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トピックス

2012/05/26

苦戦するも劇的勝利で勝ち点3を獲得
AFCフットサル選手権UAE2012 グループB第1戦 vs.レバノン代表戦マッチレポート

AFCフットサル選手権UAE2012
2012年5月25日(金)12:00キックオフ(現地時間)
@アル・ワスルスタジアム(アラブ首長国連邦/ドバイ)  

日本代表 3 (2-1,1-1) 2レバノン代表

3分 1-0 北原亘(日本)
4分 2-0 星翔太(日本)
5分  2-1 K.ABOU ZEID(レバノン)
34分 2-2 K.KAWASAN(レバノン)
39分 3-2 逸見勝利ラファエル(日本)
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 日本が劇的な勝利で、グループリーグ第1戦を制した。
大会の初戦は難しい。慣れていない会場やピッチ、大会初戦の重圧など過度にナーバスになってしまうことが往々にして起こる。

 しかし、立ち上がりの日本はそんなことを感じさせなかった。先発のGK川原永光、北原亘、逸見勝利ラファエル、星翔太、そしてキャプテンの木暮賢一郎はキックオフの笛が鳴るとすぐに主導権を握り、試合を優位に進めた。
 
 先制点が生まれたのは3分だった。きれいにパスを回し、逸見のクロスをファーポストに詰めていた北原が決めて、日本が先制する。
 日本は先制点後も攻撃の手を緩めなかった。1分後、カウンターから逸見のパスを最後は星が決めた。日本は早々と2点を先攻する。ハーフウェイライン付近でボールを奪ってからの見事なカウンターで再度スコアボードを動かすことに成功した。
 
 しかし、その追加点の喜びはわずかしかもたなかった。4人のスタメンがベンチに戻り、小宮山友祐、高橋健介、小曽戸允哉、村上哲哉らセカンドセットがピッチに出た直後だった。レバノンにコーナーからのリバウンドを叩きこまれ、1点を返されてしまう。
 
 失点を喫した日本だが、試合の主導権までは譲らなかった。ボールを自分たちの足元に置き、パスを回し、攻撃を組み立てる日本。一方、レバノンはテクニックに優れるキャプテンのタカジを中心にカウンターから好機を見出そうとする。日本はレバノンのそんな攻撃に対して前線からのアグレッシブなディフェンスで相手に活路を与えなかった。

 ミゲル・ロドリゴ監督が標榜する前線からの積極的なディフェンスを見せていた日本だが、そのディフェンスでボールを奪った後の攻撃には決め手を欠いた。初戦だからか、はたまたレバノンのカウンターを警戒していたからか、日本は思い切りのいい攻撃を仕掛けられない。日本は主導権を握りながらも、わずか1点のリードで試合を折り返す。 画像の説明

 後半もピッチ上の構図は変わらなかった。日本がボールを保持し、レバノンはキャプテンのタカジのテクニックを中心にしたカウンターを狙う。日本はドリブルが得意な仁部屋和弘が相手GKと1対1の場面でファウルで倒されるなど決定機をつくっていた。しかし、相手のカウンターを警戒するあまり、仕掛けることができず、シュートも少ない。ボールを保持する時間は長いが、その保有時間はシュート数と比例していなかった。
 
 すると徐々に試合の流れがレバノンに傾き始める。前半同様、日本の前線からのプレスに苦しみ、なかなか効果的な攻撃をできなかったレバノンだったが34分、わずかなチャンスを彼らは見事に的中させた。ハーフウェイラインでボールを奪ったレバノンはカウンターから数的優位な状況をつくり、そしてゴールネットを揺らすことを成功させた。スコアは2-2。試合は振り出しに戻った。
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 主導権を握りながらも同点にされてしまった日本。だが、彼らは土壇場で大きなチャンスを手にする。残り8秒、日本はドリブルが得意な小曽戸が右サイドで仕掛けると相手ディフェンスはたまらず彼の突破を手で阻んでしまい、ファウルを宣告される。そのファウルはレバノンにとって、後半6つ目のファウルだった。日本は土壇場で第2PKを手にしたのだ。第2PKキッカーはチーム最年少19歳の逸見。逸見がこのチャンスをしっかり決めて、残り7秒に日本は3-2と勝ち越しに成功する。レバノンはすぐさまGKをベンチに送り、フィールドプレーヤーを5人にし、パワープレーを仕掛けたが、日本が守りきり、大会初戦を3-2で勝利した。
 日本は大会初戦苦戦しながらも劇的な勝利で勝点3を手にした。

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フットサル日本代表 ミゲル・ロドリゴ監督

 まずレバノンを祝福したいと思います。レバノンの監督であるパコ・アラウホの仕事により特に4人での攻撃が著しく向上していました。しかし、どちらが勝者にふさわしかったのかと言えば、より多くの決定機をつくった日本だったと私は思います。レバノンはデータでは枠内には3本のシュートしかしていません。
 
 日本はいい試合をできず、悪い試合をしました。それは事実です。ハーフタイムに選手たちに「悪い試合でも勝たなければいけない」と言いました。王者となるチームは悪い試合でも勝つものです。いい試合をすれば勝利するのは当然ですが、悪いパフォーマンスでも結果的に試合に勝つのが王者となるチームです。私たちは向上するだけです。今日の試合はチームの25パーセントから30パーセントの力しか発揮できていませんでした。
 
 初戦は難しいです。勝たなければいけないという使命感やプレッシャーもありますし、最大限の力を発揮しにくいものです。ですが、それは言い訳にはなりません。日本はもっといいプレーをしなければいけません。それは初戦だろうが、最終戦だろうが関係ありません。
 強い意志、パーソナリティを持ってプレーをしなければいけません。日本はその強い意志、パーソナリティを最後の残り30秒で示すことができました。このゲームでよかったのは終盤に冷静にプレーをできたことでした。
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木暮賢一郎選手

 ワールドカップ予選での初戦で相手は警戒してきていましたが、2点を先行できました。決して悪い立ち上がりではなかったと思います。ただその直後に失点をしてしまいました。相手のペースでもなかったので、あの失点はもったいなかったです。
 
 2-1というスコアが長く続いていました。リードをしていましたけど、次の1点で状況が決定的に変わってしまうので、心理的にいい状態ではなかったですね。勝っているのに追い込まれている、そういう精神的な部分がピッチにでてしまったのかなと思いますね。
 
 しかし、こういう難しい試合を勝つことができたのは優勝する上で重要です。優勝するチームには今日のように苦しい試合だけど残り数秒で勝てたというような試合があると思います。公式戦の大会初戦でこういう難しいゲームに勝てたのはこのチームにとって大きな自信になると思うし、そういう精神力やインテリジェンスがもともとこのチームになければ、このゲームは引き分け、もしくは負けていたと思います。決していいプレーではないし、いい試合ではなかったです。当然修正しなければいけないですけど、勝点3を手にできたのは大きいです。終盤で示したチームの精神力の強さが、この試合で最もポジティブなことでした。勝って修正できることがこういう大会では一番大事なことだと思います。