JFA|日本サッカー協会  Japan Football Association
JFAへの登録リンクENGLISHRSS

一覧に戻る
スペシャルインタビュー

 9月5日にトリニダード&トバゴで開幕する第2回FIFA女子U17ワールドカップ。2年前に初めて開催された大会でベスト8に終わった日本は、前回世界王者についた北朝鮮、韓国と共にアジア予選を突破し、2大会連続で世界の舞台に挑む。スペイン、ベネズエラ、ニュージーランドとのグループステージを経て9月25日の決勝進出を目指すが、U17という伸び盛りの年代の選手による世界大会に何を期待するのか。8月28日から国内直前合宿で準備を進めていた、日本女子U17代表チームの吉田弘監督に話を訊いた。

──まず2008年の前回大会を振り返ってみて、如何でしょうか?

 前回のチームは攻撃面では面白い形で得点することができるチームだったと思います。今回のチームは特に傑出した選手がいるというチームではありませんが、全体的には前回よりもレベルが高いと感じています。ただ、それで点が取れるか、勝てるか、というのはやってみないとわかりません。前回大会は準々決勝でイングランド相手にロスタイムで同点にされ、PK負けという結果に終わったので、悔しい思いは非常に大きいです。ただ、勝負の厳しさを知るということではいい経験ができたとも思います。

──前回大会からの課題はどんなところでしょうか?

 前回勝ち進めなかったのはもちろん何かが足りないからで、それは体格、あるいはメンタル面なのかもしれません。皆が一つの目標に向かってまとまってやっていける、という点は日本の強みですが、逆に強いメンタルは持っていても、周りの誰かを頼ってしまったりする傾向もあります。今回のU17のチームは、技術的な面では世界と十分戦えるレベルにあると思うので、もっと自分を表現して、アピールしようという話を選手たちにもしています。
 前回大会はベスト8で敗退しましたが、今回は優勝できないとは思いません。世界と対等に戦えると思っています。

──逆に日本のアドバンテージはどのようなところでしょうか?

 男子も同じですが、オランダのように身長が10センチも20センチも違う選手や、アフリカ勢のような身体能力が高い選手に対して、日本が体格やパワーで対等以上にプレーできるかと言えばそれは厳しいと思います。しかし、日本選手の場合は、90分間動き回れる体力とか、最後まで集中力を切らさずにプレーするという点は他にはない強みだと思います。特に女子ではテクニックの面では低年齢になればなるほど世界的にも高いレベルにあるので、それを今後どう活かしていくか、ということを考えていくことで世界と対等に戦っていけると考えています。
 これまでは、小学校までは男子と一緒にプレーできても、U16、17に来るまでの中学生年代で高いレベルでプレーできる場が少なかったのですが、アカデミーや中学校、クラブでプレーできるような環境が整ったことを受け、育成が進んでいると思います。

──アジアでの日本の位置づけについてどのようにお考えでしょうか?

 ワールドカップのアジア予選では3位でしたが、なでしこジャパンまで含めて、アジアではトップにならなければいけないと思います。10年ほど前は中国がアジアを引っ張っていく時代がありましたが、今は日本が引っ張っていく立場にあると考えています。準決勝で韓国に負けたのは非常に残念でしたが、勝てない試合ではなかったと思います。これからのことを考えて選手に経験させるということが目的でもあるので、結果的には決勝よりもワールドカップ出場のかかった厳しい状況の中で3位決定戦で勝てたことは、とてもいい経験だったと言えるかもしれません。
 今回のU-17女子ワールドカップでは、日本の良さをアジアだけでなく、世界にアピールするチャンスだと感じています。

──ワールドカップでの戦い方についてお聞かせください

 今回は身近なアジアの国ではなく、南米やヨーロッパ、アフリカといったチームと戦うことになるので、どのように選手が感じてやってくれるか期待しています。相手に合わせるということではないですが、色々なチームとの対戦のなかで相手を見ながらプレーできればいいと思います。世界には身体能力の高い選手もいますが、そういった選手にどのように対応していくのか、ということを経験できることが世界大会の一番の良さだと思います。選手たちも楽しんで相手を感じながら、それでも負けない、という気持ちでやってもらいたいと思います。

──「感じる」、ということをもう少し教えていただけますか。

 スポーツだけでなく、今は危ない!とか、今、主張しなきゃ!などを感じて、パッと見て、感じて、行動するということです。サッカーも同じで、ピンチやチャンスを感じて、一瞬で動きださなければいけない。それが的確で速ければ速いほど良いわけです。それに技術が伴えばさらに良いプレーができる。選手たちにはオンザピッチでもオフザピッチでも実践してもらいたいと考えています。例えば普段の生活でゴミが落ちていたら、パッと動いて拾うというように、すぐに行動してもらいたい、というようなメッセージでもあります。

──今回選出されたメンバーについて教えてください。

 GKを3人、フィールドを18人選出していますが、各ポジションに2人ずつと考えると20人必要です。しかし、今回は怪我をした場合などに他のポジションでもプレーできる能力、またはスピード、高さなど個性のある選手を選びました。世界と戦うためには何人か身長のある選手は必要だと思いますし、小さいけどもボール扱いが得意で動ける、日本の良さを表現できる選手も大切だと思います。

──JFAアカデミー福島の選手も選ばれています。

 アカデミーの選手は、中学から徹底して鍛えられている体力や、動きながらボールをコントロールして、それを試合中やり続けるという能力は非常に高いと思います。そしてアカデミーのテストを受けて、親から離れてでもサッカーをやるんだ、ということですから気持の強い選手が揃っています。そういったメンタルも強くて、トレーニング環境もいいですから、うまく育ってきていると思います。

──9月5日から始まるワールドカップに向けて一言お願いします。

 まずはグループリーグを突破することを目標にしています。グループでは初戦で当たるスペインが最も実力があると思うので、最低でも引分ければ次につながると思います。最終的にはすべての国がライバルになりますが、低年代も成人でも最近のどの大会を見ても、ドイツはいいサッカーをしていると思います。

 経験を積ませることを考えて、アジア予選でも2チーム編成のつもりで戦いました。今回も選手を多く使って経験させながら、9月25日の決勝に残ることが最終の目標です。

※U-17日本女子代表のページはこちら