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スペシャルインタビュー

 FIFAフットサル・ワールドカップが11月1日にタイで開幕する。ミゲル・ロドリゴ監督の下、アジア王者の日本は優勝4回のブラジル、欧州強豪のポルトガル、アフリカ王者のリビアと同組。激戦は必至だが、ワールドカップ2大会を経験した3選手に元サッカー日本代表FW三浦知良を加えた、ベテランと若手の融合チームでアグレッシブに挑み、3大会連続4回目の出場で初のグループステージ突破を狙う。短期集中型合宿やブラジル、ウクライナとの強化試合を通じて準備を重ねてきた、ロドリゴ監督に大会前に話を訊いた。

Q:今回のワールドカップではどんなことを楽しみにしていますか?

 アジア選手権の時と同様に、攻撃的でアグレッシブにプレーするというスタイルをこのチームで最後までやり通したいと思っています。強豪に対しては「守備重視で」と考えがちですが、そこを精神的に克服して攻めたい。その一線を越えられるメンタリティを示すチームになっていきたいと考えています。そのために、これまでやってきたこと全てをポジティブに使っていきたい。

Q:精神的克服を実現するための具体策は?

 いくつかあります。例えば、モチベーションビデオを作ることや、選手と日々のコミュニケーションの中で刺激できるように働きかけることもそうです。今回は日の丸の旗に選手やスタッフ全員に「心の契約」という、各人に最後までやり遂げる決意を書いてもらって、それを練習や試合会場で掲げています。それをこのチームで最後まで守って行こうと。これはアジア選手権ではやっていないので、今大会への特別な取り組みになります。

Q:先日のブラジルとの親善試合でも、精神的克服を計りたいと話していましたが成果は?

 選手たちはそういう面を見せてくれたと思いますし、強豪を相手にする恐怖心は克服できたと、私自身は感じています。試合の後半では、それまで負荷のかかったトレーニングをしてきた影響もあってフィジカル面が落ちてしまいましたが、前半の12~13分は互角に戦えました。選手たちは非常に勇敢に戦ってくれたと思います。

 ブラジル相手に良い試合ができて、希望や期待や自信を得たのは収穫です。でも「自分たちはこれだけやれたんだ」と甘えが生じてしまうと、ネガティブなものになってしまいます。ここで満足してはいけません。

Q:今回メンバーに招集した、サッカー元日本代表の三浦知良選手に期待していることは?

 これまでチームに欠けていた決定力、攻撃力、リーダーシップを発揮してほしいですね。こういうチャレンジができるのはカズだけだという話は以前にもしましたが、毎回トレーニングの度に「やはり、やれるのはカズだけだ」と確信させてくれる、吸収の早さを見せてくれています。Jリーグの長いシーズンの終盤にこのチームに合流して、フィジカルでは不利な面も否定できません。でも、フットサルの試合では何度も交代できますし、カズは非常にインテリジェンスの高い選手なので、問題ありません。試合数を重ねれば、彼はどんどん良くなると思います。

Q:今回のワールドカップで対戦するブラジル、ポルトガル、リビアをどう見ていますか?

 組み合わせの結果がこうなって、より困難なチャレンジになっていますが、これまで日本フットサルで達成していないグループステージ突破を目指したい。突破後は、できるだけ上位へ、辿りつけるところまで行きたいと思っています。ブラジルとポルトガルという大きな壁を乗り越えるチャレンジになりますが、この目標に向けてチームで取り組んできました。達成できるのではという自信があります。

 簡単に勝てる試合は一つもないことは明らかです。ブラジルはスペインと並ぶ強敵ですが、ポイントはそこではなく、ポルトガルとリビアかと。特に各国がリビアとどう戦うかではないかと見ています。

 リビアはこの2年半ほど優秀なスペイン人監督の下で強化を図っていて、モダンなフットサルで日本に似ています。アフリカ王者として臨んできますが、私たちもアジア王者です。彼らとの対戦は3戦目になるので、1戦目、2戦目の結果と点差が影響してきますから、そこまでの2試合が大事です。

 日本サッカーは最近、なでしこジャパンがロンドン・オリンピックでメダルを取り、ザック・ジャパンも好調です。私たちもサプライズを起こしたいと思っています。

 戦術・技術的には私たちのグループはやるべきことは頭に入っています。それを実現するフィジカルが必要ですが、戦術・技術ではかなり高いものを達成してきていると感じています。

Q:今回、フットサル日本代表が大きな注目を集めていることについては、どのように感じていますか?

 これまでフットサルを見たことがない人たちに、非常にスピーディで魅力的なゲームだということを感じてもらえる良い機会ですが、同時に、今回の注目が代表チームだけにとどまらず、サッカー先進国の育成状況に目を向けるきっかけになればいいと思っています。つまり、ブラジルやスペインなどでは、子供の頃からフットサルに取り組んで、大きくなってサッカーに行ったりフットサルを続けたりしています。そういう事実を今回のフットサルへの注目を通して見ることができれば、日本フットサルの状況、特に育成年代での状況が少し変わるのではないかと期待しています。

Q:サッカー先進国の状況に日本も近づければ、という期待でしょうか?

 ええ。すでに8人制がU‐12の全日本大会で導入されたということで、一歩前進しました。その次のステップとして、その下の「6歳から9歳はフットサルをやって、その年代の大会はフットサルで」というのが当たり前になれば、と。今回のワールドカップがそういう一歩を踏み出すきっかけになればと思っています。日本サッカー協会の果たす役割は大きいと期待しています。