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スペシャルインタビュー

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10月28日にニュージーランドで開幕するFIFAU-17女子ワールドカップ。世界から16チームが集まる大会で、日本は1次リーグC組でアメリカ(10月30日)、フランス(11月2日)、パラグアイ(11月5日)と対戦し、決勝トーナメント進出、そして決勝進出を狙う。大会開幕を目前に控えて、チームを率いる吉田弘監督に話を聞いた。

──これまでの準備はどうでしょうか?選手の学校生活もあり、定期的に集めて練習をする時間をとるのはなかなか難しかったのではないですか?

そうですね。10月21日からの直前合宿開始までは、毎週、いろいろな大会もあって各チームの都合もあるので、それほど長期的に時間をとることはできませんでしたが、それでも所属チームの方々にはご理解をいただいて、3月と6月以降は毎月1回ずつ合宿を行い、特に8月にはオーストラリア合宿も行うことができました。それに、代表監督はどの年代でもチームを率いる以上、そういう苦労は仕方のないことだと思っています。

──この年代は日々成長できる可能性がある反面、プレーも安定していないところも多いと思います。そういう年代の選手を指導する難しさは、どういうところにありますか?

メンタル面での難しさは、男子とはまた違って、女子の方があるかもしれないですね。どういうふうに自信を持たせるか。男子なら「やってこい」とポーンと投げても大丈夫なところでも、女子の場合はそれで理解できる子とそうでない子がいて、後者では落ち込んだりしてしまう場合もある。だから、男子以上に言い方にも気を配らないとならないところはあります。そこは難しいところですが、でも「この選手をどういうふうにしてレベルアップさせようか」と考えてアプローチしています。
そもそもこのU-17は、個人のレベルを上げる場所だと捉えています。ここに集めて、何年後かに「なでしこジャパン」に入れるようになったときに必要な部分をいかに多く身につけさせてあげられるか。そのための場所です。
ワールドカップでは、もちろん決勝まで行くつもりでいますが、その中で選手たちが大会を通じていろいろと経験して、将来、世界と対抗できるようになるためのヒントを一つでも多く得る。そういう場になれば、と考えています。

──「なでしこ」になったときに必要な部分とは?

世界のトップレベルと対抗できるようにということです。低年代では日本は世界でもトップクラスにあって、男子は小学校から中学校途中ぐらいまではそうです。女子はもっと技術的に上にあります。というのも、小学校低年代で女子が男子と一緒に土日を含めて週に3~4回もやっているところは日本のほかにそうはありません。
例えばアルゼンチンは、高校でも週に何度か定期的に練習できるところは限られているようですし、ブラジルも最近は結構伸びてきていますが、各クラブが女子チームを作って盛り上げようという流れが出てきたからです。北京オリンピックでも活躍したので、そういう流れが余計に出てきているようですが、今まではそういう環境ではなかった。
欧州も、イングランドのプレミアリーグのクラブが女子チームを持つようになって代表チームにいい選手がでてくるようになったけれど、それもここ何年かの話です。でも日本では、遊びやキッズプロジェクトで、子供のころからやっている子は増えている。世界に比べて、日本の低年代は広くなりつつあると感じています。
そういう環境で、中学生ぐらいまで世界のトップレベルにある技術を、いかに継続して「なでしこ」につなげることができるか。それが自分の仕事だと思っています。そのために必要なことを試行錯誤しながら、いろいろ取り組んでいるところです。

──メンタル面ではどうなのでしょう?

ハングリーさや自分をアピールしようという意欲が違う気がします。日本人の場合、漠然と代表選手になりたいと、代表を憧れとして捉えているところがあるかもしれませんが、外国選手は裕福な生活を手に入れるためにやっているところがありますね。
そういうハングリーさが、男子も女子も全体的にメンタルの部分に影響しているのではと思います。特に試合の中でのずるがしこさや駆け引きとかに出ている。日本人は賢くて頭もいいのでチームとしてはいい。日本経済も社会も組織として勤勉で、「前へ習え」と言えばみんなができる。でも、「前に習え」という形でチームとして戦っているだけでは、サッカーでは世界と対抗できません。その中で、個人では絶対に負けない、自分をアピールして見せ付けるという部分は、他国に比べるとやはりちょっと少ないと感じています。
その部分がないと最後のところで戦っていけないし、世界と対抗するにはもちろん、日本人同士でも戦っていけません。パスで回してばかりいては最後の局面が崩れないので、いい状態になったら、どんどん前を向いてゴールに向かっていける選手をどんどん育てて行きたいというのはありますし、そういうプレーを心がけるように選手には伝えています。

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