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トピックス

2009/11/24

JFAエリートプログラム[女子]活動レポート
レクチャー「食べるを学ぶ」

その4 レクチャー「食べるを学ぶ」
 実施:9月22日(火)11:30 - 12:15
 講師:浅井恵子[JFAアカデミー福島 栄養士]

トレーニングキャンプの2日目に行われたレクチャー「トレーニングの3本柱」の中でも少し触れた食事についての意識。ここではさらにその意識を高めてもらおうと、もう一段階掘り下げたレクチャーが行われた。
 指導に当たったのはJFAアカデミー福島の栄養士・浅井恵子さん。この年代は体を作っていく成長期にあり、特にこのプログラムに集まった選手たちは日中に激しいトレーニングを行うため、エネルギー消費量も多い。体力を回復するには、必要な栄養素をバランスよく摂取することが欠かせないため、食事への意識は重要である。

講師:浅井恵子[JFAアカデミー福島 栄養士]

 人間の体は主に水分、たんぱく質、カルシウムなどからできている。すべて、自分が食べた物が材料となる。要するにそれら以外から体が作られることはないということ。自分が何をどのタイミングで食べたらよいのか――。エネルギー源となるご飯、筋肉や血液の素となる肉や魚・卵、それらを体に取り入れる助けをするビタミン・ミネラルを豊富に含んだ野菜や海藻・きのこ類、発汗で失われたミネラルと水分を補給するスープ、カルシウムのたっぷり入った牛乳、疲れを改善してくれるビタミン豊富なフルーツ等を取り入れ、3食しっかりとバランスよく食べることができれば、かたよることなく自然に必要な栄養素が取れると浅井さんは言う。

 ポイントとなるのが食事を取るタイミングだ。まずは3食で自分に必要な食事量を取る。次のステップとして、食べるタイミングを意識することが大切になってくる。試合前に食べたものが消化されずに胃が重いままプレーした経験はないだろうか? あるいは、練習や試合の2、3時間後に食事を取る日が続き、体の疲労が取れにくかった経験のある人は? せっかくバランスが取れた食事をしていても、うまく生かすことができずにパフォーマンスが落ちてしまってはもったいない。
では、食事を取る正しいタイミングとはいつなのだろうか?「一般的にトレーニング前などは、なるべく食べ慣れたもので、胃に負担をかけずに消化の良いものを選ぶといいと言われています。例えば炭水化物は脂質等に比べて消化がよいため、それを多く含むご飯、パン、麺、バナナなどはお勧めです。逆に、脂質(揚げ物や菓子パン)、食物繊維(ごぼうなど)の多いものは消化に時間がかかるため、控えた方が良いでしょう」と浅井さんは言う。普通の食事は3~4時間前、おにぎりやバナナなど消化にいいものは1~2時間前に取り終えることが推奨されている。またよく噛んで食べることを心がけたい。1時間を切ったら、今度は固形物ではなく、100%のフルーツジュースなどで糖分を補給するのも1つの取り方。しかし、あくまでもこれは一般論。試合1時間前にたくさん食事を取っても平気な選手もいれば、飲み物を取っただけで気持ち悪くなる選手もいる。要は自分の体に合った食べ物の取り方を自分で見つけていくのが望ましい。
 「運動後は、なるべく早く栄養を補給した方がいいですね。時間を空けずに食べた方が疲労回復に効果的です」(浅井氏) 。先程述べたバランスの取れた食事をなるべく早く取ることが大切。すぐに食事が取れない場合は、100%のオレンジジュースやおにぎり1個、チーズ1片、ヨーグルトといった補食を取るようにしよう。

 成長期に必要不可欠なミネラルとして、今回はカルシウムと鉄について詳しく説明があった。骨の90%の材料となるカルシウム。この年代でスポーツをしている人が摂取するべき量は1000mgで、牛乳およそコップ5杯分にも及ぶ。「カルシウムは何も牛乳だけに含まれているわけではありません。野菜や大豆製品、魚介類にも多く含まれています。牛乳を飲めない人は飲める努力をするのも必要ですが、こういった食べ物を意識して取るように心がけるのもいいでしょう」(浅井氏)。カルシウム不足は骨折やケガにつながる恐れがある。また、カルシウムをしっかりと体に取り込めるのはこの時期だけだとも言われており、今後、ケガの少ない選手になるために、今のうちにしっかりとカルシウムを取っておこう。
 同じように鉄も重要なミネラルの1つだ。鉄は主に血液中に含まれ、酸素を体内の各組織へ運ぶヘモグロビンの材料となる。鉄が不足するとヘモグロビンがうまく生産されなくなってしまい、鉄欠乏性貧血の原因となってしまうこともある。鉄分豊富な食物はレバー、あさり、昆布、ひじき、のり、青果、納豆、赤身の肉・魚といったもの。さらに、ビタミンCとたんぱく質といっしょに摂取すれば、鉄の吸収率はぐんとアップする。「この年代でサプリメントは必要ないと思います。サプリメントは体内に吸収しやすくできていると言われているので、それに頼った体になってしまう恐れがあります。この時期は食べ物から必要な栄養を取れるようにするために胃や腸もトレーニングしなくてはなりません。要は日々の食事で補えていれば、サプリメントは必要ないということです。食事から必要な栄養を吸収する力をつけることが大切です」と浅井さんも言うように、基本は日々、バランスのよい食事を取ることだ。
また、食べることへの感謝の気持ちも忘れずにきれいに残さず食べることも心がけて欲しいと浅井さんは言う。「“いただきます”“ごちそうさま”をきちんと言えること、これらのことを当たり前にできる人になってほしいと思います。食べ方ももちろん大切です。背筋を伸ばしてきれいにもりもり食べる姿は、誰の目から見ても美しいものです。これらのことをきちんとできるということは、アスリートとして以前に、人として大切なことだと思います」。

 体が成長する今の年代だからこそ、食べることは自分の体を作ることなんだと意識し、そして何より好き嫌いせず何でももりもり食べられる体を作ってほしい。自分の体は自分でしか作れないという意識をもって毎日の食事に気を配るようにしよう。