JFA|日本サッカー協会  Japan Football Association
JFAへの登録リンクENGLISHRSS

一覧に戻る
スペシャルインタビュー

  日本代表チームはFIFAワールドカップ・アジア最終予選第5戦のオマーン戦にアウェーで勝利して4勝1分け無敗でB組首位を堅守して、2012年の活動を終えた。3月に再開される最終予選ヨルダン戦に勝てば、2試合を残して、ワールドカップ5大会連続出場が決まる。その後は本大会への準備が本格化することになるが、今年6月にはコンフェデレーションズカップにアジア王者として出場し、ワールドカップのリハーサル大会でホスト国ブラジル、イタリア、メキシコとの対戦も予定されている。日本代表を率いるアルベルト・ザッケローニ監督に2012年の成果と2013年への展望を訊いた。

Q:2012年を振り返ると収穫や課題など、どんな年でしたか?

 まず、ワールドカップ最終予選で多くの勝ち点を稼いで2013年につなげることができました。2011年から12年にかけてチームはかなり成長できましたし、結果も内容も11年より12年の方が断然良くなっている。特に12年は最終予選に入って難易度も上がったのですが、それでも結果が残せたのはチームの成長の証です。

Q:新しい発見や誤算などはありましたか?

 悪い意味での誤算は一つもなく、良い意味での誤算は想定以上のことがチームに起こりました。チーム状態は集まる度に変化があって、2月のウズベキスタン戦の時は良くなかったですが、ある程度チームが長く一緒にいられる時には良かった。
 私は、チームのGKからFWまでのセンターラインをチームの幹と捉え、ケガは別として、基本的には大きな変更をしないことにしています。そこがしっかりしていないと全体のバランスが崩れてしまうので、クラブを率いていた時からそうしています。ですから、日本代表でも選手起用に変更を加える場合はサイドが多くなっています。でも、ケガ人や技術的な選択で新たに起用した選手たちは、非常に良い活躍をしてくれました。そういう選手が増えてきて、全体的な底上げはできたと思っています。

Q:そのセンターラインでプレーするMF遠藤とDF今野は所属クラブが降格したので今季J2でプレーするかもしれませんが、心配はないですか?

 実力があれば彼らがJ2でプレーしても、代表チームに大きな影響はないでしょう。コンディションが整っていれば代表チームに呼びますし、代表スタッフの視察先にJ2が加わっただけです。それに彼らの性格を考えると、1年でJ1へ復帰しようとさらに頑張るでしょうから、あまり心配はしていません。

Q:12年1年間のチームの上積みや評価している点はどの部分でしょうか?

 まずはピッチでの内容です。最終予選で4勝1分け負けなしで勝ち点13を得て、総得点13、総失点2。その2失点もPKとリスタートからでした。最終予選でこれだけできるのは、チームとしてのコンセプトが浸透している表れでしょう。選手同士の距離感やパートごとの距離感も良くなっています。相手に的を絞らせないような攻撃展開もできていますし、プレー精度も前より上がっています。
 ですが、私の期待はもっと高いところにあるので満足していません。我々はさらに上を目指しています。2013年はさらに厳しい闘いが控えているので、もっと成長していかなくてはならない。選手にはさらなる成長を求めていますし、出場機会に恵まれていない選手にも、もっと食い込んでレギュラー組を脅かしてほしいですね。

Q:では、さらに上を目指すためには?

  代表チームに入っているメンバーには若手が非常に多く、彼らの伸びシロはとても大きいので、経験を得ながら高い能力を継続的かつ積極的に、しかも常に正確に出していけるようになることを期待しています。若手は明日の日本サッカーを支えるメンバーになりうる存在なので、私も彼ら若手に目が行きますし、彼らの成長には興味があります。
 というのも、代表監督就任時に私は3つの目標を掲げました。ワールドカップへ出場することと、ワールドカップで良い闘いをすること、そして日本サッカーの未来につながるような何かと残すということです。

 代表チームでは今後も自分たちの良いところをもっと前面に出していくために、チームコンセプトをもっと浸透させて、コンビネーション、スピード、精度を上げていかなくてはなりません。選手同士やパート間の距離感を上げて、コンパクトにまとまるためにも切り替えを早くしていくことも必要です。

 アジアとの対戦では多くのゴールを決めてチャンスも多く作れていますが、これからは世界の強豪国との対戦になります。相手が強くなればなるほど、チャンスを作れる機会は減ってくる。そこで数少ないチャンスにしっかりゴールを決めること。それが次への一歩になると思っています。

Q:昨年10月にフランス、ブラジルと対戦した欧州遠征をどう評価していますか?

 欧州遠征は、強豪相手でも自分たちが主導権を握ろうとする姿勢を選手に持ってほしくて組みました。こういう経験を通じて、チームのパーソナリティやチームへの信頼感も向上したと思っています。
 フランス戦では後半良くなって、終盤リードしていても2点目を取りに行こうという攻めの姿勢が見られました。フランス戦を通じて私がチームに持ってほしいと思っている姿勢が伝わったと思いますし、ブラジル戦では私が手を出すまでもなく、そういうパーソナリティが見られました。

 内容では、ブラジル戦ではこちらが狙ったプレーがあまりできなかったのですが、それでもメンタルや試合へのアプローチというパーソナリティの面では、ブラジル戦の方がフランス戦よりも気に入っていて、この2戦目は良い成長材料になると思います。それに、ブラジルには0-4でしたが、ブラジルの高い攻撃力のある前線の4枚に対してプレスに行っていました。日本チームの守備力は上がってきていると思います。

 私は、基本的にはどんな相手にも自分たちの特徴を生かしたプレーをしたいと考えています。日本代表の良いところは、ベースとなる基礎技術の高さです。世界に出れば強豪チームはフィジカルを前面に押し出してきますが、日本はスピードに乗って、基礎技術をフルに出していくことが生命線になります。パス、マークを外す動き、ゴールに向かう動きを連続して続けて出す必要があります。最後のゴールに向かう動きは、カメレオンのように多彩な攻めを見せることと捉えてもらえばよいでしょう。

Q:今年は6月にブラジルでコンフェデレーションズカップがありますが、この大会をどう位置付けていますか?

 今年の話をすると、まず最大の目標としてワールドカップ出場を早々に決めることです。3月のヨルダン戦で決めたいと強く思っています。そのあと、ワールドカップ本大会への準備に入っていくのですが、14年には集まれる機会があまりないようなので、13年の活動を最大限に有効利用していきたい。その意味でもコンフェデレーションズカップで日本がタフな組に入ったのは喜ばしいことです。最終予選を終えて現地に入るまでに、できればあと1~2日、日程的に余裕があるとよかったのですが…。

 コンフェデレーションズカップは世界の強豪が集まるレベルの高い闘いで、14年のワールドカップ本大会へ向けてステップアップする場です。ワールドカップ出場権を獲得した後、コンフェデレーションズカップへの準備期間がどのくらい確保できるのか不明ですが、1年後の本大会で自分たちが「こうありたい」という姿から何が欠けていて何が必要なのか、具体的な情報を得る機会になるでしょう。
 その後、昨秋実施したように欧州へ遠征して強豪と対戦して、どんどん経験を積んでいきたいと考えています。ただ、他の大陸ではまだワールドカップ予選の最中なのでマッチメークは簡単ではないとは思うのですが…。

Q:コンフェデレーションズカップや本大会のメンバーの決定に関しては?

 コンフェデレーションズカップも本大会も、その時点でコンディションが良く、最も実力がある選手を使いたいと思っています。特に本大会は結果が求められるだけに、結果に反映できるようなメンバーを組みたいと考えています。

Q:ありがとうございました。