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トピックス

2009/11/04

JFAエリートプログラム[女子]活動レポート
運動・休養・食事 ~トレーニングの3本柱~(下)

実施:9月20日(日)11:15 - 12:15
講師:中堀千香子[JFAメディカルセンター]

講師:中堀千香子

 中堀千香子氏のレクチャーにあったもう一つの話が、ケガをしたときの体の対応について。
 「痛みがあったとき、みんなはどうしますか?」との問いに「冷やす」「マッサージをする」「無理をせずに休む」など選手からはいろんな意見が飛び出した。ところが、「どうして冷やすの?」と問いかけると途端にトーンダウン。「誰かがそう言ってたから」。そこでしっかりと把握しておきたいのが、実際にケガをしたときに行うセルフケアのことだ。
 「ケガをしたとき、体からはいろんな症状が出ます。痛い、熱い、筋肉がつっぱる、内出血する、腫れるなど。一流の選手はこういった体からのシグナルを見逃しません。体の声を聞くことがとても大切なんです」(中堀氏)。
 この体からのシグナルを見逃すと、どういったことが起こるのだろうか? 腫れや出血は、急性期(ケガから72時間以内)に対応しないと広がってしまう。広がると当然治りは遅くなる。また、痛みのあるところをかばっているうちに、他の部位を痛めてしまうこともある。他にも自分の体のバランスが狂ってきたり、身体の動きを制御する神経系が正常に働かなくなってしまう場合もある。そこで身につけておきたいのが正しいセルフケア。一般に“RICE”すべてを行うことで最初のセルフケア完了とされている。“RICE”とは・・・

Rest(安静)・・・受傷直後から体内では痛めた部位の修復作業が始まる。患部を休めず、運動を続けると、体が修復の時期ではないと捉え、修復作業の開始が遅れてしまう。
ICE(アイス)・・・患部を冷却することで痛みを減少させることができ、血管が収縮されることによって腫れや炎症を抑えることができる。
COMPRESSION(圧迫)・・・患部に圧迫を与えることで腫れや炎症を抑えることができる。
ELEVATION(拳上)・・・部位を心臓より上に位置させることで腫れや炎症を抑える。

最大の目的は腫れさせない、出血させないこと。上のRICE4つを同時に行うことが重要なのである。「中でも圧迫とアイシングは特に気をつけてほしい」とは、中堀氏。ここでは正しいアイシングの方法も説明された。
○氷はたっぷりと氷嚢に入れ、時間は20分程度を目安に冷やす。
○1時間~1時間半に一回冷やし、症状により一日6~8回繰り返す。ただし、就寝中以外。痛みが取れるまで24時間~最大で72時間は行う。
○圧迫と氷嚢、拳上を忘れない。
足のくるぶしや、膝のまわりなど圧迫しにくいところはスポンジパッドをU字型や○字型にカットして固定するとよい。
症状は冷却を始めると、「冷たい・痛い」という感覚があり、その後温かくなってくる。次にピリピリとしびれてくる。そして皮膚感覚が麻痺してくる――ここが氷嚢の外しどきだ。

 レクチャー後、中堀氏はエリートプログラム期間中に使用するようにと、各選手一人一人に氷嚢と固定ベルトを貸し出した。
「なでしこジャパンの選手たちは、ほとんど自分専用の氷嚢グッズを持っています。スタッフの指示がなくても自分たちで取り組んでいる姿を見て、今回の選手たちにも貸し出してみたいと思いました。できればファストエイドとして各自持って欲しいアイテムですね」。
これまでは縁遠かったアイテムかもしれないが、体が大きくなり、スピードがついてくるこの年代。ケガの危険は常につきまとっている。正しいセルフケアを知ることで、症状を最小限に止めることができれば、治療で長くピッチを離れる必要もない。ピッチで力を出し切るためにも体の声が聞こえたときは適切に素早くセルフケアを行おう。