国レディース大会/レディースエイト大会~

キッズや小学生、中高大生、社会人、プロ・・・、サッカーにはいろいろな関わり方がある。でもプレーした楽しい記憶は体力のピークを過ぎた世代でもずっと心の中にあるはず。そんなサッカーを一生涯のスポーツとして楽しみたいプレーヤーたちのための大会がある。
第21回全国レディースサッカー大会が11月21日~23日、静岡・清水ナショナルトレーニングセンター(J-STEP)の清水蛇塚グラウンドで開催された。参加資格は30歳以上の日本サッカー協会登録女性選手(アンダーエイジ枠として1980年1月1日~1991年4月1日までに生まれたプレーヤーは2名まで同時にプレーできる)であること。各地域予選を勝ち抜いた16チームがO-30世代日本一を目指して集まった。元なでしこリーガーもいれば、大学・高校での経験者、大人になってから始めたというプレーヤーなど、さまざま。そしてこの大会では観客席にたくさんの子供たちの姿がある。もちろんママさんプレーヤーが多いからである。長時間の待ち時間に飽き始めた子供たちも、試合が始まれば選手たちのプレーに大きな声援を送る。ハーフタイムにはベンチ裏へみんなで移動、少しでも近くへ行こうとする。乗り出しすぎて、作戦会議中の母親から叱られるというのも珍しくない光景だ。
中高生の時代のサッカー仲間で参加した横須賀シーガルズレディースのメンバーはこの大会のために20年ぶりに顔を揃えたという。地元はもちろん、静岡、栃木、埼玉などの嫁ぎ先から横須賀に戻り、最低でも週に1回のトレーニングを重ねてきた。「またみんなと一つの目標に向かっていけるなんて本当に幸せだと思います」、「子供が産みたいと思えば産休を取って、その間はまた違う元チームメイトに声をかければいいし、協力していけばみんな続けられると思います」と、青春時代をともに過ごした仲間と集まれば時間の溝はあっという間に埋まる。「この大会で真剣に勝ちに行こう、と取り組み始めたのは2、3年位前ですね。出場すると"勝ちたい!"って思わせてくれる大会。終わっちゃうとすごく寂しいんです」という声も聞かれた。昔のように体は動かなくても、心許しあえる仲間との時間は今も昔も変わることはない。そんな時間を共有できるのも、この大会の大きな魅力の一つとなっている。
また、同日程で清水総合運動場陸上競技場では、第21回全国レディース大会<レディース・エイト(40歳以上)オープン大会>が開かれた。これは例年全国レディース大会と平行して行われる大会で、出場資格は40歳以上。一昨年前までは45歳以上だったが、それではなかなかメンバーを集められないという声もあり、昨年度から40歳まで引き下げられた。フルコート半分の大きさのピッチを使用した8人制サッカーで、20分ハーフ。全国から応募のあった24チームが参加した。この大会では、試合の前後には対戦相手と地元のお菓子など特産物の交換がよく行われる。レディースエイトならではの光景だろう。「ここで知り合いになったチーム同士がお互いの地域のミニ大会などに招待し合ったりして、交流が広がっていくんですよ」と大会運営責任者の猪浦玲子さんは言う。また、今大会には出場できなかったけれど、ここに集まる仲間に会いに来たというのは船津道子さん、幸田純子さん。二人は神戸FCマミーズというチームに所属している。「年齢が上がってくると、若い人たちでピッチは埋まってしまいます。我々の年代でも楽しんでサッカーができるのがレディースエイトの楽しさ。1年に一度、旅行気分で仲間と清水に来て、全国のみなさんと交流を持てるのは嬉しいですよね」とは幸田さん。船津さんも「みんなサッカーが大好きなんです。好きなことをこの歳になってもやってる、これからもやりたいって思えるって素晴らしいことだと思います」と、サッカーを生涯スポーツとして無理なく生活に取り入れて、存分に楽しんでいる様子が伝わってきた。
プレー年代で住み分けることによって、それぞれの体力に合ったサッカーを楽しむことができる。この二つの大会が長く愛される理由は一つではない。仲間との絆やサッカーの魅力など、あらためて感じ取ることができる数少ない大会であるといえるのではないだろうか。
文/早草紀子









